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従業員エンゲージメントとは|葬儀社の離職率を下げ採用力を高める方法

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人手不足が深刻化する葬儀業界では、多くの葬儀社様が採用と定着の悩みを抱えているのではないでしょうか。
経済産業省の調査によると、冠婚葬祭業における2024年末時点の有効求人倍率は7.59倍に達しており、全産業平均の5倍以上という厳しい状況です。
※出典:経済産業省『省力化投資促進プラン―生活関連サービス業(冠婚葬祭業)』

「採用が難しいだけでなく、せっかく入社してもすぐに辞めてしまう」「現場は忙しいのに人が足りない」そんな悪循環に陥っている葬儀社様も少なくありません。

以下に1つでも当てはまる方は、ぜひこの記事をお読みください。

  • 給与を上げたのに、社員が辞めてしまいます
  • 求人広告を出しても、応募がほとんど来ません
  • せっかく採用しても、数ヶ月で退職してしまいます
  • 何をすれば人が定着するのかわかりません

こうした悩みの根本にあるのが、「従業員エンゲージメント」の問題です。

従業員エンゲージメントとは、簡単に言えば「社員が会社に対して持つ愛着や貢献意欲」のことです。給与や休日といった条件面の満足だけでなく、「この会社で働き続けたい」「会社のために頑張りたい」と心から思える状態を指します。

本記事では、従業員エンゲージメントの基本から、葬儀業界特有の課題、そして明日から実践できる具体的な改善策まで、わかりやすく解説していきます。

従業員エンゲージメントとは何か

「従業員エンゲージメント」という言葉を聞いたことはあっても、意味がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、エンゲージメントの基本的な意味と、似た言葉である「モチベーション」との違いを解説します。

エンゲージメントは「待遇への満足」とは別物

従業員エンゲージメントとは、簡単に言えば、社員が会社や仕事に対して持つ「愛着」や「貢献したい」という気持ちのことです。

米国の調査会社ギャラップ社は、従業員エンゲージメントを「従業員が自分の仕事と職場に対して示す関与と熱意」と定義しています。
この定義は、同社の「
State of the Global Workplace」などの各種レポートで一貫して用いられています。

ここで大切なのは、「満足」と「エンゲージメント」は違うということです。

たとえば、給与や休日に満足している社員がいたとします。しかし、その社員が「会社のためにもっと頑張りたい」「自分から改善提案をしよう」と思っているかどうかは、また別の話です。

エンゲージメントが高い社員は、会社の理念や目標に共感し、自分から進んで貢献しようとします。「言われたからやる」ではなく、「自分がやりたいからやる」という状態です。

心理学者のウィリアム・カーンは、エンゲージメントには3つの側面があると説明しました。

エンゲージメントの3つの側面

 

①身体的エンゲージメント:努力やエネルギーを仕事に注ぐ
認知的エンゲージメント:仕事に集中し、没頭する
感情的エンゲージメント:仕事に対して愛着や誇りを感じる

つまり、体も頭も心もすべてが仕事に向いている状態こそが、本当の意味でのエンゲージメントです。

従業員のエンゲージメントについては、関連記事「葬儀業界の人材課題を解決する|採用難・離職率の原因とエンゲージメントの基本」でも解説しています。あわせてお読みください。

葬儀業界の人材課題を解決する|採用難・離職率の原因とエンゲージメントの基本

「モチベーション」とエンゲージメントの違い

エンゲージメントと似た言葉に「モチベーション」があります。どちらも「やる気」に関係する言葉ですが、意味は異なります。

モチベーションとは、「目の前の仕事をやり遂げるための短期的な原動力」です。一方、エンゲージメントは、「会社や組織との長期的な結びつき」を指します。

葬儀業界で例えると、次のような違いがあります。

モチベーションが高い社員は、目の前のご遺族様の対応を完璧にこなします。しかし、より良い条件の会社があれば転職するかもしれません。
一方、エンゲージメントが高い社員は、会社の理念に共感し、自分から「こうしたらもっと良くなる」と改善提案をします。多少の困難があっても、この会社で働き続けたいと思っています。

モチベーションとエンゲージメントの違い

つまり、モチベーションは「今日の仕事を頑張る力」、エンゲージメントは「この会社で長く働きたいという気持ち」と言えます。

実際の職場には、次の4つのタイプの社員が存在します。

従業員のエンゲージメントからみる4タイプ

特に注意すべきは以下の2つのタイプです。

1つ目は「両方低い」タイプです。仕事への意欲も会社への愛着もないため、周囲の士気に悪影響を与えることがあります。
早急に原因を把握し、対応を検討する必要があります。

2つ目は「モチベーションは高いがエンゲージメントが低い」タイプです。仕事ができる優秀な人材ほど、条件の良い会社を見つければ躊躇なく転職します。
給与アップや福利厚生の改善だけでは、このタイプの離職を防ぐことはできません。

人材の定着には、モチベーションを上げるだけでなく、「この会社で働き続けたい」というエンゲージメントを高める視点が欠かせないのです。

葬儀業界でエンゲージメントが続かない理由

落ち込むスーツの男性

葬儀業界には、エンゲージメントを維持しにくい構造的な要因があります。

まず、葬儀業界は「感情労働」の代表的な職種です。感情労働とは、仕事中に自分の感情をコントロールし、適切な表情や態度を求められる働き方を指します。

イタリアで行われた葬儀業界の研究(2020年)では、従業員229人を対象に調査が実施されました。
その結果、69.1%が毎日ご遺族様と接し、52.6%が毎日ご遺体を目にしているという実態が明らかになっています。

こうした環境に加え、日本の葬儀業界には次のような負担があります。

  • 24時間365日、いつ呼ばれるかわからない緊張感
  • 不規則な勤務による生活リズムの乱れ
  • ご遺族様の悲しみに寄り添い続ける精神的な負担
  • 社会的な偏見や、仕事内容を周囲に理解されにくい孤独感


さらに深刻なのは、日本全体のエンゲージメントの低さです。ギャラップ社の調査によると、日本の従業員エンゲージメント率はわずか7%で、世界平均の21%を大きく下回り、世界最低水準となっています。

感情労働による負担が大きく、日本全体のエンゲージメントも低いため、葬儀業界は二重の意味でエンゲージメントを維持しにくい環境にあるのです。

だからこそ、仕事の社会的意義をきちんと伝え、職場のサポート体制を整えることが、他の業界以上に重要になります。

エンゲージメント向上がもたらす経営効果

エンゲージメントを高めることは、本当に経営にプラスになるのでしょうか。
ここでは、具体的なデータをもとに、離職率・サービス品質・採用力への効果を解説します。

効果①社員の離職率が半減する

エンゲージメントが高い職場は、社員が辞めにくいことがデータで証明されています。

ギャラップ社の2024年メタ分析によると、エンゲージメントが上位25%の職場は、下位25%の職場と比べて離職率が51%も低いという結果が出ています。これは、平均年間離職率が40%以下の企業を対象にした調査です。

エンゲージメントと離職率の関係

また、同社の2025年レポートでは、世界の労働者の50%が転職を検討しているとされています。特に35歳未満の若手では58%にのぼり、半数以上が「今の会社を辞めてもいい」と考えている状況です。

人材確保が難しい葬儀業界にとって、この差は大きな意味を持ちます。

「採用に苦労して入社してもらった社員が、数ヶ月で辞めてしまう」という繰り返しでは、採用コストも教育コストも無駄になります。
エンゲージメントを高めて「辞めない職場」をつくることは、経営の安定に直結するのです。

効果②サービス品質・顧客満足度の上昇へつながる

エンゲージメントの効果は、離職率だけにとどまりません。日々のサービス品質にも大きく影響します。
ギャラップ社の2024年メタ分析によると、エンゲージメントが高い職場(上位25%)は、低い職場(下位25%)と比べて次のような成果が出ています。

  • 利益:23%向上
  • 生産性:14%向上
  • 顧客評価:10%向上
  • 品質面の欠陥:41%減少

 

エンゲージメントが高い職場と低い職場の比較

葬儀の仕事は、やり直しがききません。ご遺族様にとって、故人様を送る機会は一度きりです。だからこそ、ミスのない丁寧な対応が求められます。

エンゲージメントが高い社員は、「言われたことをやる」だけでなく、「どうすればご遺族様により良い対応ができるか」を自分で考えます。
細やかな気配りや、想定外の事態への柔軟な対応も、こうした姿勢から生まれるのです。

結果として、ご遺族様からの感謝の言葉や口コミにつながり、会社の良い評判や次の依頼につながります。

効果③社員紹介採用で採用コストを軽減できる

エンゲージメントが高い職場には、もうひとつ大きなメリットがあります。社員が自ら「うちの会社で働かないか」と知人を紹介してくれるようになることです。

社員紹介採用(リファラル採用)の効果は、Zippiaの調査でも裏付けられています。

  • 採用コスト:41%削減
  • 定着率:46%(求人サイト経由は33%)
  • 4年以上の在籍率:45%(求人サイト経由は25%)


社員紹介採用がうまくいく会社には、共通点があります。社員自身が「この会社で働いてよかった」と思っていることです。
自分が満足していない職場を、友人や知人に勧める人はいません。
つまり、社員紹介採用の成否は、エンゲージメントの高さそのものを映し出しているのです。

採用難の時代において、「社員が人を連れてくる会社」になれるかどうかは、経営を左右する重要な分岐点といえます。

エンゲージメントを高める4つのポイント

葬儀業における採用難易度4

エンゲージメントの重要性と効果は、ここまでの内容でご理解いただけたかと思います。では、実際に何から手をつければいいのでしょうか。
ここでは、エンゲージメントを高めるための4つのポイントを紹介します。いずれも葬儀業界の現場で実践できる内容です。

ポイント①最優先は管理職から始める

エンゲージメント向上に取り組むなら、まず手をつけるべきは管理職です。なぜなら、チームのエンゲージメントは、そのほとんどが上司によって決まるからです。

ギャラップ社の調査によると、チーム間でエンゲージメントに差が生まれる要因の70%はマネージャーに起因します。
給与でも、福利厚生でも、会社の理念でもありません。「誰が上司か」が、社員のやる気を左右する最大の要因なのです。

ところが、肝心のマネージャー自身のエンゲージメントが下がっています。
ギャラップの2025年レポートによると、世界のマネージャーのエンゲージメント率は2023年の30%から2024年には27%へと低下しました。
特に35歳未満の若手マネージャーは5ポイント、女性マネージャーは7ポイントも下がっています。

出典:State of the Global Workplace 2025|Gallup(ギャラップ社)

上司が疲弊していれば、部下のエンゲージメントも上がりません。これは葬儀業界でも同じです。

葬儀社でいえば、施行責任者や主任クラスが管理職に該当します。彼らは現場を回しながら、後輩の指導も担っています。
夜間の呼び出し対応、ご遺族様からのクレーム処理、新人のフォロー。多くの負担が集中するポジションです。

この層が疲弊したままでは、いくら会社全体で「エンゲージメントを高めよう」と号令をかけても効果は限定的です。
逆に、施行責任者や主任クラスがいきいきと働いていれば、その姿勢は自然とチーム全体に伝わります。

エンゲージメント向上の第一歩は、経営層や人事担当者が「まず管理職をケアする」と決めることです。

ポイント②自律性・熟達・目的を満たす

社員のエンゲージメントを高めるには、3つの心理的欲求を満たすことが有効です。それが「自律性」「熟達」「目的」です。

社員のエンゲージメントを高める3つの心理的欲求

この3要素は、作家のダニエル・ピンクが著書『モチベーション3.0』で提唱したものです。
ピンクは、給与や賞罰といった外からの動機づけよりも、内側から湧き上がる動機づけの方が、長期的なパフォーマンスにつながると主張しました。

それぞれの意味を見ていきましょう。

まず「自律性」は、自分で決められる感覚です。具体的には「やらされている」ではなく「自分で選んでいる」と思えるかどうかを指します。
細かく指示されるより、ある程度の裁量を持って仕事を進められる方が、人はやる気を感じます。
葬儀業界では、ご遺族様への対応に一定の自由度を与えることが該当します。

「熟達」は、成長している実感です。「前よりうまくできるようになった」「難しい仕事をこなせた」という手応えが、次の仕事への意欲につながります。
葬儀業界では、新しい葬送形態への対応力向上などが該当します。

「目的」は、自分の仕事に意味があると感じられることです。「何のためにこの仕事をしているのか」が明確で、それに共感できる状態です。
特に葬儀業界では「目的」を感じやすい環境にあります。人生の最期に関わる仕事だからこそ、「自分の仕事には意味がある」と実感できる機会が多いはずです。

しかし、日々の業務に追われていると、その意味を見失いがちです。経営者や管理職が意識的に「あなたの仕事がご遺族様の支えになっている」と伝える場を設けることで、目的意識を維持しやすくなります。

ポイント③感情労働者のバーンアウトを防ぐ

葬儀業界で働く人は、「感情労働」の負担が非常に大きい職種です。感情労働とは、自分の感情をコントロールしながら相手に接する仕事のことです。
葬儀の現場では、悲しみの中にいるご遺族様に寄り添い、冷静かつ丁寧な対応が求められます。自分が疲れていても、それを表に出すことは許されません。

医療・福祉分野の研究から、感情労働には3つのタイプがあることがわかっています。

感情労働の3タイプ

このうち「表層演技」は、内面の感情を偽って表情や態度を作る状態です。最もストレスが大きく、「バーンアウト(燃え尽き症候群)」に直結しやすいとされています。
バーンアウトとは、それまで熱心に働いていた人が、突然やる気を失ってしまう状態で、主に3つの症状があります。

  1. 情緒的消耗感:心のエネルギーが枯渇し、「もう何もしたくない」という状態
  2. 脱人格化:ご遺族様や同僚に対して、思いやりのない機械的な対応をしてしまう状態
  3. 個人的達成感の低下:「自分の仕事には意味がない」と感じてしまう状態


また、葬儀業界では、ご遺族様の悲しみに寄り添いながらも、専門職としての冷静さを保つという高度な感情調整が求められます。

このバランスが精神的負担となりやすく、American Hospital Associaitionの調査による「看護師の62%がバーンアウトを経験している」という実態と重なる部分があり、葬儀業界でも同様のリスクが潜んでいると考えられます。

バーンアウトを防ぐには、組織的な取り組みが必要です。つらい施行の後に気持ちを共有できる場をつくること、困難な対応をチームで分担すること、そして十分な休息を確保することが重要です。
24時間対応の葬儀業界では難しい面もありますが、シフト管理の工夫や繁忙期後の休暇取得促進など、意識的に回復の時間をつくる必要があります。

感情労働の負担は目に見えにくいものです。だからこそ、経営者や管理職が「この仕事は心をすり減らす」という前提に立ち、先回りしてケアする姿勢が求められます。

ポイント④日本人社員ならではのやる気の出し方を把握する

ここまで紹介した3つのポイントは、海外の研究や調査に基づくものです。しかし、日本人社員には日本人ならではの特徴があります。
その違いを理解しておくことで、より効果的な施策を打てるようになります。

日本の職場では、個人の主張よりも集団の調和が優先され、上下関係への配慮が求められます。
このため、欧米型の個人主義的なエンゲージメント施策は必ずしも効果的に機能しない可能性があります。

具体的には、チームの一体感、先輩後輩関係の尊重、集団としての達成感の共有が、エンゲージメントを高める鍵となります。

日本の従業員のエンゲージメントを高めるカギ

葬儀業界に当てはめると、個人の成果を称えるよりも、「チームで良い施行ができた」という達成感を共有する方が効果的だと考えられます。
また、ベテランから若手への技術継承の場を設けることで、先輩後輩の関係性を深めながら、組織全体のエンゲージメントを高めることができます。

国内企業のエンゲージメント向上施策による成功事例

ここまでエンゲージメントを高めるポイントを紹介してきましたが、「実際にどう取り組めばいいのか」が気になる方も多いでしょう。

ここでは、他業界の成功事例から、葬儀業界に応用できるヒントを探ります。

事例①トヨタに学ぶ「現場主導の改善文化」

トヨタ自動車は、1990年代に直面した労働生産性の危機を、「カイゼン(改善)」文化の導入によって乗り越えました。

トヨタの改善文化導入による成功事例

特徴的なのは、現場の従業員に大きな権限を与えたことです。生産ラインに問題を発見した作業者は、自らの判断でラインを停止できます。
また、定期的な「ハンセイ会(反省会)」を実施し、現場からの改善提案を積極的に取り入れる仕組みをつくりました。

この取り組みは、生産性の向上、品質の安定、そして従業員の当事者意識の醸成に大きく貢献しました。

葬儀業界への応用を考えると、以下のような取り組みが可能です。

  • ご遺族様のニーズに即応できる現場権限の付与
  • 施行後の振り返りミーティングで感情対応や接遇を改善
  • 複数の役割を担えるクロストレーニングの実施


「上からの指示を待つ」のではなく、「現場で判断し、改善を提案できる」文化をつくることで、社員の自律性とエンゲージメントが高まります。

事例②加賀屋旅館に学ぶ「おもてなしの仕組み化」

石川県の老舗旅館・加賀屋は、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で長年トップクラスの評価を得ています。
加賀屋の強みは、「おもてなし」を個人の資質に頼らず、組織の仕組みとして実践している点です。

加賀屋旅館の組織の仕組みづくりによる成功事例

たとえば、ゲストが「寒い」と言う前に、表情や仕草から察して毛布を用意するといった「先回りの気づかい」を、全スタッフができるよう訓練しています。
また、ゲストの情報は部門間で共有され、どのスタッフが対応しても一貫したサービスを提供できる体制を整えています。

葬儀の現場でも、ご遺族様は言葉にできない不安や要望を抱えています。「何かお困りですか?」と聞かれても、答えられないことが多いものです。
だからこそ、表情や仕草から察して先回りする力が求められます。

加賀屋の仕組みを葬儀業界に応用するなら、以下のような取り組みが考えられます。

  • ご遺族様の状態を察知する観察力を養う研修
  • 担当者間でご遺族様の情報(状況、要望、注意点)を共有するルール
  • 施行後にご遺族様の声を集め、次に活かすフィードバックの仕組み


「気が利くスタッフ」に頼るのではなく、「誰でも気が利く対応ができる仕組み」をつくることがポイントです。

事例③中小企業でもできるIT活用の第一歩

「大企業の事例は参考にならない」と感じる方もいるかもしれません。しかし、中小企業でもITツールを活用してエンゲージメント向上に成功した事例があります。

政府支援による中小企業のデジタル変革では、KaoNaviのようなタレントマネジメントシステムを導入することで、離職率の改善や生産性の向上につながる事例が報告されています。
タレントマネジメントシステムとは、社員のスキル・経歴・評価・キャリア希望などの情報を一元管理し、人材育成や配置に活用するためのツールです。

葬儀業界で応用するなら、以下のような活用が考えられます。

  • キャリア開発を可視化するデジタルシステム
  • 透明な評価・昇進基準の共有
  • 感情労働に対応するための研修へのアクセス
  • シフト管理のデジタル化による負担軽減


高額なシステムを導入する必要はありません。まずはスケジュール管理や引き継ぎ情報の共有など、小さなところからデジタル化を始めることで、24時間体制の負担を軽減できます。

成功事例に共通するポイント

エンゲージメント向上の成功事例に共通するポイント

前述した3つの事例から、葬儀業界で実施可能な施策が見えてきます。共通するポイントは4つです。

  1. 現場スタッフへの権限委譲

ご遺族様の個別ニーズに即座に対応できる裁量を現場に与えることです。「上司に確認します」ではなく、その場で判断できる権限があれば、サービス品質が向上し、社員の自律性も高まります。

  1. 継続的改善の仕組み化

月次の振り返りミーティングなどで、感情的に困難だった事例を共有し、対応方法を改善していく仕組みです。「あのときどうすればよかったか」をチームで考えることで、個人の経験が組織の財産になります。

  1. デジタルツールの活用

スケジュール管理、引き継ぎ情報の共有、研修へのアクセスなどをデジタル化することで、24時間体制の負担を軽減できます。大きな投資をしなくても、できるところから始めることが大切です。

  1. 仕事の意義の再確認

定期的にご遺族様からの感謝の声を共有し、「自分たちの仕事には意味がある」と再認識する機会を設けることです。感情労働を持続可能にするには、この「意義の実感」が欠かせません。

まとめ|葬儀業界におけるエンゲージメント向上への道筋

エンゲージメントとは、「この会社で長く働き続けたい」「もっと良くしたい」という社員の気持ちです。
給与や休日への満足とは別物で、これが低いと待遇を改善しても人は辞めていきます。

葬儀業界は感情を使う仕事だからこそ、社員の心の状態がサービスの質に直結します。
日本全体のエンゲージメントは6%と低い水準ですが、トヨタや加賀屋旅館の事例が示すように、工夫次第で高めることはできます。

大切なのは、「自分で決められる」「成長できる」「意味がある」と社員が感じられる職場をつくることです。
まずは現状把握から始めることをおすすめします。そこから段階的に、現場への権限委譲、振り返りによる継続的改善、デジタルツールの活用、仕事の意義の再確認を進めていきます。

エンゲージメント向上の流れ

時間と労力はかかりますが、離職率の低下、生産性の向上、採用力の強化という形で必ず成果は表れます。「この会社で、この仕事を続けたい」と社員が心から思える職場づくりこそが、人手不足の時代を乗り越える道ではないでしょうか。

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