自治体の「墓じまい補助金」と改葬手続き。葬儀社ホームページでの正しい案内方法【47都道府県調査版】

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「墓じまいに補助金が出る」――そんな情報を目にして、費用の負担が軽くなることを期待するご家族が増えています。
しかし、インターネット上の情報は正確とは限らず、自治体ごとの実態は驚くほど見えにくいのが現実です。

誤った情報が飛び交うテーマだからこそ、正しく案内できる葬儀社は大きな信頼を得られます。
そして墓じまいの相談は、永代供養や散骨といったアフターサービスへの入口にもなります。

本記事では、当社が47都道府県を調べた結果をもとに、墓じまい支援制度の実像と、全国共通の改葬手続き、そして自社ホームページでの正しい伝え方を、公式出典とともに解説します。

※本記事の制度・運用は、各自治体の公式サイト・公式様式で確認したものです(確認時点:2026年8月)。制度は新設・変更・終了があるため、掲載時は必ず各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。

「墓じまいに補助金が出る」は本当か──47都道府県の公式調査から

まず結論からお伝えします。墓じまい(お墓を撤去し、遺骨を別の場所へ移す「改葬」)に、個人が広く使える現金給付型の補助金は、現時点ではごく少数です。
47都道府県の県庁所在地・政令指定都市を対象に公式サイトを調べたところ、大半の自治体では「公式に確認できる補助制度なし」というのが実態でした。

一方で、調査から見えてきたのは、もうひとつの重要な事実です。補助金の代わりに、「墓じまいの受け皿」となる公営の合葬墓・納骨堂を整備する自治体が、全国で急増しているのです。
つまり支援の中心は、「お金」ではなく「受け皿」に移りつつあります。この正確な全体像を伝えることが、誤情報のあふれる領域で信頼を得る近道になります。

実在する支援は4つの型|「お金」より「受け皿」

墓じまい支援の4つの型

公式に確認できた支援制度は、次の4型に整理できます。

型1|墓石撤去費の助成型(少数)

公営墓地の区画を返還するときに、墓石の撤去費の一部を補助する型です。
浦安市の「墓所返還者等支援事業」、太田市(八王子山公園墓地)などが公表されている例です。対象は、その公営墓地の使用者に限られます。
数としては少数派で、「補助金が出る」という情報の多くは、この型を指していると考えられます。

型2|改葬先の提供型(全国で拡大中・本命)

区画の返還を前提に、市営の合葬墓・納骨堂を「改葬先」として提供する型です。今回の調査で公式に確認できた主な例だけでも、次のとおりです。

  • 仙台市いずみ墓園 合葬式墓所:使用資格に「市営墓地の使用者で、墓じまいに伴う改葬先として使いたい方」と公式に明記された、墓じまいを前提にした設計。承継者不要・墓石不要で、直接合葬と10年個別安置後の合葬の2方式があり、65歳以上の市民は生前申込が可能
  • 東京都立霊園「施設変更制度」:承継者のいない使用者が墓所を返還し、遺骨を都立霊園の合葬埋蔵施設に共同埋蔵する制度。都が代わって遺骨を守る仕組み(申請は現在の霊園管理事務所)
  • 京都市深草墓園:1958年開設の納骨堂形式「市民のお墓」(宗派を問わない合祀)に加え、2020年に完成した公営の樹木葬型施設を整備。改葬許可証での納骨に対応
  • 横浜市営メモリアルグリーン:合葬式の樹木型納骨施設などを整備し、「更新・引き取りの申し出がなければ、使用期間の満了後に合同埋蔵する」と、無縁化させない設計を公式に明記

このほか、鹿児島市営合葬墓(10年個別保管後に合葬、生活保護受給者は使用料の半額減免あり、電子申請に対応)、大阪市設霊園の合葬式墓地・服部納骨堂(納骨壇は1年更新・最長3年の短期預かり型)、高松市平和公園合葬式墓地、大分市営納骨堂(間接参拝壇と合葬式の2方式)、那覇市民共同墓(随時申込を受付)、宮崎南部墓地公園(合葬墓は生前予約可、納骨手続きを担う「指定人」の指定制)、橿原市営合葬式墓地(10年個別保管後に合葬、生前申込可)、岡山市営上道墓園合葬墓など、全国で整備が進んでいます。

型3|使用料の一部返還型(要・個別確認)

返還のときに、納付済みの使用料の一部を返す公営墓地がある一方で、正反対の運用もあります。
青森市三内霊園は「返還しても使用料・管理料は戻らない」と公式に明記し、大分市営納骨堂は「いかなる理由でも返還しない」としています。

返金の有無は自治体・施設ごとに正反対になり得るため、断定せず、個別の確認が欠かせません。

型4|手続き支援型(急速に整備中)

宮崎県小林市は「墓じまい(市営墓地の返還)について」というページ名で、返還届・利用権承継願・墓石撤去工事前の工事施工承認申請まで、様式を公式に整えています。
高知市も「市有墓地の返還(墓じまい等)」という公式の手続きページを設けています。

「墓じまい」が、行政の用語として定着し始めているのです。

改葬の手続き──全国共通だが「地域の作法」がある

手続き

補助の有無とは別に、改葬そのものの手続きは、墓地埋葬法(墓地、埋葬等に関する法律)に基づく全国共通のものです。岡山市の公式ページには「許可なく墓地から遺骨を移動させることはできない(刑法第189条 墳墓発掘罪)」とまで記されており、改葬許可が必ず必要であることの、もっとも強い根拠になっています。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 改葬先を決める(合葬墓・納骨堂・樹木葬など)。受入証明書などを取得する
  2. 現在の墓地の管理者に相談し、埋蔵の事実の証明を受ける(寺院墓地の場合は、離檀の相談を先にていねいに行う)
  3. 現在のお墓がある市区町村へ改葬許可を申請する(※改葬先の市区町村ではない点が、最大の間違いやすいポイントです)
  4. 改葬許可証の交付を受け、閉眼供養・遺骨の取り出し・墓石の撤去を行う
  5. 改葬先へ許可証を提出して納骨する(長野市は納骨に「火葬執行証明書」が必要な場面も公式に案内。秋田市は「死亡届の提出だけでは納骨の届出にならない」と明記)

この流れのなかで、実務上とくに重要な発見が2つありました。

第一に、葬儀社・石材店による代行が制度上想定されていること。
鹿児島市・松山市は「石材業者などに申請や許可証の受け取りを委任する場合の委任状」を公式の様式として用意しています。つまり、専門業者が手続きを代行することが、行政の側でも前提とされているのです。

第二に、郵送申請に対応する自治体が増えていること。
仙台市などがその例で(仙台市は2026年4月に、複数名の改葬用の名簿様式を変更)、遠方に住む方が故郷のお墓を墓じまいする際のハードルが下がっています。小林市の公式ページには「改葬許可証があれば魂抜き・魂入れ(閉眼・開眼供養)ができる」という、宗教儀礼への言及まであります。

放置リスクも行政が明文化し始めた

墓じまいを「後ろ向きの選択」と受け止める方は少なくありません。しかし、それをためらううちにお墓を放置してしまうと、別の問題が生じます。
松山市は「無縁墳墓を法令に基づいて計画的に整理する」方針を、福井市は「墓地使用権者調査」の実施を、それぞれ公式に公表しています。承継者が不明のまま放置されたお墓は、行政による調査・整理の対象になり得るのです。

この事実は、墓じまいを「先送りしないほうがよい備え」として案内する、確かな根拠になります。ご家族が判断に迷っているとき、この一点を穏やかに伝えられるかどうかで、相談の深まり方は変わります。

葬儀社ホームページで案内すべき理由と掲載方法

検索

墓じまいは誤った情報が多いテーマだけに、正確なページはそのまま相談の入口になります。まず、どんな段階のご家族が検索しているのかを踏まえたうえで、掲載の仕方を整理します。

検索するご家族はどんな段階にいるか

「{地域名} 墓じまい」「改葬 手続き {市区町村名}」と検索するご家族は、まだ石材店にも行政にも相談していない、ごく初期の段階にいることが多いものです。この段階で正確な情報に出会えれば、そのまま相談へとつながります。
自社サイトに載せるべき柱は、次の3つです。

  1. 補助金の実態(現金給付はほとんどない/公営の受け皿は増えている)
  2. 全国共通の改葬手続き(とくに「現在のお墓がある市区町村で申請する」という間違いやすい点)
  3. 自社商圏の公営の受け皿(合葬墓の有無・生前申込の可否)。ここを正確に載せたページは、永代供養や海洋散骨など、アフターサービス全体の相談入口になります。

そのまま使える掲載文例

中括弧 { } の部分を、商圏の自治体の情報に置き換えてご利用ください。

墓じまいと改葬の手続きについて({市区町村名})

「墓じまいに補助金が出る」という情報の多くは、公営墓地を返還するときの支援に限られます。{市区町村名}では、現時点で{公式に確認した結果を記載}。
一方、{市区町村名}には、改葬先として利用できる{公営の受け皿があれば記載:例「市営合葬墓(生前申込可)」}があります。

改葬の許可申請は、「現在のお墓がある市区町村」で行う、全国共通の手続きです。当社では、改葬許可の申請のご案内から、閉眼供養、石材店や改葬先のご紹介まで、一括でサポートいたします。

※制度は変更される場合があります。最新情報は{市区町村名}の公式サイトをご確認ください(確認日:{日付})。

誤情報の領域だからこそ「出典と確認日」を

このテーマは、根拠のあいまいな情報が多いだけに、一次出典(自治体公式)と確認日を明記するだけで、他サイトとの信頼性の差がはっきり出ます。
返金の有無のように自治体で正反対の運用もあるため、「断定しない・個別に確認する」という姿勢を本文でも示すことが、かえって信頼につながります。

あわせて、墓じまい補助金や支援制度の解説ページを自社サイト内の「対応エリア」や、永代供養・散骨などのアフターサービスのページと内部リンクで結んでおくと、相談へとつながりやすくなります。

よくあるご質問(FAQ)

  1. 墓じまいをすると、自治体から補助金がもらえますか?
    広く使える現金給付型の補助金は、現時点ではごく少数です。多くは、公営墓地の返還時に撤去費の一部を補助する仕組みなどに限られます。まずは商圏の自治体の公式情報を確認しましょう。
     
  2. 改葬の許可は、どこに申請しますか?
    「現在のお墓がある市区町村」です。移転先(改葬先)の市区町村ではありません。ここは非常に間違いやすいため、案内の際にとくに注意が必要です。
     
  3. 遠方に住んでいても墓じまいできますか?
    可能です。郵送申請に対応する自治体が増えており、遠方からの手続きのハードルは下がっています。委任状の様式を整えている自治体もあり、専門業者による代行も想定されています。
     
  4. お墓を放置し続けるとどうなりますか? 承継者が不明のまま放置されたお墓は、行政の調査・整理の対象になり得ます。無縁墳墓の計画的な整理や、墓地使用権者の調査を公表している自治体もあります。

おわりに~「お金」より「受け皿」。正確さが信頼になる~

47都道府県の公式調査が示す墓じまい支援の実像は、「現金給付はほとんどないが、公営の受け皿と手続き支援は着実に広がっている」というものです。
返金の有無のように、自治体によって正反対の運用もあります。だからこそ、必ず一次出典(自治体公式)と確認日を明記し、定期的に見直す運用をおすすめします。
誤情報が多いテーマで正確に案内できることは、そのまま葬儀社の信頼につながります。

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主要出典(いずれも自治体・公設施設の公式サイト/2026年8月時点で確認)

県別の全出典は調査追補第3〜5弾・第18〜29弾に整理

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