葬儀社の人材研修の種類と必要な準備は?優れた人材で他社との差別化を図ろう
葬儀社は死と向き合う業種だからこそ、スタッフひとりひとりの接客や知識まで、一定の質を保たなくてはいけません。
そこで導入を検討したいのが、多様な人材研修と多角的な教育の実施です。
本記事では、葬儀社が取り組むべき人材研修の種類や必要な準備を解説します。
もくじ
需要の多くなる葬儀業界ではサービス品質が問われる時代
高齢化社会の日本において、今後ますます葬儀業界は需要が多くなることが予測されています。
そのため、他社との差別化を図るには、サービス品質の良さも重要な要素になるでしょう。
また、インターネットの普及に伴い、葬儀社間のサービス内容や価格、口コミなどが容易に比較できるようになりました。
同じサービス・価格帯なら、良い口コミが多く、よりサービス品質に期待ができる葬儀社が選ばれるのは当然です。
以上の点から、葬儀業界ではサービス品質の高さによっても、集客の影響が大きくなると考えられます。
人材研修の種類
自社を選んでもらうには、スタッフのサービス品質向上のため、人材研修を行うことがおすすめです。
ここでは、人材研修の種類をご紹介しますので、自社ではどのような研修体制を整えられるのかを考えていきましょう。
オフライン研修
オフライン研修は、対面で行う従来の研修方式を指します。
ロールプレイングやOJTといった実践形式での研修ができるため、実技を身につけるには最適です。
ただし、その場での研修のみになるので、自宅や外出時での学習が必要な場合には、別の研修方法と並行して進行させる必要があります。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴って自粛されていたものの、今後、オフライン研修を再開する葬儀社も増えていくでしょう。
オンライン研修
オンライン研修は、インターネットを通じて行う研修方式を指し、現代でいうウェビナーやWeb研修が該当します。
主に知識に関する研修を行うのに適しており、葬式のマナーやルール、葬儀の流れなどを学んでもらえます。
場所を問わず研修ができるので、自宅から参加してもらうといった、現代のリモートワークのようなスタイルで行えるでしょう。
オンデマンド研修
葬儀における知識やマナーを動画コンテンツを通して学習できるようにするのがオンデマンド研修です。
動画コンテンツを作っておけば、教育担当がその都度研修する必要がなくなるため、業務効率の向上に期待ができます。
また、研修者にとっては場所を問わず視聴ができるため、自由なタイミングでの学習が可能です。
最近では、コンテンツを細分化して学習・習熟しやすいよう、マイクロラーニングを取り入れる企業も多くなっています。
マイクロラーニングとは、1分から5分程度の短時間で受講できる学習コンテンツによる学習で、社員がパソコンやスマートフォンなど、さまざまなデバイスを通じて隙間時間を活用できる点がメリットです。従来のeラーニングよりも短時間かつ手軽に行える点が魅力となっています。
葬儀社においてもマイクロラーニングは有効のため、オンデマンド研修を取り入れる際は検討してみましょう。
ただし、オンデマンド研修は学習意欲を保つのが難しく、習熟度もスタッフに依存してしまいます。
そのため、オフライン研修とうまく組み合わせながら、効率のいい研修を展開する力が求められます。
人材研修で必要な準備
効率よく人材研修を行うには、事前の準備が大切です。
そこで次に、人材研修に必要な準備について解説します。
教育マニュアルの作成
スタッフ全員が一定以上の品質を保てるようにするには、教育マニュアルの作成が最適です。
また、マニュアルに沿って研修を行えば、研修担当のスタッフが教える内容にもムラがなくなります。
教育マニュアルについては、オンライン上に作成しておくと、共有・修正・追加をする際に手間がなく楽です。
紙媒体で用意すると、修正・追加の際には配布のし直しをしなくてはならず、コストの増加や効率の悪さにつながります。
評価シートの作成
人材を教育する上では、評価シートの作成はスタッフの成長だけではなく、モチベーションにもつながります。
ただし、評価シートはできるだけ数値による客観的な評価ができるよう配慮をしましょう。
例えば、「研修を通して葬儀のマナーを理解できている」という評価は、曖昧であり評価者の主観に依存します。
一方、「研修の修了テストで80点以上を獲得する」であれば、評価は客観的です。
このように、評価シートにはメリットがある反面、評価内容がうまく機能しない面もあります。
そのため、評価シートを作成する際には、できるだけ具体的な評価数値を用いた内容にしましょう。
教育担当の選定
葬儀社はいつ何時お客様がくるかわからないため、教育担当のスタッフを確保できないケースも多くあります。
しかし、教育担当を選定しておかなくては、スタッフの習熟度が把握できず、サービス品質の向上は期待できません。
もし余裕があれば、研修者ひとりに対して教育担当スタッフをひとりをつけましょう。
もし、人員的に難しい場合は、ひとりの教育担当を選定し、周りのスタッフがサポートしながら研修体制を整えていきましょう。
また、本記事で紹介した研修の種類を組み合わせながら行うと、時間やコストに多少の余裕が持てます。
研修方式にも工夫を凝らしながら、効率のよい人材教育を目指してみてください。
人材研修のアウトソーシング
もし、社内で十分な研修環境が整えられない、あるいは時間を割けない場合には、アウトソーシングをするのも方法の1つです。
人材研修のアウトソーシングでは、新人スタッフの研修だけではなく、教育担当者を育てる研修を展開している企業もあります。
将来的に自社内での研修を行う予定であれば、教育担当者を育てる研修も視野にいれておきましょう。
まとめ
今回は、葬儀社が取り組むべき人材研修の種類と必要な準備についてご紹介しました。
現在の研修方式は多様になり、オフラインだけではなく、オンラインやオンデマンドを使って研修を行うことが可能です。
他社との差別化のためのサービス品質向上を目指し、効率のよい人材研修を展開していきましょう。