葬儀社の資格「 葬祭ディレクター 」の資格取得方法やメリット・年収を解説
葬儀社の資格の一つに厚生労働省が認定する 葬祭ディレクター という資格があり、この 葬祭ディレクター の資格は葬儀に関する優れた知識と技能を有していることを証明し、葬儀社の信頼・依頼獲得に繋がります。
本記事では葬儀社の資格「 葬祭ディレクター 」の業務内容や資格取得方法、取得することでのメリットや年収などもあわせて詳しく解説していきます。
もくじ
葬儀社の資格「 葬祭ディレクター 」ってどんな仕事?
葬祭ディレクターの主な業務は葬儀の企画、葬儀会場の設営や儀式の進行です。
葬儀をおこなう際の宗派や亡くなられた方の意向はもちろん、近年では葬儀の多様化が葬儀社に求められることもあり、葬儀社選びにおいて葬祭ディレクターの在籍の有無を判断材料にする方も少なくありません。
人材不足の葬儀業界では葬祭ディレクターの需要は常に高いのが現状です。
葬祭ディレクターの就業者数
国勢調査では平成27年の時点で葬祭ディレクターに就業している人の人数は46,910人となっています。
また、平均年齢は42.2歳、学歴の比率は高卒、大卒、不明の順となっています。
葬祭ディレクター の業務内容
葬祭ディレクターの業務内容は亡くなられた方から葬儀の依頼から葬儀、四十九日法要、仏壇・墓地の相談までの全てをおこないます。
具体的な業務内容は以下の通りです。
・儀式の事前相談・受付
亡くなられた遺族からの葬儀の相談をおこないます。
・遺族・喪主との打ち合わせ
亡くなられた方の遺族・喪主と儀式の規模や予算から式場・儀式の形式などを打ち合わせで決めます。
・見積もりの作成
遺族との打ち合わせで決めた内容での見積もりを作成します。
・会場の手配・設営準備
打ち合わせで決めた会場を手配し、儀式のための設営をおこないます。
・遺体搬送
亡くなられた方を自宅、または病院から会場へ搬送する手配をします。
・遺影写真の手配
亡くなられた方の遺影写真を遺族などへ依頼し手配します。
・火葬場の手配
遺体を火葬する場所を手配します。
・棺・霊柩車・バス・タクシーの手配
遺体を納棺する棺、搬送する霊柩車、遺族・参列者のバス・タクシーを手配します。
・供花・料理や飲み物の手配
儀式で使用する供花、参列者へ提供する料理や飲み物の手配をおこないます。
・僧侶・牧師・宮司の手配と打ち合わせ
遺族との打ち合わせで決めた形式で、指定の宗教者(僧侶・牧師・宮司)を手配し、打ち合わせをおこないます。
・通夜・儀式の司会進行
通夜と儀式の司会と進行をおこないます。
・香典返しの手配
儀式へ参列した方への香典返しの手配をおこないます。
・四十九日法要
四十九日の法要のための会場、僧侶・宮司の手配や、本位牌・仏壇などの準備や石屋への連絡をおこないます。
・その他:遺族のケア・サポートや死亡届の代行手続きなど
葬祭ディレクター の資格を取得することでのメリット
葬祭ディレクターの資格を取得することで以下のようなメリットが見込まれます。
- 技能の向上、収入の増加
- 品質の高い葬儀をお客様へ提供できる
- 葬祭ディレクター在籍の有無はお客様の葬儀社選びの判断材料になる
- 多様化する葬儀への細かい対応が可能になる
- 葬儀社に対する遺族からの信頼が高まる
葬祭ディレクター の資格種別
葬祭ディレクターの資格には「1級葬祭ディレクター」と「2級葬祭ディレクター」があり、どちらも葬儀に関する優れた技能・知識を示す証明となりますが、以下のような違いがあります。
◆1級葬祭ディレクター
1級葬祭ディレクターは「個人葬から社葬まで」全ての葬儀に関する知識・技能を持ち合わせていることを証明します。
◆2級葬祭ディレクター
2級葬祭ディレクターは1級と違い「個人葬」に関する知識・技能を持ち合わせていることを証明します。
葬祭ディレクター の資格取得方法
葬祭ディレクターの資格は誰でもすぐに試験が受けられるわけではありません。
葬儀社で実績を積むことが前提とされています。
そのため、葬祭ディレクターの資格は葬儀社で一定の技術や知識、能力などの実務経験を得てから目指すのが一般的です。
また、葬祭ディレクターには1級と2級があり、共に技能審査は年に1回以上おこなわれます。
資格の取得方法について必要資格、試験内容、受験の申請方法とあわせて解説していきます。
受験資格について
葬祭ディレクターの資格受験に学歴は不問ですが、以下の資格が必須となります。
葬祭業務実務経験
【1級葬祭ディレクター】
葬儀社などで葬祭実務経験を5年以上、もしくは2級葬祭ディレクター資格取得から2年以上の葬祭実務経験がある。
【2級葬祭ディレクター】
葬儀社などで葬祭実務を2年以上経験している。
※2級葬祭ディレクターの受験について
2級葬祭ディレクター受験において、葬儀社などの葬祭実務の経験がなくても葬祭ディレクター技能審査協会が認定した葬祭教育機関の所定カリキュラムを修了、または修了見込みがある場合は受験時にこの期間を葬祭実務経験に算入できます。
葬祭業務実務経験年数証明書は以下の認定校にて受ける必要があります。
認定校(募集停止校含む)
- 日本ヒューマンセレモニー専門学校 フューネラル学科・エンバーミング学科
- 駿台トラベル&ホテル専門学校 葬祭ディレクター学科
- 東京観光専門学校 葬祭ディレクター学科 葬祭ディレクターコース
- 国際ホテル・ブライダル専門学校 葬祭ディレクター科
- 福岡ブライダル&ホテル・観光専門学校 葬祭ディレクターコース
- 長野平青学園 ホテル・ブライダル&セレモニーコース
- 大阪ウェディング&ホテル・観光専門学校 心のおもてなし科 葬祭ディレクターコース
- ウェディング・ホテル&ツーリズム専門学校 葬祭学科
- 大阪観光専門学校 葬祭ディレクター学科 葬祭ディレクターコース
引用元:「厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査」
試験の内容
◆学科試験
・1級:50分 100問
・2級:30分 50問
◆実技試験
・実技筆記試験
・幕張試験
・接遇・司会試験
※学科試験と実技筆記試験はマークシート形式
受験申請
受験申請書類と資料の請求
・葬祭ディレクター技能審査協会
各種書類のダウンロード先はコチラ
・受験申請書類の送付先
葬祭ディレクター技能審査協会
〒277-8691
柏郵便局私書箱50号
資格取得費用
資格取得に掛かる費用は1級・2級共に学科と実技に費用が発生します。
【1級】
学科試験:8,200円
実技試験:46,200円
【2級】
学科試験:8,200円
実技試験:30,800円
葬祭ディレクターに関する年収や求人
葬祭ディレクターの求人情報をみると、需要は非常に高く募集が多くかかっています。
また、就職先や経験にもよりますが、給与は月給16万円~80万円と幅があり、年収にすると250万円~600万円ほどとなっています。
また、葬祭ディレクターの資格取得支援制度をもうけていたり、資格保有者は手当が発生する葬儀社もあり、10,000円~となっています。
まとめ
ここまで葬祭ディレクターの業務内容や資格の取得に関してご紹介しました。
葬祭ディレクターは葬儀の依頼から四十九日法要まで多くの業務をスムーズにおこない、多様化する葬儀のニーズに細かく対応することが求められます。
また、葬祭ディレクターの資格を保有している者が葬儀社に在籍していることは、お客様が葬儀社を選ぶ際に安心できるといったメリットもあります。
その他、遺族から葬儀社への信頼アップや、葬儀の品質向上など葬儀社の集客においてプラスになる資格です。
本記事が現在葬儀社などで従事している方で葬祭ディレクターの資格取得を検討している方の参考になれば幸いです。