葬儀屋さんのホームページにおけるご遺体搬送サービスのご紹介方法まとめ
「ご遺体搬送サービス」は、あらかじめ葬儀プランに含まれているケースも多いため、一般の方は「葬儀社に連絡すれば搬送してもらえる」という認識を持っているようです。
しかし葬儀プランに含まれている遺体搬送サービスには「10㎞まで」といった条件が付けられているため、長距離移動が必要なケースでは追加料金が必要になります。
近年では核家族化の影響などから、親世代と子供・孫世代が遠く離れて暮らすケースも珍しくないため、状況によっては長距離のご遺体搬送が必要となります。
こうした点を踏まえ、「ご遺体搬送サービス」の詳細な料金設定等を、あらかじめホームページに掲載する葬儀社様も多いようです。
本記事では実際の掲載例を参考に、葬儀社様ホームページへの「ご遺体搬送サービス」掲載方法について解説します。
公式ホームページの新規開設やリニューアルを検討されている葬儀社様にとって、参考になる情報かと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
*今回ご紹介する各社の掲載例に関しまして、2022年12月1日時点のものでお伝えしています。
もくじ
ご遺体搬送サービスのメインビジュアル内容の比較
メインビジュアル(キービジュアル)とは、ホームページにおけるトップページ上部に配置された、一番目立つ大きな画像のことです。
メインビジュアルを見るだけで、サイトの大まかな内容が分かるように、企業がもっとも伝えたい内容・要素を盛り込む必要があります。
葬儀社様が「ご遺体搬送サービス」紹介ページを設置するうえで、検索上位に表示される事例の把握は不可欠です。
各社の対応を比較するため、「ご遺体搬送サービス」キーワードで検索した際に、上位表示されている葬儀社様のメインビジュアルを、要素別に一覧にまとめました。
出典元
各社のメインビジュアルを比較すると共通する部分が多いものの、要素によってはばらつきがあるようです。
イメージ画像
各社のメインビジュアルにおいては、当然ながら「搬送車両」画像が掲載されていました。
「ご遺体搬送サービス」紹介ページであることを、利用者に一目で理解してもらううえで、イメージ画像としての「搬送車両」掲載は欠かせないでしょう。
一方フリーダイヤルについては、各社で対応が分かれているようです。
インターネットが普及した現在では、会話のわずらわしさがないWeb問い合わせを好む方も増えています。
とはいえ、ご年配の方の中には「電話連絡の方が安心」という方も多いため、フリーダイヤルを掲載しておいた方が無難でしょう。
また搬送料金についても、メインビジュアルに「掲げている・いない」の差がありました。
「金額は大体このくらい」という目安を提示することで、お客様が抱える費用への不安を軽減する効果が期待できます。
訴求要約の比較
ご遺体搬送サービス紹介の中で、各社共通して掲載している項目は「24時間対応」です。
葬儀と同様に「24時間、365日対応」を明示しておくことで、利用者に安心感を与える効果が期待できます。
搬送料金については、距離10㎞~が基軸となっており、料金の設定の金額幅は15,000円〜¥16,840円と大きな差はないようです。
「遺体安置」については、情報を掲載していない葬儀社様も多いようですが、自宅安置が困難な利用者も多いことから、可能な限り明示しておくべき情報といえるでしょう。
各葬儀社のホームページ事例解説
ここからは、各葬儀社様のホームページを解説し、細部の差異などを比較していきます。
自社に最適な「ご遺体搬送サービス」紹介ページ作成に向けて、参考になる部分となりますので、しっかりと把握しておくことをおすすめします。
事例①:小さなお葬式
「小さなお葬式」様は、大阪府に本社を置く、いわゆる「ネット葬儀社」と呼ばれる、葬儀社斡旋業者となります。
葬送に関わる各サービス(葬儀・寺院手配・仏壇仏具販売・納骨)の専門業者を、お客様に斡旋するサービスを運営している業者です。
メインビジュアル
メインビジュアルの限られたスペースに必要な情報を盛り込みながらも、利用者にわかりやすい表示を追及している印象です。
特に「料金」と「問い合わせ先(フリーダイヤル)」については、赤字で目立つように工夫されています。
また、すぐにご遺体搬送が必要な方が連絡しやすいよう、画面右上の目立つ場所に「お急ぎの方」ボタンが設置されています。
日本国内だけではなく「海外」にも対応している点についても、文字だけではなく航空機の画像を使用することでアピールしているようです。
ホームページを変遷させたり、スクロールさせることなく、必要な情報がお客様へ伝えられるメインビジュアル構成といえるでしょう。
ご遺体搬送サービスの3つの安心
ホームページをスクロールすると、ご遺体搬送サービスについて、セールスポイントを3点に絞り、案内しています。
このパートでは、ポイントをひとつづつ、シンプルにわかりやすく伝わるように構成されており、利用者に安心感を与えられるよう配慮されている印象です。
国内のご遺体搬送
国内のご遺体搬送については、具体的な地名や距離、使用備品などの実例を提示して紹介されており、利用者がイメージしやすい構成となっています。
さらに金額一覧表の下部にも、あらためて「問い合わせ先(フリーダイヤル)」を表記することで、大まかな金額がイメージできたタイミングでの連絡を訴求しているようです。
国内搬送の搬送料金について
続いて、搬送料金を一覧表にして具体的に提示しています。
メインビジュアルでは「1〜10㎞」の搬送料金を表記していましたが、それ以上の距離について細かく記されており、お客様が具体的な料金を把握できるよう配慮されているようです。
また、状況によっては必要となる備品についても料金が明示されており、追加料金が必要になるケースを明示しています。
事例②:イオンのお葬式
「イオンのお葬式」様は、千葉県に本社を置く、いわゆる「ネット葬儀社」と呼ばれる、葬儀社斡旋業者となります。
葬送に関わる各サービス(葬儀・寺院霊園紹介・ペット葬儀)の専門業者を、お客様に斡旋するサービスを運営している業者です。
メインビジュアル
「イオンのお葬式」様では、ページトップのメインビジュアルを見るだけで、利用者が大まかな内容を把握できるよう、シンプルな構成を採用されています。
全体的に掲載する情報量が抑えられており、すっきりした印象を受けました。
搬送料金はホームページ上で明示されていませんが、「全国対応」している点を視覚的にアピールしているようです。
また、メインビジュアルの中に「安置場所」に関する情報を掲載し、自宅安置が難しい方でも利用しやすいよう配慮されています。
「問い合わせ先」は、常に画面下部に表示されるように設定してあり、スクロールしても電話番号が目に入る工夫がされています。
ご遺体搬送サービスのポイント3点
ページをスクロールすると「ご遺体搬送サービス」のセールスポイントが3点あげられています。
文字だけのシンプルな構成ですが、訴求内容も端的にわかりやすくまとめられている印象です。
ご遺体搬送サービスとは
「ご遺体搬送サービス」の内容について、あまり理解できていない方に向けて、サービス全体の流れをイメージ図で案内しています。
ご遺体搬送におけるいくつかのパターンを図で示すことで、文字だけの解説よりもイメージしやすくなる効果が期待できます。
また遠方へのご遺体搬送についても、距離などの具体例を図で明示することで、内容が伝わりやすくなるように配慮されていました。
事例③:涙そうそう
「涙そうそう」様は、愛知県に本社を置く、昨今「ネット葬儀社」と呼ばれる、葬儀社斡旋業者となります。
葬送に関わる様々なサービスについて、専門業者を紹介するサービスを運営している業者です。
メインビジュアル
「涙そうそう」様の「ご遺体搬送サービス」ページにおける特徴的なポイントは、メインビジュアルの中に動画解説を掲載している点です。
これは他葬儀社様のホームページでは見られない構成で、動画を通して情報収集する世代に向けての訴求が期待できます。
また費用を赤字で目立つように表記してあり、利用者の欲しい情報が把握しやすいよう工夫されています。
「問い合わせ先」は常に画面下部に表示されるように設定されているため、スクロールしても電話番号を見失うことはありません。
距離査定と基本料金(費用)のお見積り概算金額
こちらのホームページでは、ウェブ上で概算金額の見積もりができるように、シミュレーション機能が導入されています。
今回ご紹介している葬儀社の中で、シミュレーターが導入されているのは「涙そうそう」様のみです。
葬儀社への問い合わせにハードルを感じるお客様にとって、事前に金額を把握できる点は有利に働くでしょう。
さらに搬送料金シミュレーター直下には、使い方に関する解説動画が提示されています。
ご遺体搬送の費用(料金)体系と料金表
このパートでは、ご遺体搬送にかかわる知識をメインに解説しています。
涙そうそう様の搬送料金は、15,000円から5㎞毎に2,000円増しという計算になっているので、料金表などの具体的な内容をここでは明示していませんが、費用が掛かるものについて説明がされています。
料金表は、「詳細はこちら」ボタンをクリックすることで、ページが変遷して詳細が見られるように作られています。
走行距離に応じた料金、深夜料金、車両留置料金についての説明があり、「料金表を見る」ボタンをクリックすることで料金表(下記)が展開される作りになっています。
そのほか、追加費用や各種オプションについても記載されており、具体的にイメージしやすい印象です。
「料金表」
こちらは「料金表を見る」ボタンから展開された、「走行距離に応じた料金」「深夜料金(費用)」「車両留置料金(費用)」の料金表です。
料金を赤太字で表記してあり、見やすさを重視した作りになっています。
ご遺体搬送の基本的流れ
このパートでは、ご遺体搬送を依頼してから支払いをするまでの流れを解説し、プレゼンテーション的に案内しています。
文字のみでの説明よりも、お客様にわかりやすく伝わるよう、見た目に配慮されている印象です。
長距離(ふるさと)ご遺体搬送
最後のパートでは、長距離のご遺体搬送サービスについて、具体例を多数明示しています。
具体例を多数あげることで豊富な実績をアピールできるため、利用者に安心感を与える効果が期待できます。
事例④:家族葬のマイ・ライフ
「家族葬のマイ・ライフ」様は、埼玉県を中心に葬祭サービス事業を展開している葬儀社様です。
メインビジュアル
「家族葬のマイ・ライフ」様の「ご遺体搬送サービス」紹介ページにおけるメインビジュアルは、非常にシンプルな構成になっています。
料金表へ移行できるボタンを配置しているため、すぐに料金を知りたいお客様に対しても配慮がされています。
見積もり事例が数多く掲載されているため、さまざまな状況の利用者が参考にしやすい印象です。
また「問い合わせ先」は常に画面下部に表示されるように設定されており、スクロールしても電話番号が目に入るよう配慮されています。
陸路による遠距離、近距離のご遺体搬送料金
メインビジュアルのすぐ下では、搬送料金を一覧表にして具体的に提示しています。
メインビジュアルの中では料金を明示していませんが、少しスクロールすることで明示しているので、お客様がストレスを感じることはないでしょう。
希望する方のみかかる別途費用・見積もり実例
料金表の次のパートでは、別途かかる費用と、見積もりの実例を明示しています。
基本的な搬送料金の他に、状況によって必要となる料金を明示してあり、中距離〜遠距離での搬送における料金イメージができるように構成されています。
空輸で(入国、出国)する場合の料金目安
このパートでは、空輸でのご遺体搬送について、入国する場合、出国する場合それぞれの料金目安を明示しています。
海外へ、そして海外からのご遺体搬送について、料金目安や必要事項を明示しているのは、今回ご紹介した事例の中では「家族葬のマイ・ライフ」様のみでした。
海外のご遺体搬送が必要とされる場面は今のところ少ないですが、人流や物流がグローバルに展開している現代社会において、潜在的なニーズはありそうです。
事例⑤:メモリアルハート
「メモリアルハート」様は、大阪府を中心に葬祭サービス事業を展開する葬儀社様です。
メインビジュアル
メインビジュアルを「セールスポイント3点」「問い合わせ先(フリーダイヤル)」「搬送車両の画像」で構成することにより、「遺体搬送サービス」の内容をシンプルに伝える構成になっています。
画面をスクロールしたこのパートでは、ご遺体搬送サービスについての対応を箇条書きで、わかりやすくまとめてあります。
「ご遺体搬送サービス」では基本的な事項ですが、対応している内容をシンプルに伝えるように構成されており、見やすさを重視している印象です。
料金、有料道路
このパートでは搬送料金を明示すると同時に、搬送時の注意事項や、別途必要とされる可能性がある項目についても説明がされています。
また有料道路についても、別途料金が発生する点が明示されています。
ご依頼時に用意していただく事柄
このパートでは、葬儀社様がご依頼を受けた際にお客様へ確認する事項を明示しています。
単に「お問い合わせください」とするのではなく、問い合わせでの想定問答が明示されているため、利用者は事前の心構えができます。
事例⑥:大野城葬祭 大文字斎場
「大野城葬祭 大文字斎場」様は、福岡県を中心に葬祭サービス事業を展開する葬儀社様です。
メインビジュアル
「24時間・365日対応」や「問い合わせ先(フリーダイヤル)」などをメインビジュアルに盛り込んでいる点は他社と同様です。
サービスの流れを図解にして示すことで、お客様にわかりやすく伝わるようにまとめられていました。
搬送サービス料金<陸送>
「ご遺体搬送のサービス」が「九州全域対応」ということで、九州地図で図解することにより、おおよその距離が一目でわかるように作られています。
地元のお客様向けに特化したサービスならではの構成といえるでしょう。
料金表
地図に続いて料金表を明示しています。
搬送距離の運賃に加え、大野城市を起点として各県庁までの距離・搬送運賃を明示している点が特徴的です。
これも、地元のお客様向けに特化した構成ならではといえるでしょう。
まとめ
本記事では、葬儀社様の「ご遺体搬送サービス」の紹介方法について、ビジュアルや掲載内容を中心に解説しました。
各社のページを比較していく中で、大手葬儀ポータルサイトの「小さなお葬式」様のページは、非常に洗練されている印象を受けました。
今回紹介した6社の「ご遺体搬送サービス」紹介ページを実際に訪問したうえで、情報の探しやすさを比較すると、各サイトで使い勝手の良さに違いがある点に気が付くでしょう。
「小さなお葬式」様と「涙そうそう」様の両サイトが、もっとも比較しやすいかもしれません。
「涙そうそう」様のサイトでは、1つのページに必要な情報が網羅されていますが、やや見づらい印象です。
一方の「小さなお葬式」様ページでは、見やすさを重視したシンプルな見た目にもかかわらず、必要な情報に素早くアプローチできるよう工夫が凝らされています。
葬儀ポータルサイトにおける収益の軸は「集客」と「送客」ですので、Webマーケティングに関しては一日の長があります。
葬儀社様にとって葬儀ポータルサイトは競合となりますが、ページ構成に関しては参考にすべき点は少なくないはずですので、遠慮なく取り入れるべきでしょう。
IT技術は想像以上のスピードで進化しているため、最近ではホームページの耐用年数も、おおむね2~3年といわれています。
5年以上ホームページの改修を実施していない場合は、機会損失につながっている可能性もありますので、リュニューアルを検討すべきかもしれません。
葬儀屋.jpでは、ホームページ制作やリニューアルに加え、葬儀プランの相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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