葬儀社さんのホームページに載せたい「成年後見人」の紹介方法|葬祭各社の実例を参考に徹底解説
近年では葬儀社様のサービスも多様化しており、事前相談や葬儀の施行のみならず、葬儀後の各種手続きや法要、供養などさまざまなアフターサポートがおこなわれています。
少子高齢化が進む近年、高齢世帯や一人暮らしの方も増加し、それに伴い認知症の方も増えてくるものと思われます。
認知症などで判断力が低下したときのために、成年後見人を立てることを考える必要があるでしょう。
一般的に被後見人が死亡すると、成年後見人の業務は終了しますが、被後見人の状況によっては火葬や収骨に関わることもあります。
このため葬儀社様のホームページにも、成年後見人について掲載しておかれると、利用者様にも親切でわかりやすいサイトになるのではないでしょうか。
この記事では葬祭事業者の掲載例を参考に、葬儀社様のホームページに載せたい「成年後見人」の紹介方法を解説します。
「成年後見人」解説のポイント
「成年後見人」とは、成年後見制度により認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が低下した人を保護・支援する人のことです。
弁護士や司法書士などの専門家や、家族や親族、友人などが家庭裁判所により選任されます。
葬儀社様のホームページにおいて「成年後見人」を解説するポイントをみていきましょう。
想定される顧客ニーズ
高齢化が進む現在、2022年 厚生労働省 国民生活基礎調査によると、65歳以上の世帯が増加し、さらに65歳以上の単独世帯も増加しています。今後は認知症を発症する人も増えるものと思われます。
そのため「成年後見人」を立てる必要性も高まってくるでしょう。
具体的なデータを提示して、成年後見人の必要性を解説するとよいのではないでしょうか。
「成年後見人」解説のボトルネック
一般的に、被後見人が亡くなると成年後見人の業務が終了し、葬儀に関わることはなく、ご遺族が葬儀をおこないます。
葬儀やその後の業務に関しては、成年後見人の権限が限られているため、葬儀社様のホームページに「成年後見人」の解説を掲載しても、あまり利益がないと思われるかもしれません。
しかしながら、一定の条件や家庭裁判所の許可が必要ですが、被後見人の死亡後に死後事務をおこなうことができます。
たとえば、火葬に関する締結や遺骨を引き取る人がいない場合は、納骨に関する契約にも関わる可能性があります。
これらの事柄を解説し、成年後見人が重要な役割を担っていることを解説するとよいでしょう。
参考:法務省『「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が平成28年10月13日に施行されました。』
「成年後見人」ページで提示したい項目5つ
この章では「成年後見人」を解説するページで提示したい項目についてご紹介します。
「成年後見人」を立てる場合だけではなく「成年後見人」に選任されている方に対しての解説もあれば、利用者様にとって親切といえるでしょう。
1.「成年後見人」についての解説
「成年後見人」ということばを聞いたことがあるけれど、どんなものかよくわからないという方も多いと思われます。
そこでまず「成年後見制度」には「法廷後見制度」と「任意後見制度」があり、2つの制度の違いを説明し、そのうえで成年後見人について解説するとわかりやすいでしょう。
∗ 法廷後見制度:被後見人の判断力がすでに低下している場合、家庭裁判所が後見人を選任する
∗ 任意後見制度:被後見人の判断能力が低下する前に、自分で選んだ後見人と公正証書で契約する
2.「成年後見人」を立てた場合のメリットと注意点
「成年後見人」を立てた場合、被後見人の判断力が低下しても、後見人が預貯金の管理や税金の支払い、医療や介護サービスの契約や支払いなどができるメリットがあります。
一方注意点として、後見人には報酬を支払わなければならないことや、家庭裁判所に申立て時の手続きが煩雑であること、後見人による不正や財産に関する親族間のトラブルなどが起こり得ることも解説しておきましょう。
3.「成年後見人」を立てた場合の具体的事例
被後見人の死亡後、「成年後見人」はそれまでおこなってきた業務を終了しますが、家庭裁判所への手続きや、相続人がいる場合は財産の引継ぎなどをおこなう必要があります。
また「成年後見人」を立てていたときに葬儀をおこなう場合、被後見人の預貯金などを管理していた後見人とご遺族が相談して、被後見人の預貯金から葬儀費用を支払うこともできます。
このように実際の具体的事例をいくつか掲載して解説すると、利用者様にも理解しやすいでしょう。
4.「成年後見人」の申し立て方法と費用
「成年後見人」の申し立て方法は煩雑なため、必要書類や申立て手続きの流れ、必要な費用などを解説しておくと利用者様にとってもわかりやすいでしょう。
5.「成年後見人」に向けて業務の流れを解説
葬儀社様のホームページは「成年後見人」を立てている被後見人や、そのご家族だけではなく「成年後見人」に選任されている方もご覧になるかもしれません。
そのため「成年後見人」に選任されている方向けとして、被後見人が死亡したときの業務について解説することも必要だと思われます。
このあとご紹介する葬儀社様の中で取り扱っているところもありましたが「成年後見人」プランとして後見人に向けてのプランを取り扱っている葬儀社様もあります。
後見人に手間がかからないように、ご遺体の搬送から火葬、収骨、納骨、供養まで後見人の立会いなしでおこなってくれるようです。
葬儀ポータルサイトの「成年後見人」解説方法
葬儀ポータルサイトの「成年後見人」解説方法をご紹介します。
葬儀ポータルサイトの場合は、コラムなどのページに葬儀に関する知識として掲載されていることが多いようです。
1.株式会社ユニクエスト(小さなお葬式)の「成年後見人」解説方法
「小さなお葬式」名義で葬儀ポータル事業を運営している、株式会社ユニクエストは、公式サイトのコラムページで成年後見人について解説しています。
成年後見人制度の説明から、メリットや注意点、申立方法や費用についてまで解説しています。
「小さなお葬式」は最近では、株式会社リビングくらしHOW研究所と株式会社サンケイリビング新聞社がおこなった消費者調査「フォーカスリサーチ」の葬儀社についての調査で、認知率、期待度ともに1位となっています。
【社名】株式会社 ユニクエスト
【設立】2006年8月1日
【所在地】大阪府大阪市西区靱本町1-6-3
【公式サイト】https://www.osohshiki.jp/column/article/2144/#hd514b5c0da
2.株式会社 よりそう(よりそうお葬式)の「成年後見人」解説方法
葬儀ポータル事業「よりそうお葬式」を運営している、株式会社 よりそうは公式サイトの中で「身寄りのない人が死亡した時の葬儀について」と題して解説しています。
「よりそうお葬式」も、株式会社リビングくらしHOW研究所と株式会社サンケイリビング新聞社がおこなった消費者調査「フォーカスリサーチ」の葬儀社についての調査で、満足度、推奨度で1位となっています。
公式サイトでは、近年の高齢者の実情や孤独死となった場合の現状とともに、生前におこなうべき備えとして、成年後見制度についても詳しく解説しています。
消費者調査では「よりそうお葬式」を利用した人のコメントで、葬儀後のアフターフォローがよかったという声が多いようです。
公式サイトでも、葬儀以外の関連項目について、かなり広範囲に詳しく解説しています。
【社名】株式会社 よりそう
【設立】2009年
【所在地】東京都品川区 西五反田2-11-17 HI西五反田ビル 4F
【公式サイト】https://www.yoriso.com/sogi/article/miyoriganai-sogi/
3.株式会社 鎌倉新書(いい葬儀)の「成年後見人」解説方法
「いい葬儀」は株式会社 鎌倉新書が運営する、葬儀ポータル事業です。
公式サイトでは、トップページに葬儀、法要、お墓などのカテゴリー別にさまざまな記事が掲載されており、終活のカテゴリーの中で成年後見人による不動産売却について解説しています。
成年後見制度の「任意後見」と「法定後見」の違いについても触れ、詳しい解説を載せています。
【社名】株式会社 鎌倉新書
【設立】1984年4月17日
【所在地】東京都中央区京橋2丁目14-1 兼松ビルディング3階
【公式サイト】https://www.e-sogi.com/guide/12354/
4.株式会社 エス・エム・エス(安心葬儀)の「成年後見人」解説方法
株式会社 エス・エム・エスが運営する葬儀ポータル事業「安心葬儀」は、提携葬儀社様の葬儀事例を一覧で掲載しています。
その中で、大阪市中央区の株式会社 せれもに様が成年後見人の依頼により、おこなった葬儀の例を紹介しています。
【社名】株式会社 エス・エム・エス
【設立】2003年4月4日
【所在地】東京都港区芝公園2-11-1 住友不動産芝公園タワー
【公式サイト】https://ansinsougi.jp/s-17615/example/378
葬儀社ごとの「成年後見人」解説方法
ここからは、葬儀社様のホームページにおける「成年後見人」の解説方法をご紹介します。
葬儀社様のホームページでは、具体的に例を出して解説したり、後見人プランを打ち出しているところもあります。
1.株式会社 アルファクラブ(さがみ典礼)の「成年後見人」解説方法
株式会社 アルファクラブが運営する葬儀事業、さがみ典礼は埼玉県をはじめとする関東、福島県、栃木県を中心に自社斎場を構えています。
公式サイトでは、消費者からよくある質問として「通夜・葬式」「香典・マナー」などのカテゴリーに分類されたページがあります。
その中の「手続き」の項目で、身寄りがないので葬儀費用の支払いをどうすればよいかとの質問に後見人を立てることを勧めています。
後見人については、さがみ典礼でも対応しているようです。
【社名】株式会社 アルファクラブ
【設立】1973年(昭和48年)10月(昭和55年3月 栃木地区創業)
【所在地】栃木県宇都宮市大通り5-3-9
【公式サイト】https://www.sagamitenrei.com/faq
2.株式会社 セレモアの「成年後見人」解説方法
株式会社 セレモアは、東京都立川市に本社を構え、葬儀式場運営、仏壇販売、介護用品販売、生花販売、コンサートホール運営事業などをおこなっています。
成年後見人については、公式サイトのイベントを紹介するページに「終活セミナーと個別相談会」として、無料セミナー開催を掲載しています。
講師に行政書士事務所代表を迎え「人生100年時代の相続・遺言・成年後見人制度」と題して参加希望者を募集しています。
セミナーでは相続税改正の流れとともに、成年後見人についても説明されるようです。
【社名】株式会社 セレモア
【設立】昭和43年8月
【所在地】東京都立川市柏町一丁目26番地の4
【公式サイト】https://www.ceremore.co.jp/company/seminar/231118_kioi/
3.株式会社 仙和(家族葬の仙和)の「成年後見人」解説方法
株式会社 仙和は葬儀、仏壇、墓石事業を展開する株式会社 金宝堂のグループ会社で、宮城県と山形県に21式場を展開中です。
家族葬の仙和では成年後見人専用プランとして、後見人に選任されている方へのサービスをおこなっています。
故人様の搬送から火葬、収骨までのプランと、納骨、供養までおこなうプランがあり、後見人の立会いが不要で、依頼の電話をするだけで対応してもらえます。
【社名】株式会社 仙和
【設立】昭和60年7月
【所在地】 仙台市泉区天神沢1-3-27
【公式サイト】https://ososhiki.kinpudou.co.jp/area/senwa/kokennin/
4.株式会社 大阪セレモニー(大阪セレモニー家族葬ホール)の「成年後見人」解説方法
株式会社 大阪セレモニーが運営する大阪セレモニー家族葬ホールは、大阪市旭区にある家族葬専門葬儀場で、大阪市規格葬儀取扱指定店です。
公式サイトには成年後見人をされている方に向け、被後見人が死亡したときの流れについて、民法に沿って成年後見人がおこなうことを詳しく紹介しています。
具体的には、被後見人が死亡した場所が病院や自宅、あるいは介護施設なのかによる対応の仕方などを詳しく解説し、死亡届の提出方法やその後の流れなど、細かく掲載しているのが特徴です。
∗規格葬儀取扱指定店:シンプルで費用を抑えながらも、心のこもった葬儀プランを提案する、市町村から認定を受けた葬儀事業者
【社名】株式会社 大阪セレモニー
【設立】平成15年11月
【所在地】大阪市旭区大宮1丁目4番26号
【公式サイト】https://osakaceremony.com/?page_id=4324
5.株式会社 おお井の「成年後見人」紹介方法
株式会社 おお井は、神戸市で葬儀会館を運営している、神戸市規格葬儀取扱指定店です。
公式サイトでは「故人に後見人が付いている場合のお葬式」や「被後見人が死亡した場合、後見人がすべきこと」と題して具体例でわかりやすく解説しています。
葬儀費用を故人の財産から支払うケースや、故人が生活保護を受けていたケースなどをあげて詳しく掲載しています。
【社名】株式会社 おお井
【所在地】スペース駅南ホール 神戸市兵庫区駅南通1-1-24
門口公園会館 神戸市兵庫区門口町3-3
【公式サイト】https://sougi-ooi.com/guardian
まとめ
この記事では葬儀社様のホームページで「成年後見人」を紹介する方法を、葬祭事業者の掲載例とともにご紹介しました。
高齢化が進む中で「成年後見人」を立てることがますます重要になってくるものと思われます。
葬儀社様のホームページに「成年後見人」について解説しておくことは、今後の利用者様にとっても有益になり、葬儀社様の集客と利益にもつながるといえるでしょう。