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葬儀社における直葬・火葬式の割合と葬儀社ができることについて

葬儀社における直葬の割合

かねてより行旅死亡人(こうりょしぼうにん・ご遺体の引き取り手がない死者)の火葬や生活保護葬(福祉葬)に用いられていた直葬(火葬式)ですが、現在では一般の方の利用も増えています。
原因として考えられるのは、核家族化や少子高齢化の進行、信仰への無関心、近隣住民との関係の希薄化などでしょう。

官公庁などの公式データが存在しないため正確な数値は不明ですが、葬儀社の調査では直葬を選ぶ方は年々増加しているようです。
そこでこの記事では、葬儀における直葬の比率増加の背景や、葬儀社にできることについて考えてみたいと思います。

直葬で起きやすいトラブルや回避方法についても触れていますので、参考にしていただければ幸いです。

直葬(火葬式)の割合と傾向

直葬

前述したように直葬の割合に関する公式なデータはありませんが、複数の葬儀社様が自社で行われた葬儀について調査結果を発表しています。
官公庁などの発表データほど正確ではないものの、大まかな傾向をつかむことは可能です。

直葬はやや増加傾向

葬儀総数のうち直葬が占める割合については、葬儀ポータルや行政の調査結果では、2.0~5.5%ほどとなっています。

お葬式種類別の施行割合

直葬の実施数自体はやや増加傾向にありますが、施行割合についてはほぼ横ばいといった様相です。

(補足ですが、一般葬・家族葬の割合が調査年ごとに異なりますが、こちらは調査元の会社様で定義が異なるようで変動がありました。明確な基準がないので、混在していると思われます。)
新型コロナウィルスにより亡くなった方が直葬を余儀なくされた2020~2021年でも、急激な増加はみられませんでした。
今後も直葬の実施数は緩やかに増加することが予想されますが、葬儀の形式として全国的に一般化するかどうかについては予想がつきにくい状況です。

地域による偏り

葬儀に対する意識は都市部と地方で大きく異なり、直葬の割合も東京都では20%ほどと全国平均の約5%を大きく上回っています。
これは都市部の住環境や、近隣住民同士の交流の希薄化の影響が大きいでしょう。

地方でも、郊外では「講(神仏にもうでたり、祭りに参加したりする信仰者の集まり)」や「組(地域によって隣組・葬式組などと呼ばれる)」といった近隣住民による相互扶助組織が現在でも機能しているのに対し、都市部では形骸化している地域も少なくありません。
ましてや大都市圏では地域コミュニティが機能せず、近所付き合いがないのが普通になりつつあります。

また都市部では晩婚化や未婚率の上昇による単身世帯も多く、地方出身者も都市での生活が長くなるにつれ、親戚付き合いを嫌う方が増えているようです。
こういった状況から、都市部での直葬は今後も増加すると考えられます。

直葬・火葬式を選ぶ理由

もともと一般的ではなかった直葬が増加しているのは、潜在的なニーズが表面化したものと考えられます。
そもそも直葬を選ぶ方が増えている理由は、どういったものでしょう?

経済的な理由

先進国の中でも日本の葬儀費用は、もっとも高額な部類に入ります。
これは他国にくらべ日本の葬儀には時間も手間もかかり、多くの人手が必要となるためです。

お葬式にかかった費用を教えてください。

葬儀費用+会食+返礼品の平均金額は180~200万円ほどで推移していますが、誰もが簡単に用意できる金額ではありません。
まして日々の生活費に余裕のない方が、葬儀費用を抑えるのは当然の流れでしょう。

信仰に関心が薄い

現在では宗旨宗派不問の公営・民営墓地を利用し、菩提寺を持たない方も多くいらっしゃいます。
残念ながら現在の日本では、自分は仏教徒であると認識している方でも、日常生活の中で信仰を意識している方は多くありません。

信仰に関心の薄い方が葬儀に高額な費用をかけることに対して、疑問を抱くのも理解できます。
多くの方が合理的・効率的な生活を求める現代日本では、宗教儀礼である葬儀の簡略化も自然な変化なのかもしれません。

故人の遺志

高額な葬儀費用が遺族の生活を圧迫すると考え、自身の葬儀を簡素なものにするよう言い遺す方も少なくありません。
遺族も故人の遺志を無下に扱うのは、気が咎めることでしょう。

自分が亡くなったあとに、遺族が葬儀費用の工面に苦労することを望む方はいません。
こういったケースは今後も多くなると考えられますので、葬送サービスを提供する事業者側も状況に応じた対応が必要です。

直葬・火葬式を選ぶ方のために葬儀社ができること

直葬 葬儀スタッフ

直葬を選ぶ方が抱える事情はそれぞれ異なりますので、葬儀社様が手伝えることも状況によって変化します。
適切な対応をとるためには、遺族からの入念な聞き取りが不可欠です。

経済的に困窮している方

葬儀に多くの費用を拠出できない方に対しては、追加できるオプションを提示するよりも、葬儀後のアドバイスを提供する方が親切です。
まずは行政や健康保険から受け取れる給付金などについて、遺族の相談にのれるよう準備が必要です。

また四十九日の法要や納骨についても、サポート体制を整えておくべきでしょう。
具体的には以下のようなものがあります。

  • 菩提寺を持たない方のための法要を依頼できる寺院紹介
  • 遺骨を手元供養する際の注意点
  • 安価な納骨方法の紹介(合祀型永代供養墓・納骨堂・本山納骨など)
  • 葬儀・納骨後のトラブル対応に有効な分骨という方法の紹介
  • 分骨に必要な手続きや分骨証明書の取得方法

上記以外にも、葬儀社様ごとに得意分野を活かしたサポートを、ホームページ内の直葬関連ページに記載しておけば利用者も安心です。

宗教的な縛りを望まない方

日本で営まれる葬儀の8割以上は仏式といわれており、当然ながら葬儀の内容や流れも仏教の教えに基づいたものとなります。

しかし信仰に関心のない方の中には、仏式での葬儀に価値を見出せない方も少なくありません。

たしかに宗教儀礼を省略した直葬は宗教に縛られない形式ですが、葬儀としては非常に簡素な形式です。
葬儀は、もちろん故人を見送るためのものですが、遺族にとって大切な別れの場でもあります。
宗教に縛られず、かつ遺族が心おきなく見送ることのできる「無宗教葬」や、従来の形式にとらわれない「自由葬」を、葬儀社として提案してみてもよいでしょう。
僧侶などの宗教者に対する謝礼が不要になるだけでも、遺族の金銭的な負担は大幅に軽減されるはずです。

現在すでに「無宗教葬」を扱っている葬儀社様もありますが、式次第については仏式の流れを踏襲しているケースも少なくありません。
今後は定型的な葬儀形式からの脱却が必要になる可能性もありますので、後手に回らないよう自社に適したよりフレキシブルな葬儀形式についても、早めに検討しておくことをおすすめします。

故人の遺志などでやむなく直葬を選んだ方

遺族の負担を軽減するために、生前に葬儀について準備する方も増加しており、中には元気なうちに葬儀契約まで済ませる方もいらっしゃいます。
生前に直葬での契約がなされていれば、葬儀社としては契約に従って葬儀を執り行うことになるでしょう。
直葬に対し、遺族や親族の全員が納得していれば問題はありませんが、そういったケースは少ないでしょう。

著名人が亡くなった場合などは、家族だけで密葬を済ませ、後日「お別れ会」や「偲ぶ会」などが営まれるケースも少なくありません。
一般の方の場合、大規模な「お別れ会」は必要ありませんので、親族や親しい友人・知人と遺族での「偲ぶ会」を、葬儀社様がサポートすることは可能でしょう。
会費制で立食パーティー形式などであれば、遺族・参加者ともに大きな費用負担は必要ありません。
密葬を直葬で行い「偲ぶ会」を本葬として捉えれば、親族の不満も最小限に抑えられるでしょう。

直葬・火葬式で発生頻度の高いトラブルの予防法と対応法

直葬トラブル

直葬は従来の葬儀の概念に当てはまらない葬送形式ですので、抵抗感を覚える方も少なくありません。
周辺とのトラブルも起きやすいため、事前の根回しが必要です。

菩提寺に納骨できない

直葬は宗教儀式を伴わない弔い方ですので、教義を重んじる仏教僧の中には直葬は葬儀ではないという意見を持つ方もいらっしゃいます。
実際に直葬が原因で菩提寺に納骨できない、法事の依頼にも応じてもらえないなどのトラブルも発生しています。

宗教者である僧侶にとって、宗教儀式なしでの弔いは受け入れがたいのも当然です。
しかし、あらかじめ菩提寺の住職に事情を説明しておけば、妥協点が見つかるケースも少なくありません。
経済的な理由から直葬を選ぶ旨を伝えておけば、枕経や炉前読経だけでも対応してくださる僧侶はいらっしゃいます。

もし菩提寺の僧侶が一切相談に耳を貸してくれない場合も、対応する方法はあります。
宗派に強いこだわりがなければ公営・民営霊園に納骨が可能ですし、宗旨宗派不問の永代供養墓も利用できます。
また宗派に強いこだわりがある場合は、本山納骨も選択肢の一つです。
ただし本山納骨した遺骨は取り戻せませんので、場合によっては分骨も検討したほうがよいでしょう。

親族の理解が得られない

故人や遺族の希望で直葬を選択した場合、親族の反発を招くケースも少なくありません。
直葬は従来の葬儀にくらべ極めてシンプルな形式のため、信仰心の厚い方にとっては受け入れがたいという心理も理解できます。
また高度成長期を牽引した団塊の世代以上の高齢の方々にとって、直葬は簡素すぎると感じるかもしれません。

しかし前もって事情を説明し理解を求めれば、親族に納得してもらえる可能性もあります。
あるいは話し合いの中で、遺族・親族の双方が納得できる妥協点を見つけることも可能です。
もし、どうしても双方の意見に折り合いがつかない場合は、前述した密葬(直葬)と本葬(お別れ会)の形式を、折衷案として提案してみてもよいでしょう。

十分なお別れが出来なかった

サービス業全般に言えることですが、企業や従業員にとっては日々の業務の一つでも、利用者にとっては一度きりの大切な時間です。
利用者に後悔させてしまった場合、企業が信用を取り戻すための効果的な方法はありません。

利用者が費用の安さだけで直葬を選んだ場合、想像以上に簡素で短時間な葬送形式を後悔するケースも少なくありません。
利用者の後悔は、企業に対する将来的な悪評につながりかねませんので、特に地域密着型の葬儀社様にとっては大きなリスクです。

リスクを最小限に抑えるためにも、直葬とは宗教儀式がなく搬送・安置・火葬のみの形式である点を十分に説明し、利用者に理解してもらう必要があります。
そのうえで直葬に付帯可能なオプションなどを提示すれば、利用者に悪印象を与える可能性も少なくなるでしょう。

直葬・火葬式で後悔を残させないための方法

基本的に物事にはメリットとデメリットの両面がありますが、企業としては商品のメリットを強調しがちです。
しかし結果的に利用者が後悔を残してしまっては、企業としてのイメージダウンにつながりかねません。
残念ながらリスクをゼロにする方法はありませんが、リスクを最小限にとどめる方法はあります。

直葬でも利用できるオプションを用意

直葬を希望されるのは、基本的に葬儀費用をできるだけ低く抑えたい方ですので、オプションを提示しても利用される可能性は低いでしょう。
しかし葬儀社側から、直葬でも利用可能なオプションを提示したという事実は残ります。

説明を受けたうえでオプションを利用せずに直葬を実施し、結果的に利用者が後悔したとしても、葬儀社側に悪い印象が残ることは少ないでしょう。
また紹介したオプションを利用した方が、直葬でも満足されたなら好印象が残ります。

いずれにしても、直葬で利用できるオプションを用意しておけば、葬儀社様の業務に悪影響を及ぼすことはありません。
葬儀社様にとって直葬はおすすめしたくない葬送形式だと思いますが、利用者に葬送形式の1つとして広く知られてしまった以上、可能な限り対応せざるを得ないでしょう。

直葬のメリット・デメリットを説明

直葬に関してはメリット・デメリットが非常に明確です。
メリットは他の葬送形式にくらべ、費用負担が大幅に軽減されること。
一方デメリットは他の葬送形式にくらべ内容が簡素で、お別れの時間があまり取れないことです。

近年では少人数での家族葬を専門に扱う葬儀社も増え「家族葬9.8万円~」といった表示をよく見かけます。
広告内の9.8万円という金額は直葬を指すと思われますが、一般の方がイメージする家族葬とは、少人数で営む通夜・葬儀の二日葬ではないでしょうか?

認識にズレが生じたまま費用の安さだけで直葬を選んだ場合、想像以上に簡素で短時間な葬送形式を利用した方が後悔するケースも少なくありません。
直葬については、メリットよりデメリットに重点をおいて説明したほうが無難です。

デメリットへの対応法を提示

たとえデメリットがあっても、影響を最小限にとどめる方法が用意されていれば利用者も安心です。
葬送形式としての簡素さから派生する、さまざまな問題について説明したうえで、具体的な対応策を提示しましょう。

葬儀社様によっては、直葬に多くのオプションを付けた場合、1日葬の費用を超えてしまうケースも考えられます。
こういったケースでは費用を含めたシミュレーションを行い、利用者に双方を見比べてもらったうえで契約すれば、トラブルの発生確率を最小限に抑えることも可能です。

直葬・火葬式を選んで後悔している方への対応

すでに直葬を実施した方の中には、さまざまな理由で後悔されている方も少なくありません。
たとえ他社で直葬を行った方であっても、葬祭サービスのプロとして相談にのってあげることは、決して無駄ではありません。

菩提寺に納骨を拒否された場合

菩提寺に事前の相談をせずに直葬した場合、戒名を付けてもらえない・納骨を拒否される・以後の法事の依頼を断られるといったトラブルが生じることもあります。
各葬儀社様では、事前に直葬のリスクを説明されているはずですが、実際にこういったトラブルは発生しています。

基本的には、遺骨を手元供養しつつ時間をかけて菩提寺と話し合いで解決するのが、もっとも妥当な方法でしょう。
しかし菩提寺側が全く耳を貸さない場合は、宗派の寺院を統括する本山の宗務庁に相談するのも一つの方法です。

また納骨だけの問題なら、公営・民営霊園や永代供養墓なども利用できますし、四十九日の法要後もあわてて納骨する必要はありません。

親族や知人から苦言を呈された場合

直葬の場合、簡素な葬送形式に不満を持つ親族や、葬儀に参列できなかった友人・知人から苦言を呈されることも少なくありません。
また故人の死を後になって知った方が、ひっきりなしに弔問に訪れるため、いつまでも遺族の気が休まらないというケースもあります。

問題解決のために葬儀を再度執り行うのは現実的ではありませんので、後日あらためて「お別れ会」を開くなどが落としどころでしょう。

戒名だけでも欲しい場合

戒名とは仏弟子としての名前ですので、仏教徒以外は必要ありません。
もし戒名だけでも欲しい場合は、戒名授与サービスを利用することもできますし、実は自分でつけても問題ありません。

戒名については、考える葬儀屋さんのブログ「安くて簡単な戒名の付け方を葬儀屋さんが教えます」で詳しく解説されています。

寺院墓地に納骨する場合は、その寺院で授かった戒名が必要になるケースもありますが、宗旨宗派不問の霊園であれば戒名がなくても納骨は可能です。
こういった事情を説明したうえで、利用者が戒名を授かりたいと希望する場合は、葬儀社様から寺院を紹介してあげてもよいでしょう。

内容が質素すぎて後悔している場合

すべて納得したうえでもっともシンプルな直葬を選択した方の中にも、悔いが残ってしまう方はいらっしゃいます。
こういったケースでは「お別れ会」を提案してもよいですし、葬儀から時間が経っている場合は四十九日の法要や一周忌法要を盛大に行うというのも方法の一つです。

すでに多くの葬儀社様では、四十九日の法要や一周忌法要のタイミングで案内を出すなどのアフターケアを行っているかと思います。
ハガキやパンフレットの送付が多いかもしれませんが、直葬を実施した利用者に対しては電話での直接的なアプローチを検討してみてもよいかもしれません。
しつこい勧誘などを行わなければ、電話での声掛けに悪い印象を残さずに済みます。

まとめ~直葬・火葬式だからこそアフターケアで差別化を~

直葬を自社の一押し商品と考える葬儀社様は、限りなくゼロに近いでしょう。
自社のサービスに自信があればあるほど、簡素すぎて特徴が出しにくい直葬の増加を避けたいと感じるのは当然です。

経済的な理由から直葬を選ばざるを得ない方に対し、現実的に葬儀社様ができることは限られます。
付帯可能なオプションについても、経済的に困窮している方に対しては積極的に提案するのも難しいでしょう。
しかし公式ホームページ内の直葬のページを充実させれば、直葬を検討されている方に多くの情報を提供することも可能です。

今回紹介した直葬のデメリットに対する対応法や、安価なオプション・直葬以外の選択肢などを掲載すれば、直葬に関する情報を求めている方の目に触れる可能性もあります。
葬儀後の対応にも触れておけば、利用者が公式ホームページにたどり着いた時点から、アフターケアを始めることも可能です。

直葬後に利用者が後悔を残さないためには、葬儀社様によるアフターケアが欠かせません。
搬送・安置・火葬だけのシンプルな形式でも、式前後の工夫次第で独自性を付加することは可能ですので、自社でできることについて検討してみてください。

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遠方の場合はまずはオンライン会議をおこなわせていただきます。