【2026年最新】葬儀業界の従業員エンゲージメントを決める4つの要因|人材定着の成功法則

葬儀業界を取り巻く環境は、人材不足の深刻化、働き方改革への対応など、変化を続けています。
「優秀な人材を採用してもなかなか定着せず、すぐに辞めてしまう」
「求人広告費用が3倍近く上昇し、利益率を圧迫している状況が続いている」
「スタッフのモチベーションが低く、お客様へのサービス品質にも影響が出始めている」
こうした悩みを抱える葬儀社は少なくありません。経済産業省の調査によると、2024年末時点で葬儀業務に従事する人材の有効求人倍率は7.59倍と、全産業平均(1.35倍)を大きく上回っており、人材の獲得競争はかつてないほど激化しています。
エンゲージメントとは、簡単にいえば「この会社で頑張りたい」と従業員が自ら思える状態のことです。
エンゲージメントが高い職場では、離職率が下がるだけでなく、サービスの質も向上することが分かっています。
本記事では、葬儀業界で従業員エンゲージメントを高めるための「4つの要因」と実践的なポイントを解説いたします。
もくじ
従業員エンゲージメントとは?定義と葬儀業界の現状

人材定着の改善策を考える前に、まず「従業員エンゲージメント」とは何かを押さえておきましょう。
言葉の意味を正しく理解することで、自社の課題がどこにあるのかが見えやすくなります。
従業員エンゲージメントとは「自発的な貢献意欲」
従業員エンゲージメントとは、従業員が会社の理念や方向性に共感し、「この会社のために貢献したい」と自ら思える状態のことです。
英語の「engagement」には「つながり」や「約束」といった意味があり、会社と従業員の信頼関係の強さを表す言葉として使われています。
よく混同されるのが「従業員満足度」ですが、両者は異なる概念です。

従業員満足度は、給与や休日、職場環境といった労働条件に対する「満足しているかどうか」を測るものです。
待遇に不満がなければ数値は高くなりますが、それが必ずしも「会社に貢献したい」という意欲につながるわけではありません。
一方、エンゲージメントは「会社の目指す方向に共感できているか」「自分の仕事に意義を感じているか」といった、より深い結びつきを指します。
エンゲージメントが高い従業員は、指示を待つのではなく、自分から考えて動こうとします。
葬儀の仕事は、ご遺族の気持ちに寄り添い、細やかな配慮が求められる場面の連続です。マニュアル通りの対応だけでは、ご遺族に満足いただけるサービスは難しいでしょう。
だからこそ、従業員が「自分ごと」として仕事に向き合えるエンゲージメントの高さが、サービス品質に直結するのです。
エンゲージメントを測定する3つの方法
エンゲージメントは目に見えないものだからこそ、定期的に「測る」ことが大切です。測定によって現状を把握できれば、どこに課題があるのかが明確になり、改善の打ち手も立てやすくなります。
ここでは、代表的な3つの測定方法をご紹介します。

①エンゲージメントサーベイ(従業員意識調査)
年に1〜2回、全従業員を対象に行うアンケート調査です。「会社の理念に共感できているか」「自分の仕事にやりがいを感じているか」「職場の人間関係は良好か」といった設問に回答してもらい、組織全体の状態を把握します。設問数が多く、詳細な分析ができる反面、実施の負担が大きいのが特徴です。
②パルスサーベイ(短期・高頻度の調査)
「パルス(pulse)」は「脈拍」を意味し、組織の健康状態を定期的にチェックするイメージの調査です。週1回や月1回など短い間隔で、5〜10問程度の簡単なアンケートを実施します。変化の兆しを早期に捉えられるため、問題が深刻化する前に対処しやすいのがメリットです。
③eNPS(従業員ネットプロモータースコア)
「あなたはこの会社で働くことを、友人や知人にどの程度すすめたいですか?」という1つの質問に、0〜10点で回答してもらう方法です。シンプルで回答の負担が少なく、継続的に実施しやすいのが特徴です。点数によって「推奨者」「中立者」「批判者」に分類し、スコアを算出します。
どの方法が正解ということはありません。自社の規模や状況に合わせて、まずは取り組みやすいものから始めてみることをおすすめします。
大切なのは、一度きりではなく継続的に測定し、変化を追っていくことです。
葬儀業界の離職率と人材定着の現状
葬儀業界は、人が集まりにくく、定着しにくい業界です。
厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、葬儀業を含む「生活関連サービス業・娯楽業」の離職率は16.9%で、全業種平均の11.5%を大きく上回っています。また、同業種の平均勤続年数は10.8年と、全産業平均の12.4年より短く、人材の入れ替わりが激しいことがデータからも読み取れます。

背景には、24時間365日の対応体制による不規則な勤務、ご遺族の悲しみに寄り添う精神的負担、ご遺体に接することへの抵抗感など、葬儀業界特有のストレス要因があります。
人材が定着しなければ、採用と教育を繰り返すことになり、コストも現場の負担も増え続けます。この悪循環を断ち切るためにも、エンゲージメントの向上が重要になってくるのです。
葬儀業界の採用難・離職率の詳しいデータについては、関連記事「葬儀業界の人材課題を解決する|採用難・離職率の原因とエンゲージメントの基本」で解説しています。
要因(1)上司・同僚との関係性

エンゲージメントを高める1つ目の要因は、職場の人間関係です。葬儀の仕事はチームで動くことが多く、上司や同僚との関係性が日々の働きやすさに直結します。
特に小規模な葬儀社では、人間関係が一度こじれると修復が難しいという声も聞かれます。
なぜ職場の人間関係が重要なのか
葬儀の仕事は、精神的な負担が大きい仕事です。そのストレスを一人で抱え込み続けるには限界があります。だからこそ、上司や同僚との関係性が重要になってくるのです。
「困ったときに相談できる」「一人で抱え込まなくていい」と思える職場であれば、ストレスを溜め込む前に周囲に頼ることができます。逆に、相談しづらい雰囲気があると、小さな不安や悩みが積もり、心身の不調や突然の離職につながりかねません。
こうした安心して意見を言い合える職場環境を「心理的安全性」と呼びます。心理的安全性の具体的な構築方法については、要因4で詳しく解説します。
では、職場の人間関係を良くするために、具体的にどのような取り組みができるのでしょうか。
人間関係を良くするための具体策
職場の人間関係を改善するために、すぐに取り組める施策をいくつかご紹介します。

①1on1面談の実施
月1回程度、上司と部下が1対1で話す時間を設けます。業務の進捗確認だけでなく、「最近困っていることはないか」「体調はどうか」といった本人の状態を把握することが目的です。短い時間でも定期的に行うことで、問題が深刻化する前に気づくことができます。
②メンター制度の導入
メンターとは、業務指導とは別に「精神的なサポート」を担う先輩社員のことです。直属の上司には言いにくいことも、メンターになら相談しやすいという効果があります。
ポイントは、メンターを業務指導の役割から切り離すことです。「教える人」ではなく「話を聞く人」として位置づけることで、新人が安心して悩みを打ち明けられる関係をつくれます。
③チーム単位での業務分担
一人に責任が集中すると、その人が倒れたときに現場が回らなくなります。日頃からチームで情報を共有し、誰かが休んでもカバーできる体制を整えておくことで、個人の負担を軽減できます。「自分だけが頑張らなくていい」という安心感が、働き続けやすさにつながります。
④日常のコミュニケーション機会をつくる
朝礼で「最近あった良いこと」を共有する、月に一度は部署を超えた交流の場を設けるなど、小さな取り組みでも職場の雰囲気は変わります。大がかりな制度改革でなくても、できることから始めてみることが大切です。
要因(2)成長実感とキャリア形成

エンゲージメントを高める2つ目の要因は、成長実感とキャリア形成です。「この会社で働き続けたい」と思えるかどうかは、「自分が成長できている」「将来の見通しが持てる」という実感と深く結びついています。
なぜ成長実感がエンゲージメントを高めるのか
「自分は成長できている」と感じられることは、働くモチベーションに大きく影響します。
日々の業務をこなすだけでは、仕事がルーティン化し、やりがいを見失いやすくなります。一方で、新しいことを学んでいる、できることが増えている、任される仕事の幅が広がっているといった実感があれば、「もっと頑張ろう」という意欲につながります。
また、「この会社で働き続けると、自分はどうなれるのか」という将来像が見えることも重要です。キャリアの道筋が見えないと、「このまま続けていていいのだろうか」という不安が生まれ、転職を考えるきっかけになりかねません。
会社としてできることは、成長の機会を用意し、それを本人に伝えることです。資格取得の支援、段階的に責任ある仕事を任せていく仕組み、将来のキャリアパスの提示など、「この会社で成長できる」と思える環境をつくることが、人材定着のカギになります。
では、葬儀業界にはどのようなキャリアの道筋があるのでしょうか。
キャリアパスを「見える化」する
葬儀業界には、葬祭ディレクター資格を軸にした明確なキャリアパスが存在します。大切なのは、この道筋を従業員に「見える化」して伝えることです。

葬祭ディレクター資格制度
葬祭ディレクター技能審査は、葬儀業界で最も認知度の高い資格制度です。受験要件は以下の通りです。
- 2級:葬祭実務経験2年以上
- 1級:葬祭実務経験5年以上、または2級取得後に実務経験2年以上
1級取得者には資格手当を支給したり、管理職登用の条件としたりする企業も増えています。
このような道筋を入社時から示すことで、従業員は「何年後にどうなれるか」をイメージしやすくなります。目標が明確になれば、日々の仕事への取り組み方も変わってきます。
資格取得支援制度を設けている場合は、その内容を積極的に伝えましょう。受験費用の補助、勉強時間の確保、合格時のお祝い金など、会社がキャリアアップを後押ししていることが伝わると、従業員の意欲向上につながります。
葬儀業界で広がるキャリアの選択肢
葬祭ディレクター以外にも、葬儀業界ではさまざまな専門職種やスキル分野が注目されています。従業員に多様なキャリアの選択肢を示すことで、「この業界で長く働ける」という安心感につながります。

近年注目されている専門職種としては、以下のようなものがあります。
- エンバーマー(遺体衛生保全士):ご遺体の衛生保全や修復を専門に行う職種です。資格を取得できる教育機関が限られているため保持者が少なく、専門性の高さから比較的高い給与水準が期待できます。
- グリーフケアアドバイザー:大切な人を亡くしたご遺族の心理的サポートを担う職種です。日本グリーフケア協会などが認定講座を実施しています。葬儀後のアフターケアの重要性が高まる中、需要が増えている分野です。
- 終活アドバイザー:生前相談や遺産整理のサポートを行う職種です。終活への関心が高まる中、葬儀社が事前相談の窓口として活用するケースが増えています。
また、葬儀業界でもデジタル化が進んでおり、顧客管理システムの運用やオンライン葬儀への対応、データ分析による業務改善といった新たなスキルが求められるようになっています。従来の葬儀業務とは異なる分野ですが、若手社員にとっては新しい強みを身につけるチャンスでもあります。
大切なのは、これらの選択肢を会社から従業員に伝えることです。「葬祭ディレクター以外にも、こんな道がある」と示すことで、従業員は自分の興味や適性に合ったキャリアを描きやすくなります。
要因(3)評価と報酬の納得感

エンゲージメントを高める3つ目の要因は、評価と報酬の納得感です。「自分の頑張りが正当に評価されている」「この会社で働き続ける価値がある」と感じられるかどうかは、定着意欲に大きく影響します。
なぜ評価の納得感がエンゲージメントに影響するのか
給与や待遇は、働くうえで重要な要素です。しかし、単に金額が高ければ満足するというわけではありません。大切なのは「納得感」があるかどうかです。
「なぜこの評価なのか分からない」「頑張っても頑張らなくても変わらない」と感じる職場では、従業員のモチベーションは下がっていきます。
逆に、評価の基準が明確で、努力や成果がきちんと反映されていると感じられれば、「もっと頑張ろう」という意欲につながります。
葬儀業界の給与水準は、厚生労働省の調査によると平均年収約396万円で、全業種平均の約460万円を下回っています。
また、企業規模による格差も大きく、従業員1,000人以上の企業と100人未満の企業では年収に約23万円の差があります。
中小規模の葬儀社が給与面で大手と同じ土俵で競うのは簡単ではありません。だからこそ、評価制度の透明性や納得感を高めることが、人材定着において重要な差別化ポイントになります。
給与水準や格差の詳しいデータについては、関連記事「葬儀業界の人材課題を解決する|採用難・離職率の原因とエンゲージメントの基本」で解説しています。
評価制度を見直すポイント
従来の葬儀業界では、年功序列型の評価制度が一般的でした。しかし、勤続年数だけで評価が決まる仕組みでは、若手社員のモチベーションが上がりにくいという課題があります。近年は、成果やスキルを評価に反映する企業が増えてきています。
評価制度を見直す際に意識したいポイントは以下の3つです。
- 評価基準を明文化し、全社員に共有する
「何をすれば評価されるのか」が分からなければ、努力の方向性が定まりません。技術面(資格取得、専門技能)、接客面(顧客満足度、チーム連携)、業績面(売上貢献、改善提案)など、評価項目を具体的に示すことが重要です。 - 定期的な目標設定と振り返りの機会を設ける
半年に1回など、上司と一緒に目標を設定し、進捗を確認する面談を行うことで、評価への納得感が高まります。 - 評価結果をきちんとフィードバックする
「なぜこの評価なのか」「次に何を頑張ればよいか」が伝わらなければ、評価は単なる査定で終わってしまいます。
すべてを一度に変える必要はありません。まずは評価基準の明文化や面談の実施など、取り組みやすいところから始めてみることが大切です。
給与以外で納得感を高める工夫
給与を大幅に上げることが難しくても、福利厚生や働き方の工夫で従業員の納得感を高めることはできます。葬儀業界の特性を踏まえた制度を整えることが大切です。
葬儀業界で取り入れられている福利厚生には、以下のようなものがあります。
- 24時間体制への配慮:仮眠室の整備、食事補助、夜勤手当・休日手当の充実
- 資格取得支援:受験費用の補助、合格時のお祝い金、勉強時間の確保
- 休暇制度の充実:振替休日の確実な取得、リフレッシュ休暇、有給取得の推進
- その他:家族葬儀の社員割引、グリーフケア研修の提供
こうした制度は、「会社が自分たちのことを考えてくれている」というメッセージになります。制度があるだけでなく、実際に使いやすい雰囲気をつくることも重要です。
また、メンタルヘルスへの配慮も納得感に影響します。外部カウンセリングサービスの導入や定期的なストレスチェックなど、心身の健康を支える仕組みがあると、従業員は安心して働き続けることができます。
要因(4)ワークライフバランスとメンタルヘルス対策

エンゲージメントを高める4つ目の要因は、ワークライフバランスとメンタルヘルス対策です。24時間365日の対応が求められる葬儀業界では、働き方の見直しと心身の健康を守る仕組みづくりが、人材定着の大きなカギになります。
なぜワークライフバランスとメンタルヘルスが重要なのか
葬儀の仕事は、心身への負担が大きい仕事です。
不規則な勤務によるプライベート時間の確保の難しさ、ご遺族の悲しみに寄り添い続ける精神的な負担、失敗が許されない緊張感。こうした要素が重なると、どれだけ仕事にやりがいを感じていても、長く働き続けることが難しくなります。
特に注意が必要なのは、責任感が強く真面目な従業員ほど、限界まで頑張ってしまう傾向があることです。「頑張る人ほど燃え尽きやすい」という現実を、会社として理解しておく必要があります。
だからこそ、無理なく働き続けられる環境を整えることが大切です。ワークライフバランスの改善やメンタルヘルス対策は、従業員のためだけでなく、安定したサービス提供と組織の持続的な成長のためにも欠かせない取り組みです。
働き方改革で実現できること
葬儀業界でも、働き方改革に取り組む企業が増えています。24時間対応という業界の特性を踏まえながら、従業員の負担を軽減する工夫が進んでいます。
具体的な取り組みとしては、以下のようなものがあります。
- シフト制の導入:4チーム制などで24時間対応を分担し、一人ひとりの負担を分散させる
- 連続勤務日数の制限:最大4日までなど上限を設け、疲労の蓄積を防ぐ
- 休日の確保:週2日の休みを確実に取れる体制をつくる
- 有給休暇の取得推進:計画的付与制度を導入し、休みやすい雰囲気をつくる
また、残業時間を減らすための業務効率化も重要です。緊急時対応マニュアルの整備、無駄な会議や書類作成の見直し、システム化による事務作業の削減など、できることから取り組んでいる企業もあります。
働き方改革は、大がかりな制度変更だけを指すわけではありません。「有給取得推進日を設ける」「ノー残業デーを試験的に導入する」といった小さな一歩から始めることも可能です。
メンタルヘルス対策の進め方
葬儀業界は精神的な負担が大きい仕事だからこそ、メンタルヘルス対策を組織として整えることが重要です。厚生労働省は、職場のメンタルヘルス対策として「4つのケア」を推奨しています。

- セルフケア:従業員自身がストレスに気づき、対処する力を身につけることです。ストレス管理研修の実施や、セルフチェックツールの提供などで支援できます。
- ラインによるケア:管理職が部下の変化に気づき、声をかけたり相談に乗ったりすることです。管理職向けのメンタルヘルス研修や、定期的な面談制度の整備が有効です。
- 産業保健スタッフによるケア:産業医や保健師といった専門家による支援です。定期的な訪問や健康相談窓口の設置などが該当します。
- 事業場外資源によるケア:外部の専門機関を活用した支援です。具体的にはEAP(従業員支援プログラム)などがあります。
EAP(従業員支援プログラム)とは、従業員が抱える仕事や私生活の悩みを、外部の専門家に相談できる仕組みです。24時間対応の電話相談、対面やオンラインでのカウンセリング、法律・金銭問題の相談窓口などが含まれます。社内には言いにくいことも、外部の専門家になら相談しやすいというメリットがあります。
すべてを自社で整備する必要はありません。外部サービスを活用しながら、できる範囲で体制を整えていくことが大切です。
心理的安全性のある職場をつくるには
要因1でも触れましたが、心理的安全性とは「チーム内で誰もが安心して意見を述べられ、失敗を恐れずに挑戦できる環境」のことです。Googleの社内研究で、チームの生産性を高める最も重要な要因として注目されました。
心理的安全性が低い職場では、「こんなことを言ったら怒られるのではないか」「失敗したら責められるのではないか」という不安から、従業員は発言を控えるようになります。問題があっても報告されず、改善のチャンスを逃してしまいます。
逆に心理的安全性が高い職場では、気軽に相談や提案ができるため、問題の早期発見や業務改善が進みやすくなります。
心理的安全性を高めるために、以下のような取り組みが効果的です。

- 失敗を学びの機会にする:ミスを責めるのではなく、「なぜ起きたか」「どうすれば防げるか」をチームで考える文化をつくる。ヒヤリハット事例の共有もこれに該当します。
- 発言しやすい場をつくる:朝礼で「最近あった良いこと」を共有する、匿名で意見を投稿できる仕組みを設けるなど、小さな工夫で発言のハードルを下げられます。
- 部署や立場を超えた交流:部署を超えた情報共有会や懇親会など、普段接点のない人同士が話せる機会をつくることで、相談しやすい関係が生まれます。
大がかりな制度がなくても、日々のコミュニケーションの中で意識することで、少しずつ職場の雰囲気は変わっていきます。
中小企業でも取り組めること
ここまで紹介してきた施策の中には、「うちの規模では難しい」と感じるものもあるかもしれません。しかし、大きな予算や専門部署がなくても取り組めることはたくさんあります。
低コストで始められる施策をいくつかご紹介します。
- 定期的な面談の実施:月1回、15〜30分でも上司と部下が1対1で話す時間を設けるだけで、不調の兆しに早く気づけます。
- ストレスチェックの活用:従業員50人未満の事業所では義務ではありませんが、無料または安価で使えるツールもあります。年1〜2回実施することで、組織全体の状態を把握できます。
- 有給取得推進日の設定:「この日は休みを取ろう」という日を会社として設けることで、休みやすい雰囲気をつくれます。
- 休憩環境の整備:休憩スペースを整えたり、仮眠が取りやすい環境を用意したりするだけでも、従業員の疲労軽減につながります。
- 外部サービスの活用:EAPなどの外部相談サービスは、月額数百円から利用できるものもあります。社内にカウンセラーを置けなくても、外部の力を借りることは可能です。
完璧な制度を一度に整える必要はありません。まずは「できること」から始め、少しずつ改善を積み重ねていくことが大切です。
また、国の支援制度を活用する方法もあります。たとえば「IT導入補助金」は、業務効率化やDX推進のためのITツール導入費用の一部を補助する制度で、勤怠管理システムや顧客管理システムの導入にも活用できます。
「業務改善助成金」は、設備投資などで生産性を向上させ、賃金を引き上げた中小企業に対して費用の一部を助成する制度です。こうした制度を活用することで、限られた予算の中でも働き方改革やメンタルヘルス対策を進めやすくなります。
まとめ|「辞めない職場」は4つの要因でつくれる

本記事では、葬儀業界で従業員エンゲージメントを高めるための4つの要因を解説しました。
- 上司・同僚との関係性:相談しやすい環境をつくり、一人で抱え込ませない
- 成長実感とキャリア形成:将来の道筋を「見える化」し、成長の機会を用意する
- 評価と報酬の納得感:評価基準を明確にし、頑張りが反映される仕組みをつくる
- ワークライフバランスとメンタルヘルス対策:無理なく働き続けられる環境を整える
すべてを一度に変える必要はありません。1on1面談の導入、評価基準の明文化、有給取得推進日の設定など、自社の状況に合わせてできることから始めてみてください。
従業員が「この会社で働き続けたい」と思える環境をつくることは、人材定着だけでなく、サービス品質の向上や採用力の強化にもつながります。本記事が、貴社の組織づくりを見直すきっかけになれば幸いです。
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