葬儀屋のフランチャイズを始める方法|必要な準備や注意点について解説
日本では高齢化によって、葬儀の需要が高まり、葬儀業に参入を検討している企業も増えつつあります。
中には、フランチャイズで葬儀屋を開業したいと考えている方もいるでしょう。
そこで、本記事では葬儀屋のフランチャイズを始めるために必要な準備や注意点について解説します。
もくじ
葬儀屋のフランチャイズは簡単に始められる
葬儀屋を開業するにあたって、独自開業・フランチャイズどちらでも必要な許認可や資格はありません。
そのため、なろうと思えば誰でも簡単に葬儀屋のオーナーになることができます。
さらにフランチャイズは、企業のサポートが受けられるので、独自開業よりも簡単かつ効率よく業務をこなせるようになります。
独自開業では集客の自信がない、あるいはブランディングが確立されていない方こそ、フランチャイズで開業を目指してみましょう。
葬儀屋のフランチャイズを始めるメリット
フランチャイズは、業績を上げている企業の看板を借りられる点から、開始当初から多くのメリットが受けられます。
では、具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
ネームバリューを利用できる
まず、フランチャイズに加入した企業のネームバリューを利用できる点がメリットにあります。
開業当初に壁となるのが、新規顧客の開拓・獲得です。
認知度ゼロからのスタートなので、近隣住民へ会社名とサービスの周知から始まります。
一方、フランチャイズでは、すでに企業の認知度があるため、ネームバリューを抱えた状態で営業を開始することができます。
人材不足をアウトソーシングで補填できる
2つ目のメリットは、人材をアウトソーシングできる点です。
開業当初では、人材が集まらずにサービス品質を下げてしまう、という事態が起こる場合があります。
開業前から求人募集していたとしても、必ず人材確保できる保証はありません。
そのようなときでも、フランチャイズであれば人材のアウトソーシングが可能なので安心です。
手厚いサポートを受けられる
フランチャイズの大きなメリットが、開業から継続的に手厚いサポートが受けられる点です。
例えば、葬儀に必要な道具・機器の調達があります。
本来であれば、流通経路の開拓から始めなくてはいけませんが、フランチャイズ企業から提供してもらえるケースが多いです。
また、葬儀場の立地選びは収益に関わる非常に重要な要素のため、知識・経験がない方にとっては判断が難しい部分があります。
その点も、葬儀場に適した立地条件や実際の土地選びからサポートしてもらえます。
フランチャイズ加盟店にとっては、不安な要素を少なくして開業ができるので、精神的にも安心して業務が可能です。
葬儀屋のフランチャイズに必要な準備
葬儀屋のフランチャイズを始める場合、どのような準備が必要なのでしょうか。
大きく分けると4つありますので、それぞれご紹介します。
開業・運営資金
まず、開業資金・運営資金は必ず必要になります。
開業資金については、葬儀場を持たないのであれば300万円〜400万円、葬儀場を持つ場合は1,000万円以上かかる場合があります。
- ・加盟金
- ・研修費
- ・保証金
- ・広告宣伝費
- ・周辺機器準備費
- ・葬具準備費
- ・土地取得費
- ・会館建設費
続いて運営費用ですが、毎月大体50〜300万円を見積もっておきましょう。
- ・人件費
- ・葬具・仏花などの仕入れ費
- ・設備・車などのリース費
- ・Webシステム利用料
運営資金の詳細については、加盟したフランチャイズ企業の運営方針によって異なります。
そのため、本部担当者へ事前に費用目安を聞いておくと把握しやすいでしょう。
人材の確保
一人で運営できる小規模な葬儀屋ではない限り、人材の確保も準備が必要です。
フランチャイズ企業によってはアウトソーシングによって人材を補填してくれる場合もあります。
アウトソーシングを利用しない場合、どのくらいの人数が必要か明確にして、サービス開始前に求人募集をしておきましょう。
葬儀設備・道具の調達
葬儀設備・道具の調達も忘れてはいけない項目です。
- 祭壇
- 棺
- 位牌
- 写真加工ツール
- 焼香台
など、葬儀を行うのに必要なものは事前に揃えておきましょう。
葬儀場の立地選び
葬儀場を保有する際は、立地の調査もしなくてはいけません。
- ・どのくらいの規模の葬儀場を建設したいのか
- ・周辺住民への理解は得られそうか
- ・他社が近くに葬儀場を建設していないか
上記の項目をふまえて、自身のサービス提供に適した立地を選んでいきましょう。
特に、葬儀場は周辺住民への理解が非常に重要です。
理解が得られないまま建設してしまうと、企業としての印象を落としかねないだけでなく、顧客としての機会損失にもつながります。
葬儀場の立地選びは慎重に行ってください。
葬儀屋のフランチャイズで注意すべき点
葬儀場のフランチャイズで注意すべき点が3つあります。
デメリットになる部分もあるので、十分理解した上でフランチャイズに加盟を決めましょう。
ロイヤリティが発生する
フランチャイズでは、企業の看板を利用するためにロイヤリティが発生します。
例えば、市民葬祭ホールディングスのロイヤリティは、以下の通りです。
- ・月商50万円未満は税別3万円
- ・月商50万円〜100万円未満は税別5万円
- ・月商100万円以上は税別10万円
他にも、月商の3〜5%や定額料金で徴収する企業もあります。
どの方式がいいのかは、個人によって異なるため、フランチャイズを決める際はロイヤリティも必ず確認しましょう。
サービス展開が制限される場合がある
フランチャイズのデメリットでもあるのが、サービス展開の制限です。
例えば、事業がうまく軌道に乗ったとしても、ペット葬祭や樹木葬など、個人の判断で新たなプランの提供ができません。
必ず本部が定めるプランやサービス内容に則った中で、経営を続けていく必要があります。
もし、将来的に独自のプランやサービスの展開を考えているなら、フランチャイズでいいのかを再検討しましょう。
競合が多い地域で勝負しない
よほど集客に関して自信がない限りは、競合が多い地域で開業しない方が得策です。
競合が多いと顧客が分散するだけでなく、新規参入する時には大きな壁になるでしょう。
特に葬儀屋は地域密着型の業界なので、既存の競合がいる場合には収益を伸ばすことができない可能性が高いです。
差別化できるポイントがない限りは、競合のいない、あるいは少ない地域で事業するようにしましょう。
まとめ
今回は、葬儀屋のフランチャイズを始める方法について解説しました。
フランチャイズはメリットも大きいですが、その分注意すべきデメリットもあります。
メリット・デメリットを理解した上で、フランチャイズで開業するのかを検討するようにしましょう。