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沖縄県の葬儀における作法としきたり

沖縄県の葬儀しきたり

沖縄県は明治12年(1879年)まで「琉球王国」として独立した国家だったため、日本本土とは文化習俗が大きく異なります。
日本と中国の両国から文化的影響を受けつつも、アニミズム、祖霊崇拝、おなり神信仰(姉妹に兄弟を守る霊力があるという信仰)を中心とした土着信仰を生活のベースにしているようです。

独自の死生観や宗教観を持つ沖縄では、現在でも独自の方法で弔いが行われています。

そこで本記事では、沖縄県に残る特徴的な葬儀のしきたりについて、詳しく紹介します。

沖縄県独特の仏教との関わり方

日本における庶民と仏教の関係性は、おおむね江戸時代に確立されたといわれていますが、その当時の沖縄県は独立した国家でした。
そのため仏教に対する考え方も、他県とは大きく異なるのが特徴です。

檀家(だんか)制度がない

沖縄県では、人々が決まった宗派の寺院に所属する檀家(だんか)制度がないため、寺院にお墓を持つ方は少数派です。
葬儀での読経を依頼する祭も、宗派にこだわらず近場の寺院から選ぶのが一般的です。

江戸幕府が実施した「寺請(てらうけ)制度」により、人々は寺院の檀家となり「寺請証文」という身分証を受けるよう定められました。
しかし当時の沖縄県は独立した国家で、当然ながら「寺請制度」に縛られることはなかったため、檀家制度が定着することはなかったようです。

戒名料がない

沖縄県では寺院から戒名を授かる際に、お布施をする文化が定着していないようです。
位の高い戒名を授かる際にも、本土のように高額なお布施を必要としないため、戒名に「居士(こじ)」や「大姉(だいし)」を付ける方も大勢います。

通夜式は行わない

通夜

沖縄県では、宗教儀式としての「通夜式」を行わないのが一般的で、僧侶を呼ぶこともありません。
家の最年長女性、またはユタ(沖縄の巫女)が「グイズ」と呼ばれる拝み言葉を唱えて「御願(ウガン)」を行うのが一般的です。

「御願」とは沖縄県に残る原始宗教の1種で、自然崇拝と先祖崇拝の二つの側面があります。
「御願」を行うのは主に女性で、古代母系社会の形態をそのまま受け継いでおり、現在でもユタやノロ、ムヌチと呼ばれる巫女が存在します。

「ユートゥージ」や「ユーグムイ」「ユーウキー」などと呼ばれる沖縄の通夜は、遺族や近親者のみが参加して故人との最後の時間をゆっくり過ごします。
近隣の方が訪れることもありますが、翌日の葬儀日程などを確認して、すぐに帰るのが礼儀とされているようです。

忌日法要を省略しない

ナーチャミー

仏式葬儀では、忌明けまで7日ごとに忌日法要を行うのが本来ですが、現在では「初七日」と「四十九日忌」以外は省略されるケースがほとんどです。
しかし沖縄県では、この忌日法要を省略せずに、四十九日までしっかりと行う家が少なくありません。

まずは葬儀翌日から初七日までのあいだ、遺族が「ナーチャミー」と呼ばれるお墓参りを行います。

初七日から四十九日までの期間は、7日ごとに「ナンカスーコー(七日焼香)」と呼ばれる忌日法要が行われ、血縁者や親しい知人などが香典をもって集まるのが通例となっているようです。

沖縄県の伝統的な葬送習慣

土着信仰が生活のベースになっている沖縄県の葬送習慣は、本土とは大幅に異なる点も少なくありません。
先祖供養に重きを置き、横のつながりを大切にする沖縄県らしいしきたりも、随所にみられます。

故人の枕元に豚肉を供える

三枚肉

沖縄県の冠婚葬祭において、豚の三枚肉(バラ肉)は不可欠とされており、故人の枕元にも供えられます。
仏式葬儀における枕飾りのお供えは、肉や魚などの「生臭もの」を避けるのが一般的ですが、沖縄県では重視されていないようです。

小さな枕飾り祭壇には、お箸を立てた山盛りご飯、饅頭、味噌・塩、白位牌(シルイフェー)が並べられ、茹でた三枚肉が供えられます。
「故人に良いものを食べさせたい」という遺族の気持ちが込められた風習のようです。

土着信仰を大切にする沖縄県の方にとっては、仏様の教えよりも先祖供養の方が重要という考えが伝わるしきたりといえるでしょう。

棺(ひつぎ)が深い

現在の葬儀における納棺は、故人の身体をまっすぐにして納めるのが一般的ですが、沖縄県では少し膝を曲げた状態で納棺を行います。
そのため沖縄県の棺(ひつぎ)は、一般的な棺よりもやや短めで深いのが特徴です。

前火葬と収骨

収骨

沖縄県では、葬儀前に荼毘(だび)に付す「前火葬」が一般的で、祭壇に遺骨を安置して「骨葬(こつそう)」を行います。

収骨方法も独特で、はじめに故人と血縁の深い方3名が収骨を行いますが、1つの遺骨を3人で同時につまむのではなく、順番に橋渡しをして最後の方が骨壷に納めます。
その後は1人ずつ箸で収骨していきますが、本土のように2人で1つの遺骨をつまむ習慣はありません。

当日納骨が主流

全国的には四十九日法要を済ませてからの納骨が一般的ですが、沖縄県では葬儀当日の納骨が多くを占めます。
風葬や土葬が行われていた頃は、葬儀当日にお墓に納めるのが当然でしたので、その習慣が今でも残されているようです。

沖縄県のお墓は、父系親族全員が納められる「門中墓(もんちゅうぼ)」が多く、お墓に戒名を刻むといった習慣も一般的ではありません。
お墓の形状は、斜面に設けられることの多い「破風墓(はふぼ)」と、亀の甲羅のような「亀甲墓」が多く、墓地面積が広いのが特徴です。

新たに納められる遺骨は「新人」と呼ばれ、お墓の守り人として入り口近くに安置されるようです。

洗骨(せんこつ)と火葬

かつての沖縄県では、遺体を埋めずに風化させる「風葬」が行われており、一定期間経過後に遺骨を取り出してお酒や海水で洗い清める「洗骨(せんこつ)」のしきたりがありました。
「洗骨」は主に家の女性が担当していましたが、精神的にも肉体的にも非常に負担の重い作業です。

そのため、地元の女性たちにより洗骨反対運動が展開されたことから、沖縄県では火葬の習慣が一気に広まったとされています。

沖縄県におけるお墓参りのルール

亀甲墓

仏教では、先祖供養のためのお墓参りはいつ行ってもよいとされていますが、沖縄県ではお墓参りをむやみに行うのはよくないとされています。
そのため沖縄県のお墓参りは、1月16日に行われる「十六日(ジュウルクニチー)」、5月に行われる「清明祭(シーミー)」、旧暦の7月7日の七夕(タナバタ)の年3回が基本です。

お墓参りをする際には、よそのお墓を除かないのが礼儀とされており、横切る際にも会釈などをしてはいけないとされています。
また沖縄県のお墓には、向かって右側に「ヒジャイガミ(左神)」が祀られていますので、あいさつを済ませてからお墓参りを行います。

八重山諸島ではムヌチによる葬儀を行う家もある

沖縄本島では仏式の葬儀が多くなっていますが、八重山諸島では今でも巫女であるムヌチによって葬儀を営む家があるようです。

八重山諸島で暮らす人々にとって、ムヌチはシャーマンであると同時に祭祀者として扱われています。
「死者を送り出す人」であり「島民の幸せを祈る人」でもあるムヌチは、今も島民の日常に深く関わっているようです。

荼毘広告を出す

横のつながりが強い沖縄県では、顔を合わせたことがないような遠い親族であっても葬儀に参列するのが礼儀とされています。
また近隣住民や友人知人との絆も大切にされているため、ほとんどの葬儀には数百人が参列するようです。

こういった事情から、沖縄県では葬儀情報が詳細に記載された「荼毘広告」が毎日掲載され、この広告をもとに葬儀に参列するといわれています。
また地域によっては、近隣で行われる葬儀の情報をスピーカーで放送することもあるようです。

沖縄県の葬儀に参列する際の注意点

沖縄県の葬儀は、しきたりや作法が他県と大きく異なるため、参列する際は注意が必要です。
あらかじめ知っておけば困ることもありませんので、参考までに紹介します。

通夜に喪服は着用しない

沖縄県の通夜に参列する際に、喪服を着用するのは失礼とされているため、落ち着いた色の平服を着るのが礼儀とされています。
訃報に接して取るものも取り合えず駆けつけるはずに通夜に、喪服を着て参列するのは「故人が亡くなるのを待っていた」ようで失礼と考えられているようです。

かつては全国的にマナーとされた習慣ですが、交通手段が発達した現在では着替えてからでも通夜に間に合うため、喪服を着用する方も多くなっています。
しかし沖縄県では、現在でも古くからのしきたりが守られているようです。

受付が2つ設けられていることがある

受付

沖縄県の葬儀に参列すると、受付が「字内(あざない)」と「字外(あざがい)」に分かれていることがあります。

沖縄県の一部地域では、冠婚葬祭を簡素に行う「生活改善運動」が推奨されており、近隣住民のお香典額が決まっています。
こういった事情から、受付が地域住民用の「字内」と一般参列者用の「字外」に分けられているようです。

他県から沖縄の葬儀に参列される方は、一般参列者用の「字外」で受付を済ませましょう。

葬儀に参加できない方もいる

妊婦さん

多神教宗教である琉球神道が根付いている沖縄県では、死の穢れに対して強い畏怖の念を抱いているため、葬儀に参列すべきでないとされる方がいます。
不浄から身を守るためのしきたりで、以下のような方が対象です。

  • 妊娠中の方と配偶者
  • 家を新築中の方
  • お墓を建立中の方
  • 故人と干支が同じ方

上記に当てはまる場合、不浄に引っ張られやすい人(サーマキスン)とされており、葬儀に参列すべきでないと考えられているようです。

供花を贈ったら香典は無し

沖縄県の葬儀で供花を贈った方は、お香典を包まないのが通例となっているようです。

沖縄県では、葬儀からナーチャミー・ナンカスーコー・四十九日の忌明けまでの一連の流れ全体を葬儀として捉えており、基本的に故人と縁のある方はその全てに参列します。
そのたびにお香典を包むため、一回当たりの金額相場は少額にする方が多いようです。

葬儀で遺族に贈る供花は1台数万円することもあるため、別途お香典をいただくのを控える家が多いといわれています。
しかし全ての家に当てはまるわけではないため、供花を贈る際に確認しておいた方が安心です。

おわりに

葬儀社様ホームページのコラムとしてこのような記事の掲載をおこなっておくと、喪主様・ご遺族様・ご参列の方々も分かりやすく、興味を持たれる内容かもしれません。

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