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【葬祭関連資格】 エンバーマー資格 の取得方法やメリット・年収について解説

エンバーマー

葬儀社関連の資格の一つに、IFSA(一般社団法人日本遺体衛生保全協会)が認定する「 エンバーマー資格 」があります。
火葬が主流の日本では馴染みのなかった「エンバーミング」ですが、東日本大震災やコロナ禍での遺体保全を通して、近年注目されつつあるようです。

日本ではエンバーミングを規制する法律は存在しませんが、遺体にエンバーミング処置を施す場合、原則として エンバーマー資格 が必要となります。
現在ではエンバーミングサービスを取り扱う葬儀社様も増加傾向にあり、エンバーマーの需要も徐々に高まりつつあるようです。
そこで本記事では、 エンバーマー資格 の取得方法やメリット・年収などについて詳しく解説していきます。

エンバーミングとは

「 エンバーマー資格 」エンバーマーってどんな仕事?

エンバーミングは「遺体衛生保全」、つまりご遺体を長期間保存する為の修復・防腐・防疫処置を指す言葉です。
そのためエンバーミングを実施する「エンバーマー」のことを、日本では「遺体衛生保全士」とも呼びます。

エンバーミングの歴史

古代エジプトでは、死者復活のために遺体を長期保存する必要があったため、樹脂を使って防腐処置を実施していました。
この「ミイラ作り」の技術が、エンバーミングの起源ともいわれているようです。
その後、防腐効果の高いホルマリンの開発により、遺体保全技術は大きく発達しました。

エンバーミングが欧米で広く浸透した背景には、アメリカにおける南北戦争の影響があったといわれています。
数多くの戦死者を、できるだけ良い状態で遺族のもとに戻すためには、遺体を衛生的に長期保全する必要があったようです。
この技術が、宗教的な理由から土葬が主流だった欧米で受け入れられ、現在ではアメリカやカナダにおける葬儀の90%以上で実施されているといわれています。

エンバーミングの目的と必要な場面

エンバーミングは、ご遺体を長期期間保存するための技術であると同時に、ご遺族の心痛を和らげるといった目的もあります。
エンバーミングを必要とする理由には、以下のようなものがあります。

・亡くなってから葬儀をおこなう日までに日数を要する場合(ドライアイスや保冷庫でも腐敗は進むため)

・空輸で遺体の搬送をおこう場合(ドライアイスは安全面から使用禁止となっているため)
※国を跨ぐ場合は亡くなった国でエンバーミングをおこない、搬送します。

・病気など闘病により痩せこけて亡くなった場合(元気だった頃の姿に戻して葬儀をおこなうため)

エンバーミング処置を実施するメリット・デメリット

「 エンバーマー資格 」エンバーミングのメリット

エンバーミング処置には多くのメリットがありますが、わずかながらデメリットも存在します。
またメリットについては、大きく2つに分かれます。

衛生面でのメリット

長時間ご遺体を安置することで懸念される感染症について、原因となる病原菌を殺菌すると同時に、ご遺体の腐敗や臭いを抑えることができます。

こういった事情から、火葬までの待機期間が長くなっても安心ですし、感染症で亡くなったご遺体からの接触感染リスクも非常に低くなります。

遺族の心理的なメリット

2つめのメリットはご遺族の心の余裕ができるという点です。
ドライアイスなどでの冷却のみで長期間安置する場合は、ご遺体の腐敗に対する懸念から、精神的な負担が大きくなりがちです。

しかしエンバーミング処置を施していれば、最大で50日間ほどはドライアイスなしで保全可能となるため、ご遺族も安心して過ごせます。

また、ご遺体の肌の色や膨らみを健康時に近づけることが出来るので、ご遺族の心理的なダメージの軽減にもつながります。

エンバーミングのデメリット

ご遺体にエンバーミング処置を施すうえで、デメリットといえる要素はほとんどありませんが、通常よりも費用負担が多くなる点はデメリットといえるかもしれません。

またエンバーミング処置は体液と保存液を置換するため、ご遺体にメスを入れることに抵抗を感じる場合、実施は難しいでしょう。

エンバーミングの流れ

エンバーミングを実施する場合は、ご遺体を専門の施設に移す必要があります。
エンバーミング処置の所要時間は、おおむね3~4時間ほどとされていますが、ご遺体の状況によってはこの限りではありません。
以下にエンバーミングの一般的な流れを紹介します。

・遺体の全身消毒処理と洗浄

・全身のマッサージ

・遺体の頸動脈などを切開、動脈から全身に防腐剤を注入しながら静脈から血液を排出

・腹部に金属管を差し込み、この管から胸腔・腹腔に残っている血液や残存物を吸い取り除去、腐敗の可能性を軽減してから防腐剤を注入

・切開した部分を縫合し、遺体の損傷部分をテープを貼ったりなど目立たなくして修復

・防腐剤に色素を入れ、肌の色を生前元気だった頃に近づける

・事故などにより損傷した部分を修復し、元の状態に近づける

・再度全身を洗浄

・衣服を着せて化粧を施す

エンバーマーの現状について

日本でのエンバーミングは阪神淡路大震災から注目されるようになり、2021年のIFSA(一般社団法人日本遺体衛生保全協会)の調べでは59,440件実施されています。

現在日本でエンバーミングをおこなうことが出来る専門家は、2022年の時点で296名と年間実施数からみても非常に人手不足となっています。

エンバーマーの担当業務

「 エンバーマー資格 」エンバーマーの業務内容

エンバーマーの主な業務は、いうまでもなくエンバーミング処置の実施ですが、それ以外にも大切な業務が少なくありません。
生前の故人に可能な限り近づけるために、遺族から故人の人となりを伺ったり、要望に応えるために写真を確認したりするのも、エンバーマーの重要な仕事の1つです。

エンバーマー資格の取得メリット

エンバーマー資格 を取得するメリット

エンバーマー認定の資格を取得することで、以下のようなメリットが見込まれます。

・現在、IFSA(一般社団法人日本遺体衛生保全協会)はエンバーマーを国家資格化と法制化を急いでいる為、今後国家資格となる可能性もある

・将来的に、日本でもエンバーミングへの需要の高まりが予想されているが、現時点でエンバーマーは非常に少ないため、資格としての希少性が高い

・葬儀業界だけでなく、災害現場や病院など活躍の場が増える可能性もあるため、職業選択の幅が広がる

 

エンバーマー資格 取得方法

エンバーマー資格 を取得するには

日本でエンバーマーとして仕事をするには資格の取得が必須となります。
まず、エンバーマー認定の資格取得方法を解説していきます。

エンバーマー認定の資格取得方法は以下の2通りとなります。

①IFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)が認定する養成校に入学、卒業後、IFSAのエンバーマー試験を受験し、合格することでエンバーマーとなる。

②土葬文化の多いアメリカやカナダなど海外に留学し、資格を取得する。

かつては海外留学する以外の方法がありませんでしたが、現在では1の方法でエンバーマー認定の資格を取得する方も増えているようです。

ここからは、国内のIFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)が認定する養成校での資格取得方法を解説します。

エンバーマー養成校について

・専門学校名
日本ヒューマンセレモニー専門学校(エンバーマーコース)
※日本国内でIFSA(一般社団法人 日本国内協会)が認定している養成校は本校のみ

日本ヒューマンセレモニー専門学校

出典:「日本ヒューマンセレモニー専門学校」

本校の入学募集要項や入学資格・学費などをご紹介いたします。

【受講期間】
2年間(昼間) 

【募集人員】
25名

【入学資格】
※以下のいずれかに該当する者

・高等学校卒業、またはこれに準ずる学校を卒業している
・外国で12年の学校教育にける課程を修了している
・文学学科大臣に指定されている
・文化科学大臣が実施する高校卒業程度認定試験、または大学入試検定に合格している

【学費】
1年目納付金:1,155,000円
※内訳(①入学金:15万円 ②授業料:75万円 ③校外実習費:10万円 ④施設費:15.5万円)②~④は年額

2年目納付金:1,005,000円
※内訳(①:授業料75万円 ②校外実習費:10万円 ③施設費:15.5万円)すべて年額

別途費用

①1年次:32万円 ②:2年次:10万円
※教科書代、制服代を含む
※上記費用は2020年の実績で変更する場合もある

【開校日】
学校法人鶴嶺学園 毎年4月
※11月に説明会を開催予定

【奨学金・教育ローン】
独立行政法人 日本学生支援機構(旧 日本育英会)
日本政策金融公庫
中央労働金庫

エンバーマー認定受験資格について

上記専門学校を卒業することでIFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)認定のエンバーマー受験資格(IFSA認定資格)を得ることができます。
※IFSA認定資格は国内のIFSA(日本遺体衛生保全協会)加盟企業のエンバーミングセンターで就職する場合に限り有効・必要となります。

IFSA認定資格試験に関しては下記【お問い合わせ】よりご連絡ください。

エンバーマー養成校入学試験について

日本ヒューマンセレモニー専門学校 エンバーマーコースへ入学するには入学試験が必要となっています。
また、入学申請方法や募集期間、入試費用などについてまとめました。

【入学試験の内容】
入試と面接
試験科目(一般常識・作文・面接)

【入学試験申請】
2023年4月入学生募集※1次は終了

エンバーミング学科2次募集
【受付期間】2022年11月21日(月)~2023年1月7日(土)(消印有効)
【入試日】 2023年1月14日(土)受験対象者全員
※試験時間は出願者に個別連絡

【提出書類・試験費用】
①所定の入学願書と写真一葉
②調査書、または最終学校の卒業証明書
③身上書
④入学検定料(3万円)
※入学検定料は郵便振替にて同封

【資料請求】

コチラのフォームから請求ができます。

【問い合わせ】
日本ヒューマンセレモニー専門学校
〒254-0811
神奈川県平塚市八重咲町7-30
TEL 0463-27-2002
学校法人鶴嶺学園
日本ヒューマンセレモニー専門学校 エンバーマーコース

【オープンキャンパス】
2023年のオープンキャンパスは以下の予定で行われます。
1月21日 (土) 10:30~12:00
1月28日 (土) 14:00~15:30

エンバーマーに関する年収や求人

エンバーマーの給与や求人

一般的なエンバーマーの就業時間は午前9時から午後6時となっているところが多く、休みは月に8~9日ほど。
年齢や性別でみると20~30代の女性が多く、月給は18万円~55万円年収は250万円~600万円と幅があるようです。

ただし、求人では湯灌やメイク・着付けなど補佐的な業務内容の募集も含まれているため、エンバーマーの資格があれば高めの報酬が見込める可能性もあります。
実際に固定給に加えてエンバーミング報奨金を別途で設けているところもあります。

まとめ

今回は、エンバーマーの業務内容や資格取得に必要な専門学校の概要、入学案内、年収や求人などを紹介しました。
ご遺体へのエンバーミング処置は、ご遺族の「故人が元気だった頃の姿で見送りたい」という希望から年々認知度が向上しつつあり、徐々に需要も高まっているようです。

前述した通り、日本国内でのエンバーマーは、実施件数に対して不足している状態とされています。
IFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)でも、今後エンバーマー資格の国家資格化と法制化を急いでおり、エンバーマーの育成に尽力されているようです。

またエンバーミング処置には、葬儀の際にご遺族や参列者の方に少しでも故人の元気だった頃を思い出してもらい、心痛を和らげるという大切な役目があります。
本記事で少しでも多くの方がエンバーマーのことを認識していただき、目指すきっかけとなれば幸いです。

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