葬儀社を独立・開業する方法〜立ち上げ時の経営のポイントを解説
近年、葬儀需要の増加に伴い、葬儀社を独立・開業する事業者も増えています。
そこで本記事では、葬儀社を独立・開業する際に必要な準備や、立ち上げ時の経営のポイントについてご紹介します。
これから葬儀社を立ち上げようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
葬儀社が独立開業する2つの方法
葬儀社を独立開業する場合、フランチャイズ経営と個人経営のどちらかを選択する必要があります。
どちらもメリット・デメリットがあるので、自身にとってどちらが適しているかを考えなくてはいけません。
では、それぞれの独立開業方法の特徴を、メリット・デメリットとあわせてみていきましょう。
フランチャイズ経営
フランチャイズは加盟する企業の商号・商標の使用許可を得る代わりに、ロイヤリティを本部に支払う仕組みです。
本部が確保している仕入れ先の提供や集客支援をしてもらえるため、経営戦略を学びながら運営ができます。
また、本部のブランド力が強ければ強いほど、開業からお客様に信頼感を与えられるのもメリットです。
ただし、フランチャイズによってはロイヤリティを支払い続ける必要があります。
また、基本的には本部が定めた規約・マニュアルに従って運営しなくてはいけません。
自身のブランディングで顧客獲得できる自信がある、自分の考えた経営戦略で運営していきたいなら、フランチャイズ経営は不向きです。
個人経営
個人経営はその名の通り、他企業の商号・商標を借りず、自分自身のブランド力で経営をしていく方法です。
ペット葬専門や、より安い価格で家族葬を実施するなど、自由かつニッチなサービスを提供することができます。
フランチャイズと違い、ロイヤリティがない分、全ての利益が自社に入る点もメリットです。
ただし、ゼロからのスタートは顧客獲得が難しく、ブランディング力が試されます。
また、資本力は大手に劣ってしまうため、価格競争や企画力では個人経営の方が不利になりやすいです。
葬儀社の開業・独立するのに必要な準備
葬儀社の独立・開業にはいくつか準備が必要です。
自分がどれだけ用意できているか把握するために目を通しておきましょう。
開業資金
葬儀社の開業資金は規模や事業形態にもよりますが、最低でも200万円以上はかかるものと考えましょう。
開業にかかる費用はフランチャイズ・個人開業含めておおよそ以下の通りです。
- ・設備購入費(斎場・霊柩車など)
- ・加盟費・保証金
- ・研修費
- ・広告宣伝費
- ・葬儀関連の備品購入費
斎場を建設する場合は1,000万以上かかることもあり、スモールスタートには向いていません。
できるだけ小規模スタートを検討するなら、斎場を持たずにレンタルやリースで契約する方がコストを抑えられます。
店舗物件
自社の葬儀場を構える場合には、店舗となる物件を準備しなければいけません。
特に、物件周辺に自社が提供する葬儀プランのニーズがあるのか、近隣住民に理解を得られるかなど考慮すべき点は多いです。
なお、フランチャイズに加盟している場合は、本部の担当者がサポートしてくれるため、どの立地が良いのかを相談できます。
サービス内容
葬儀社を独立・開業するにあたり、どのようなサービス内容を提供していくのかは、準備する中で非常に重要です。
基本的に葬儀社は資格が不要で、開業資金があれば始められるため、他社とサービス内容の差別化が肝になります。
サービス提供エリア周辺の葬儀社情報を調査しつつ、自社が優位に立てるサービス内容を考えていきましょう。
葬儀社の経営を成功させるポイント
葬儀社は開業したら終わりではなく、どのように経営戦略を練って利益を上げ続けるかが大切です。
では、葬儀社の独立・開業をした方が、経営を成功させていくために必要なポイントをご紹介します。
地域に見合ったサービスを提供する
まずは自社のサービスが地域で需要のあるサービスなのかを見極めなくてはいけません。
例えば、バブルを経験した50〜60代の方は、葬儀も華やかにしたいと考える傾向にあります。
そこで、50〜60代が住む地域で葬儀社を行う場合は以下のような葬儀に需要があると判断可能です。
- 棺の中に彩り鮮やかなお花を添える
- 参列者からお花を添えて欲しい
- 多くの方を収容できる葬儀場で行いたい
ただし、50〜60代だからといって、皆が葬儀を華やかにしたいと考えているわけではありません。
そのため、葬儀サービスを提供する地域周辺では、どのような方が暮らしているのか、傾向を分析する必要があります。
経営を成功させるには、どのようなサービスをどのように売りに出すかが重要なので、妥協せずにサービスを練りましょう。
自社の強み・他社との差別化を明確にする
自社の強みを明確にアピールしていけば、他社との差別化につながり、ニーズに合ったお客様の利用が増えていきます。
また、自社の強みがわかっていると、広告や営業活動する際にも活用でき、有効的なアピール材料になるでしょう。
まずは、自社がどのような葬儀プランを提供しているのか、他社との違いはどこにあるのかを明確にしてください。
地域との交流を深める
地域との交流を深めることで、葬儀社としての認知や信頼性・誠実さを知ってもらえる機会ができます。
イベントで交流を深めるなら、終活セミナーや葬儀に関するマナー講座などです。
また、介護施設や病院への挨拶回りでも地域との交流を深めるきっかけになります。
「あの人が経営している葬儀社に依頼したい」と思えるように、積極的に地域と交流を深めていきましょう。
柔軟に戦略を組み立て分析・改善を行う
ビジネスは常に時代の変化にあわせて柔軟に戦略を組み立て、分析・改善を行うことが成功の秘訣です。
一般的に家族葬は需要のある葬儀ですが、自社が提供しているプランでは思うように伸びない場合もあるでしょう。
その際に、なぜ自社の家族葬プランは依頼数が少ないのかを分析し、改善策としてさまざまな戦略を仮説・検証していくのが重要です。
なお、集客戦略については、以下の記事をご覧ください。
まとめ
今回は、葬儀社を独立・開業する方法や立ち上げ時の注意点、経営を成功させるコツについてご紹介しました。
葬儀社は需要のある業界なものの、利益が全く出ないことも珍しくはありません。
だからこそ、入念な準備と経営戦略をもって臨むべきです。
ぜひ、本記事を参考にして、需要に応えられる葬儀社を目指してください。