葬儀社のホームページに掲載しておきたい葬儀の流れ

葬儀社ホームページでは、サービス内容である「葬儀の流れ」をほぼどこでも掲載をされています。
理由は、お客様にとっては常態のことではないため、ご存じの方が少ない、宗教儀礼事項であるがゆえに作法・マナーがあり、また地域によって文化が異なるように葬儀の内容も異なるといった点があるためです。
今回はどの様な位置に、どの様な内容で、どの様に伝えているのか(図画、イラスト、イメージ画像、動画)、各葬儀社さんの事例をもとに見ていきたいと思います。
もくじ
各葬儀社様の傾向
各社のホームページに掲載されている「葬儀の流れ」紹介記事には、記事構成の傾向に共通点があります。
これは偶然ではなく、葬祭事業を営む企業としてのマーケティング戦略から導き出された構成です。
自社が発信したい情報ではなく、ホームページを訪れたユーザーの知りたいことを優先的に掲載しています。
葬儀形式ごとに紹介
現在では家族構成や生活スタイルなどの変化から葬儀の形式も多様化し、多くの方が参列し通夜式・告別式を行う「一般葬」以外にも「家族葬」「1日葬」「火葬式」など簡略化された形式が生まれています。
上記のような葬儀形式に対し、ほとんどの葬儀社様も対応されていることでしょう。
それぞれの葬儀形式により葬儀全体の流れも異なりますので、各社のホームページでも葬儀形式ごとにページを分けて解説しているケースが多くなっています。
「大阪市民葬センター」様のサイトをご覧いただくと分かりやすいでしょう。
葬儀だけでなく逝去からの流れ
各葬儀社様のホームページでは、通夜式からではなく逝去からの流れを紹介しているケースが多くみられます。
日本では病院などの医療施設で亡くなる方が8割以上となっていますので、病院で亡くなってから搬送・安置の流れを起点として解説しているケースも少なくありません。
また自宅で亡くなった場合の対応方法について、状況別に解説しているケースもあります。
病院で亡くなった場合は原則的に当日中の搬送を求められますが、逝去の時点で利用する葬儀社すら決めていない方も少なくありません。
身内に不幸があった際に、最初に直面するのが搬送依頼先の問題ですので、遺族に安心感を与えるためにも逝去からの流れを含めた方がよいでしょう。
大手葬儀社と地域密着型葬儀社のホームページの違い
ホームページに葬儀の流れについて言及している点は共通ですが、大手葬儀社様ホームページ・葬儀ポータルサイトと地域密着型の中小葬儀社様ホームページでは、記載されている情報量に違いがみられます。
あくまでも全体的な傾向ですが、地方の葬儀社様ホームページで葬儀の流れについて詳細に解説されているケースは少ないようです。
反対に大手葬儀社様のホームページでは、葬儀の流れの中の重要なポイントについて、より深掘りした内容を掲載しているケースが少なくありません。
「葬儀 流れ」というキーワードでネット検索する方の多くは、今後喪主を務める可能性がある、もしくは自身の終活の一環として調べている方と考えられます。
しかし喪主を務めた経験がない方でも、親族や知人の葬儀に参列した経験はあると思われますので、おおまかな葬儀の流れはご存じでしょう。
ユーザーが求めている情報は「葬儀の流れ」そのものではなく、より具体的な内容である点を念頭において情報発信する必要があります。
ユーザーが見やすい表示形式
せっかくホームページで葬儀の流れに関する情報を発信しても、ユーザーに見てもらえなければ意味を成しません。
自社が伝えたい情報に目を通してもらうためには、ホームページを訪れたユーザーが閲覧に苦痛を感じないよう工夫が必要です。
「葬儀の流れ」についての掲載位置
ユーザーが求めている情報は「葬儀の流れ」についての詳細ですので、記事の冒頭1見出し目もしくは2見出し目までに記載しておく必要があります。
ページを開いてすぐに「葬儀の流れ」に関する記事であるとユーザーに気づいてもらえるよう、できるだけ記事上部に配置しておきましょう。
全体像を1画面で
葬儀の全体的な流れが記事冒頭に分かりやすく掲載されていれば、記事内容が一目で分かります。
ユーザーに「葬儀の流れ」に関する記事だと認識されれば、すぐに離脱されることはないでしょう。
分かりやすい例として、長野県の「安楽院グループ」様や、新潟県の「Arkbellセレモニー」様のサイトをご覧いただくとよいでしょう。
葬儀の流れの全体像を分かりやすく1画面で表示しつつ、各項目について解説している点が特徴です。
リンクの設置
「葬儀の流れ」を解説する際には、搬送・納棺・通夜式など節目ごとにポイントをおき、時系列で説明する必要があります。
葬儀の全体像を簡潔にまとめつつ、各ポイントについて詳細に解説したい場合は、各項目に別ページへのリンクを設ける方法がおすすめです。
「くらしの友」様のサイトでは、少ない手順で必要な情報にたどり着けるよう、リンクを上手に利用して詳細情報を提供しています。
葬儀の流れの中でもユーザーごとに特に気になる点は異なりますが、各項目から詳細ページにリンクを設けておけば、自社サイト内だけでユーザーの不安解消も可能です。
折りたたみ(アコーディオン)
葬儀全体の流れを箇条書きの形式でまとめながらも、ユーザーに必要な情報を提供する方法の1つが「折りたたみ」です。
「公益社」様のサイトでは「折りたたみ」を利用することで、葬儀の流れを簡潔にまとめられています。
各項目の詳細は図解や動画を利用
葬儀は故人を見送るための宗教的な儀式ですので、さまざまな作法や決まりごとがあります。
同じ仏式の葬儀でも、宗派によって用いられる経典や焼香の回数などに違いが見られますし、地域による葬送習慣の違いも少なくありません。
日本で行われる葬儀の9割前後が仏式とされていますので、神式やキリスト教式の葬儀の作法に詳しい方は少ないでしょう。
儀式の作法などは言葉で説明するよりも、イラストや写真・動画を使ったほうがユーザーにとって理解しやすくなります。
仏式での焼香や神式での玉串奉奠(たまぐしほうてん)の作法、キリスト教式での献花の流れなどを、言葉の説明だけで理解するのは困難です。
人が取得する情報の8割は視覚からとされていますので、積極的にイラストや動画などを活用すべきでしょう。
現在では広報戦略の1つとして、YouTubeチャンネルを開設している葬儀社様も少なくありません。
YouTubeにおける葬儀の作法動画などは、葬儀社様が投稿したものがほとんどです。
関東地方で冠婚葬祭互助会事業を営む「メモリード」様のサイトでは、自社で投稿した動画を利用して葬儀の流れを分かりやすく解説しています。
掲載すべき葬儀の流れ各項目
亡くなってから葬儀終了までのあいだには、節目となる重要なポイントがいくつか存在します。
葬儀を滞りなく進めるために不可欠なポイントについては、ピックアップして詳しく解説すべきでしょう。
「葬儀の流れ」に記載すべき項目を、時系列に沿って以下に紹介します。
- 逝去
- 搬送
- 安置
- 枕経
- 打ち合わせ
- 遺影の準備
- 各種手続き
- 納棺
- 通夜式
- 通夜振る舞い
- 葬儀・告別式
- 火葬
- 式中初七日法要
- 精進落とし
- 散会
葬送習慣は地域によって異なりますので、場合によっては不要な項目もあるかもしれません。
また葬儀の全体的な流れを解説する際には、上記の全項目を記載しては冗長になりますので、いくつかをまとめて1項目に集約したほうがよいでしょう。
「逝去~安置」「打ち合わせ~各種手続き」などで1つの項目にまとめれば、全体で6~8項目ほどに集約できます。
加えると効果的な項目
ここまでに紹介した内容は多くの葬儀社様ホームページに記載されていますので、このまま自社ホームページに記載しても効果は期待できません。
他者との差別化を図るためには、独自のコンテンツを掲載する必要があります。
独自サービス・オプション紹介
独自サービスといっても、奇をてらったオプションやサービスを提供する必要はありません。
欧米では一般的なエンバーミングですが、日本で対応している葬儀社様はまだ多くないため、独自サービスとしてアピールすれば、集客効果が期待できます。
メモリアルコーナーのスペースを他社より大きめにとって、故人が生前愛用していた大きな楽器や、自転車・バイクなどを展示可能にするだけでも、十分に差別化が可能です。
また、通夜式後に遺族が式場に宿泊可能な「付き添い安置」も、東京などの大都市部では未対応となっているケースも少なくないので、記事に含めておいてもよいでしょう。
地域独特の葬送習慣
葬儀は通夜式→告別式→火葬の順に行われるのが一般的な流れですが、北海道や東北地方などの一部地域では通夜式→火葬→告別式、または火葬→通夜式→告別式の順で行われるケースも多いようです。
実際に青森県の「山本陽一葬儀店」様のホームページでは「葬儀の流れ」を火葬→通夜式→告別式の順に紹介していますし、葬儀当日の納骨など地域独特の葬送習慣を解説しています。
こういった地域独自の葬送習慣は地元の方にとって慣れ親しんだしきたりですので、ホームページに情報を記載しておけば、地域の葬送習慣に精通した葬儀社として安心感を与えられるでしょう。
式場の立地に適したサービス
葬儀に参列される方が利用する交通手段も、地域によって大きく異なります。
地方や郊外では自家用車で来場される方が多いと想定されますので、式場近くに駐車場が必要です。
駐車可能台数も含めて、記事内に加筆しておいた方がよいでしょう。
また大都市圏では電車・バスなどの公共交通機関を利用される方も多いため、式場までの順路が分かりやすく掲載されていれば安心です。
駅から離れた場所に式場がある場合は、駅から式場まで葬儀社の無料送迎バスが運行されていれば、喪主や遺族も落ち着いて最期の時間を過ごせるでしょう。
葬儀後の流れ
葬儀後に遺族は故人の遺骨とともに自宅に帰りますが、四十九日の法要までは自宅に後飾り祭壇(中陰壇)を設置して遺骨を安置するのが一般的です。
しかし初めて喪主を務める方は、こういった習慣をご存じないケースも少なくありません。
後飾り祭壇は葬儀社様がサービスで設置するケースも多いですが、その旨をあらかじめ記事内に記載しておけば、葬儀後の遺骨の扱いについて遺族が不安に感じることもないでしょう。
四十九日の法要までにすべき手続きや準備などの情報も、ユーザーにとって有益です。
まとめ~利用者目線でのコンテンツ作成を~
かつて情報は企業側からユーザー側に対し、一方的に送り付けるものでした。
そのためテレビCMを放映するような資本力のある大企業に、地方の中小企業が対抗するのは非常に困難だったでしょう。
しかしインターネットが普及した現在では、ユーザー側から情報を探しにきてくれます。
企業とユーザーの双方向通信が可能になった今、工夫次第では中小企業が大企業と対等に戦うことも不可能ではありません。
むしろ地域密着企業だからこそ発信できる情報もありますし、葬儀社様も地域の一員として振舞えば、地の利を活かすことも可能です。
googleなどの検索サービスの進化により、今ではユーザーの位置情報から該当地域に適した検索結果を表示していますので、地域密着企業にとって以前ほど不利な時代ではありません。
状況によっては、地域を限定したリスティング広告の利用を検討してもよいでしょう。
アイデア次第で企業として大きな成長の可能性もありますので、ユーザビリティに優れたホームページ作りをおすすめします。
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