葬儀社における労働環境改善の必要性まとめ|葬儀プランにあった就労シフト見直し方法を解説
葬儀業界は、24時間365日対応を求められる業務の特性から、労働環境の改善が進みにくい業態といえるでしょう。
しかし2018年6月29日に成立し、2019年4月1日から順次施行されている『働き方改革関連法(正式名称:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)』では、時間外労働などが厳しく規制されており、葬儀業界でも対応を迫られています。
そのため多くの葬儀社様では、24時間体制を維持しながらも、極端な長時間労働や連続勤務といった状況の発生を防止すべく、シフト制での勤務形態を導入しているようです。
しかし、ご不幸はいつ訪れるか予想できないものですし、ご遺族様が体調を崩されるといった不測の事態も起こり得ますので、なかなかシフト通りとはいかないのが実情でしょう。
実際のところ、従業員の献身的な働きに助けられているという中小葬儀社様も多いようですが、そのような状況をいつまでも続けるわけにはいきません。
労働基準法を順守しつつ、業務を円滑に遂行できる勤務形態の実現に向けた取り組みが不可欠となります。
この記事では、一般的な葬儀社様の労働環境やシフト制のメリット・デメリットについて解説するとともに、働き方改革に成功した葬儀社様の事例をご紹介します。
後半では、葬儀社様の労働環境下でも行える業務改善のヒントにも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
葬儀社は基本的にシフト制
一般的な葬儀社様では多忙な業務を効率的に運営するため、24時間体制のシフト制を採用しています。
葬儀の有無により業務量に大きな差があるほか、ピーク時は多忙を極める傾向にあるようです。
葬儀社での勤務形態
葬儀社での勤務形態は、主に「日勤」と「夜勤」の2つに分かれています。
それぞれのシフトに応じた業務が割り当てられているため24時間対応で遺族の要望にも柔軟に応えることが可能です。
日勤
葬儀社の日勤は多くの場合、一般企業と同様に午前9時から午後5時までの勤務が一般的です。
日勤では日常の業務管理のほかに、顧客対応や葬儀の準備・後片付けなどが主な仕事内容となります。
また日勤時に葬儀のない日でも、時間内での事務作業や施設の維持管理などの業務にあたることが多いようです。
夜勤
葬儀社様における夜勤は通常、社員間での当番制を採用していることが多くあり、その頻度は会社によって異なります。
夜勤の主な役割は、夜間の緊急対応や突発的な業務が主な業務です。
夜勤は男女を問わず従事することが多いですが、女性従業員の体力面などを考慮して、夜勤を免除する葬儀社も一定数存在します。
また夜勤における勤務形態は、社内待機ではなく自宅待機を採用する葬儀社様もあるようです。
残業について
葬儀社様での残業については、多くの場合、葬儀の流れやご遺族様の都合と密接に関連しています。
葬儀の性質上スケジュールが厳密に決められないため、通常の勤務時間外にも、お通夜や葬儀の準備・運営が必要になることが頻繁にあります。
その結果、計画通りに業務が進まず、予定外の残業につながることも多いようです。
葬儀社の休日事情
葬儀社様は多くの場合、週休2日制か月5~7日休暇のシフト制を採用しています。
しかし葬儀の特性上、一般的な会社員のように毎週土日に休むことは難しく、カレンダー通りの勤務は実現しにくいのが現実です。
加えて葬儀に不向きとされる六曜の1つ「友引*」の日は、休日として設定している葬儀社様も少なくありません。
*友引…お葬式やお見舞いに適さない日とされている。逆に結婚式などのお祝い事には吉日とされている。
また年末年始は休みとなる火葬場も多いため、葬儀の施行自体は少ない傾向にあるものの、依頼が完全に途絶えるわけではありません。
したがって、ほとんどの葬儀社様では年末年始でも営業するケースが多いようです。
葬儀社従業員の1日・生活スタイル
葬儀社従業員の1日は、葬儀施行の有無によって大きく変わりますので、終日事務所で過ごす日もあれば、お通夜や葬儀の運営に従事する日もあります。
また宗教や宗派、地域などによっても葬儀の習慣が異なるため、それに応じた業務の違いもあるようです。
葬儀社従業員の業務スケジュールについて
葬儀の依頼は予測できるものではないため、葬儀社従業員の業務スケジュールも、葬儀の施行予定に合わせて決まります。
ご遺族様からの連絡があった場合、まずはご遺体の安置から始まり、ご遺族様との打ち合わせを経て通夜の手配・進行を行います。
翌日には葬儀を滞りなく執り行い、その後、集金や振り込み作業を経て、完了となります。
ただし葬儀の進行中にも、次の葬儀の準備や花や備品の手配など、同時に複数の業務をこなさなければなりません。
お通夜当日における葬儀社従業員の1日
お通夜当日における葬儀社従業員の標準的な1日の流れを見てみましょう。
13:00:ご遺族様宅を訪れ、故人の納棺を行います。
この時、故人を白装束に着替えさせ、棺に納めた後、通夜会場に搬送。これらの段取りは葬儀者従業員の重要な役割です。
14:00:通夜会場の準備に取り掛かります。
セレモニーホールに祭壇を設置し、供花や遺影を飾りつけ、ご遺族様や参列者のための椅子、受付テーブル、筆記用具などを用意します。
地域によっては、通夜振る舞いのための配膳準備も行います。
17:30:通夜の司会・進行を担当し、参列者の誘導や焼香の案内、返礼品の配布を行います。
19:00前後:通夜が終わる頃のため、会場の後片付けと翌日の告別式の準備に移り、その後帰社します。
葬儀・告別式における葬儀社従業員の1日
葬儀・告別式当日における葬儀社従業員の1日は、朝から夕方まで密度の濃いスケジュールが組まれています。
8:30:葬儀・告別式の会場準備を開始し、ご遺族様からお預りした弔電の管理や、追加で届いた供花の配置を行います。
10:00:葬儀・告別式が始まり、司会進行や僧侶の案内、ご遺族様のサポート、参列者の誘導など。
※担当する役割によって業務が異なります。
11:00ごろ:告別式が終了する頃合いを見計らって出棺の手続きを行い、ご遺族様と故人様との最後のお別れの時間を設けます。
12:30:火葬場での火葬とお骨上げをご遺族様と共に行います。
13:00:繰り上げ初七日法要が行われ、その後の「精進落とし」の会食の準備にも携わります。
16:00ごろ:一連の儀式が終わると事務所に戻り、請求書の作成などの後処理を行います。
これで1日の業務が終了です。
夜勤における葬儀社従業員の1日
夜勤のある葬儀社従業員の1日は、午後から始まり翌朝まで続くのが一般的です。
17:30:出社
18:00:日勤の従業員との引継ぎや、書類整理などのデスクワークに取り組みます。
21:00:その日行われた葬儀の後片付けを行います。
22:00ごろ:交代で仮眠をとります。
夜間にも搬送依頼が入ることがあります。こういったケースでの標準的な対応は以下の通りです。
1:00ごろ:依頼の電話を受けたら病院へお迎えに向かい、ご遺体をご自宅や葬儀場の安置施設に搬送してご安置。
葬儀の打ち合わせは翌日に持ち越されるケースが多いため、夜勤担当の従業員は故人の情報や葬儀希望日程などを営業担当者に引き継ぎます。
また依頼が重なった場合は夜勤の従業員が交代で対応し、仕事が落ち着いている時に休憩や仮眠を取ることもあります。
4:00ごろ:帰社
8:30:夜間の依頼に関する情報の引継ぎを行い、勤務が終了します。
シフト制の正社員はきつい?メリットとデメリットを解説!
葬儀社様でもっとも多く採用されているシフト制の労働環境は、その特性上、メリットとデメリットが混在しています。
この章では、シフト制のメリットとデメリットを詳しくご紹介します。
メリット
シフト制で働く葬儀社従業員には、主に以下のメリットがあります。
- 自身のライフスタイルに合わせた働き方が可能
- 役所や旅行など予定の調整がしやすい
- 通勤時のピークなど混雑を避けられる
- 深夜勤務手当などを得られる場合がある
シフト制勤務は自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能で、予定を立てやすい点が大きな利点です。
勤務先によっては兼業や副業に充てられる時間を確保しやすいことも、シフト制のメリットといえるでしょう。
また土日ではなく平日に休む事が多くなるシフト制では、役所の手続きや旅行などの個人的な用事をストレスなく行える点もメリットといえます。
さらにシフト制の場合、遅番や早番を割り当てられた際には通勤ラッシュの時間帯を避けられる可能性もあるため、通勤時のストレスが軽減できるでしょう。
深夜勤務がある場合には、基本的に深夜勤務手当が適用されるため、一般的な勤務形態よりも給与面での恩恵もあります。
デメリット
シフト制で働く葬儀社従業員にも、以下のようなデメリットが存在します。
- 毎週土日が休みづらい
- 平日休みが多いため固定制の人と休みが合わない
- シフトが決まるまで先の予定が立てにくい
- 業務によっては勤務時間が不規則になるため、生活サイクルが定まらない
- 肉体的にきつい仕事内容がある
特に葬儀業界などのサービス業では休日が不規則になることが多く、繁忙期には勤務時間が不定期に延長される場合があります。
さらに葬儀社業務には、祭壇の設営、ご遺体の搬送、故人様のお清めや着替えなどといった肉体労働が伴うため、長時間勤務が続くと体力的な負担も大きくなります。
またシフト制は土日や祝日に勤務することが多く平日に休む形になるため、週末をカレンダー通りに休みたい方にとってはデメリットとなります。
葬儀業界の働き方改革|成功事例
葬儀業界は、人材採用・育成と生産性の向上が課題とされていますが、厳しい労働環境の中でも、働き方改革に成功した事例は存在します。
この章では、実際に働き方改革に成功した葬儀社様の取り組みをご紹介します。
1.株式会社真浄葬祭 様
福岡市中間市にある葬儀会社「株式会社真浄葬祭」様では、かつて主力社員の退職などもあり人材定着に苦戦していました。
この危機をきっかけに、同社は働き方改革を推進。
社員に自己の仕事に対する責任感を持たせるため、ガイドラインを作成し、報告・連絡・相談の重要性を理由付きで共有しました。
これにより社員の意識改革が進み、始業時間の柔軟性が生まれ、出勤時間に出勤できない場合でも連絡により対応可能となったそうです。
さらに株式会社真浄葬祭様の働き方改革により、出産で退職した社員も復帰しやすい環境が整ったそうで、相談や休暇の取得がしやすい職場へと変化。
また2015年度には15〜20%台だった年休取得率が、2019年度には100%に達したそうです。
加えて、顧客の利便性向上のためのVR映像*を活用した施設見学やオンライン決済**制度などの新しい取り組みも行っています。
*VR映像:コンピューターによって創り出された仮想的な空間などを現実であるかのように疑似体験できる仕組みのこと
**オンライン決済:利用者の代金支払いと店舗の代金受取りをインターネット経由で行う決済方法のこと
2.株式会社つばさ公益社 様
長野県佐久市・上田市を中心に家族葬を提供している株式会社つばさ公益社様では、葬祭業界の伝統的な働き方を変革し、効率化と生産性の向上に成功しました。
これまでの電話対応や接客、車の運転など各業務が分業されていた非効率なシステムを見直し、多彩なクラウドサービス*を活用して業務を一元化。
*クラウドサービス:インターネット経由でソフトウェアやインフラなどの各種機能を利用できるサービスのこと。詳細は姉妹サイトの『葬研』内『【比較検証】クラウド型への切替検討によく分かる!葬儀・葬祭施行管理システム 31選』にて詳しく解説。
具体的には以下の内容です。
- 業務管理をカードで視覚化
- チームでの共有を容易にするツールを導入し、顧客管理、日程管理、発注管理を効率化
- FAX中心だった受発注業務をインターネット経由でスマートフォンから行えるよう変革
この結果、出退勤管理や見積・請求、日報管理を含むすべての業務が、スマートフォンで完結するシステムが確立したそうです。
また情報転記作業を省くために、顧客情報を入力すると自動的に情報が送信され、火葬の予約や葬儀の日程が社内カレンダーへ自動登録されるアプリを自社開発しました。
株式会社つばさ公益社様の行った業務改善・効率化により、2005年から2021年の間で固定費を43%削減し、経営指標の改善と労働環境の改善を実現したそうです。
(2015年の固定費を100%とした場合)
加えてオンライン弔問やオンライン追悼などの新しいサービスも展開しています。
3.株式会社ひろ写真様
東京都三鷹市で葬儀写真の加工や販売をおこなう株式会社ひろ写真様では、葬儀業界の特性に応じた働き方改革を推進し、能力ある人財を適切に評価し大切にする方針を掲げています。
株式会社ひろ写真様では、葬儀社様と同様に24時間365日の営業に対応していたため、従業員の勤務時間が長く、人件費も割高になる課題を抱えていました。
これを解決するため、以下の改善を行いました。
- 労働時間の短縮(10時間から9時間)
- 昼食休憩の延長(45分から1時間)
- 評価・昇給基準の見直し
- 産休・育休制度の改善
労働時間の短縮(10時間から9時間)および昼食休憩の延長(45分から1時間)については、以下のグラフで表させていただきました。
さらに休憩中の外出許可によりリフレッシュが可能になったほか、産休・育休制度の明確化で安心して職場復帰が見込めるようになりました。
一方で勤務時間短縮による労働密度の増加というデメリットもありますが、有休取得率の増加や新たな評価制度の確立などで、さらなる労働生産性の向上を目指しているほか、介護休暇制度の導入も検討中のようです。
4.株式会社AZUMA様
東京都三鷹市にある株式会社AZUMA様は、葬儀コーディネート、民間救急サービス、訪問看護サービスなど多様な事業を展開する企業です。
主体である葬儀業務において、終業時刻に対する曖昧な概念と旧態依然とした社風の変革を目指しました。
部署ごとに異なる労働時間を管理する難しさに直面しながらも、以下のような方法で従業員のワークライフバランスを考慮した施策を実施しています。
- 時間外残業の明確な定義の設定や周知
- 予定された夜の会合に対する時差スライド出勤の推奨
- 子育て中の従業員や女性従業員の就業時間調整
- 店舗の定休日の確立
- 夏季休暇の連続付与
- 外注業務の派遣利用によりサービスの質を維持しながら労働時間を削減
これらの取り組みは、従業員からも「家族との時間が増えた」と好評のようです。
まだまだ完全な制度化には至っていないものの、時差出勤や時短勤務の制度化に向けた取り組みも併せて進行だそうです。
加えて、引き続き多くの高齢者や社会的弱者となりやすい人材も取り入れ、包摂的(ほうせつてき)な職場環境を目指しています。
【労働環境を変えよう】葬儀社に提案したい労働環境改善へのアドバイス
葬儀社の労働環境は独特がゆえに、従業員の負担が大きいことが、しばしば問題となります。
この章では、葬儀社が直面する労働環境の課題を解決し、従業員の働きやすさを高めるための具体的な改善策を提案いたします。
施行が入るタイミングに依存しない体制を作る
葬儀社様が施行のタイミングに依存しない効率的な体制を構築するには、明確な分業体制を確立することです。
一般的に葬儀社様では以下のような役割分担をしています。
- 施行担当(搬送から施行、アフターケアまで)
- 会館業務担当(会館内準備等)
- 一般事務(請求書手続きや雑務)
しかしこの体制では、施行の搬送依頼などの事情によって、休日返上などのイレギュラーな対応が必要になります。
効果的な分業体制を考えるためには、1施行ごとの業務を詳細に洗い出し、以下のように区分化することがおすすめです。
- コンタクトセンター(お客様応対のみ担当)
- 搬送担当(日中の搬送業務のみ対応)
- 打ち合わせ担当(施行打ち合わせ、日程組み)
- 施行担当(施行のみ担当)
- 施行補佐(施行時の補佐業務担当)
この分業区分は社内人員体制や現行業務区分、地域特性など多くの要因を考慮したうえで、自社にとって適切かどうかの精査が欠かせません。
しかし業務の分業化が成功すれば、各社員が専門性を活かしながら業務を効率的に進められるほか、イレギュラーな対応を減らすことが可能となるでしょう。
業務のデジタル化を進める
葬儀社における業務の分業化を進める上で欠かせないのが「情報共有」です。
葬儀業務を以下のようにに大きく分けたとしましょう。
- 事前相談
- 搬送
- 打ち合わせ
- 通夜・告別式
- アフターケア
もし不用意に分業化を進めた場合、情報の不一致が生じやすくなるため、ご遺族様の不信感を招くリスクがあります。
こうした問題を解決するためには、社内での情報共有が不可欠です。
しかし、紙やホワイトボードを使用したアナログ方式では抜け漏れが発生しやすく、スピード感を持った情報共有も困難でしょう。
加えて、見積もりから請負書の発行、会館の空き情報の確認など、事務所に戻るか本社に電話をかけなければなりません。
そこで活用したいのが業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化です。
業務のDX化は、業務そのものの効率化を実現し、残業時間の削減や働き方改革を推進するうえで、葬儀社様にとって不可欠な取り組みといっていいでしょう。
DX化を推進することによって、情報共有をスムーズにし、従業員それぞれが専門性を生かして効率的に業務を遂行できるようになります。
営業担当者はパソコンやスマ―トフォン、タブレットなどを出先で持つだけで必要な情報が確認できますし、持ち運びプリンタを用いることで、その場で見積書の発行も可能となります。
葬儀業界におけるデジタル化については、以下の記事からも確認いただけます。
・葬儀屋におけるDXとは?導入事例と導入時のポイントについて解説
・葬儀業界におけるDX推進と課題まとめ|情報セキュリティリスクへの対策を解説 (姉妹サイト『葬研』へ推移いたします)
社員が働きやすい環境をつくる
葬儀業務に従事する社員が働きやすい環境を整えることも求められます。
現代における少子高齢化に伴う労働力減少を踏まえると、多様な働き方を受け入れる土壌を整えなければなりません。
これには正社員やアルバイトに限らず、1人が複数の会社に所属したり、会社員と個人事業主として同時に活動したりすることも含みます。
現代では個々のニーズに合わせた働き方を受け入れる社会が求められています。
例えば、高収入のために1日に10時間労働を望む方がいる一方、3時間だけ働きたいと考える方も一定数いることも忘れてはいけません。
葬儀社様としても、一人ひとりのニーズに応じた柔軟な働き方を許容し、支援することが今後よりいっそう求められるでしょう。
また社員が働きやすい環境を葬儀社様側が提供するということは、従業員が「何らかの理由で退職しても、また自社に戻りたい」と思う意識を育む上でも役立ちます。
葬儀社の働き方で良くある質問
葬儀社での働き方には、多くの疑問が付きまとうものです。
この章では、葬儀業界で働くことを検討している方々から寄せられる一般的な質問に焦点を当て、Q&A方式にてご紹介いたします。
葬儀社の労働時間は?
葬儀社様の多くは24時間体制を採用しており、深夜や早朝に働くこともあります。
1日の労働時間はおおむね8~15時間ほどで、従業員はシフトに従って、交代で勤務することが多いようです。
葬儀業界は休みはどのくらいありますか?
葬儀業界の休日は葬儀社様によって異なりますが、一般的には週休2日制か、月に5~7日のシフト制を採用していることが多いようです。
とはいえ、ご遺族様の依頼が重なった場合や、葬儀の施行予定が立て込んでいる時期は、なかなか休みが取れないといった葬儀社様も散見されます。
葬儀は土日でもできますか?
葬儀場自体は土日・祝日も含め、年中無休で利用可能ですが、火葬場の休業日や予約状況による影響で、待機期間が長くなるケースもあります。
ただ、病院へのお迎えや搬送・ご安置については、24時間365日対応している葬儀社様がほとんどです。
友引の日は葬儀社は休みですか?
日本では多くの葬儀者様が「友引」を休みとしています。
これは日本全国で共通する風習に基づくもので「友引」という暦注の日には葬儀を避けるべきとされているためです。
「友引」にまつわる習慣は「亡くなった人が友を引いてあの世へ連れて行く」という意味合いがあり、他の人を道連れにするという解釈から来ています。
ただしこの風習は「友引」という漢字の解釈によるもので、本来の六曜の意味とは異なるようです。
友引の日についても、病院へのお迎えや搬送・ご安置については、24時間365日対応している葬儀社様がほとんどです。
葬儀社従業員の月収はいくらですか?
葬儀社従業員の月収に関する情報は一般に公開されていることは少ないですが、上場している葬儀社では従業員の平均年齢や平均年収が公開されることがあります。
月収は経験や入社時期によって異なり、17.5万円~60万円と幅広く設定されているようです。
なお個々の職位や役割、勤務地域、業績などによって月収も左右されます。
詳細は姉妹サイト『葬研』内、以下の記事でもご確認いただけます。
・葬儀業界の年収、年齢、待遇を解説|上場葬儀社7社の現状をまとめ
7時間働くと何分休憩ですか?
厚生労働省の規定によると、労働時間が6時間を超えて8時間以下の場合、休憩時間は少なくとも合計で45分必要とのことです。
たとえば3時間勤務後に30分、5時間後に15分休憩を取ることで、合計45分の休憩の確保が可能です。
なおこの規定は、正社員やパート、アルバイトを問わず、全ての雇用形態に適用されます。
まとめ
葬儀社の働き方は一般的な企業と比べ休日の予定が立てにくく、不規則勤務が多い業務形態です。
しかし最近では多くの葬儀社様でも労働環境の改善が進んでいます。
特に女性従業員の働きやすさを重視し、夜勤廃止や長期休暇取得制度の導入が行われている葬儀社様夜間れ会社様も増えてきているようです。
これから働き方改革を実施しようと考えている葬儀社様が効果的な分業を実現するためには、DX化など従来の葬儀社にとって不慣れな方法も取り入れることが推奨されます。
この記事が、これから人材を確保するために働き方改革を実施しようと検討している葬儀社様の一助となれば幸いです。