LINE(ライン)での訃報文とお悔やみ返信文例集│葬儀社様のホームページですぐに使えるテンプレート7例[親族編]
身内に不幸があった場合、生前に故人様とご縁のあった方々に対して、訃報を伝える必要があります。
特に親族に対しては、できるだけ早く連絡を入れなければなりません。
かつての訃報連絡は、文書や電話でおこなうのが一般的でしたが、通信手段が多様化した現在では、連絡方法に迷われる方も少なくないでしょう。
近年では、友人や知人・親族との日常的な連絡手段としてLINEが広く利用されていますが、非日常である弔事の連絡については、LINEの利用が適切なのかどうか悩まれる方も多いようです。
葬儀社様ホームページに、訃報連絡について分かりやすく解説した記事を掲載しておけば、こうした消費者の悩みの解消に役立ちます。
さらに、すぐに使える文例を掲載しておけば、より親切な印象を与えられるのではないでしょうか。
そこで本記事では、親族にLINEで訃報を伝える際と、親族からの訃報LINEに返信する際の注意点や配慮すべき点について、例文を交えながら解説します。
ご紹介する訃報文とお悔やみ返信文は、すぐに使えるテンプレートになっていますので、顧客から相談があったときなどに、ぜひお役立ていただければ幸いです。
もくじ
訃報連絡の優先順位
身内に不幸があった際に訃報を伝える場合、優先順位として誰から伝えればよいのか迷われることもあるかと思います。
一般的に、訃報を伝える際の優先順位は次のようになります。
- 家族・親族
- 故人様の友人・知人、仕事関係先
- ご遺族様の関係先
- 故人様の居住地域の関係先
まず親族にいち早く訃報を伝えたのちに、故人様の友人・知人や仕事の関係先といった順に連絡するのが基本となります。
もし生前に故人様から、連絡してほしい人を聞いている場合は必ず伝えましょう。
訃報は喪主様やご遺族様から伝えるのが本来ですが、連絡すべきご親族が多い場合は負担が大きくなりますので、親族のどなたかに訃報を伝える役割をお願いする方法もあります。
その場合は「本来であれば、喪主から連絡をするべきですが…」と伝えてもらうとよいでしょう。
親族にLINEで訃報を伝える状況とは
親族への訃報連絡は優先度が高いため、電話を利用するのが最も確実です。
LINEで訃報を伝えるのはマナーの観点では略式となりますが、状況によってはLINEを活用したほうが便利な場合もあります。
電話がつながらない場合
親族に電話で訃報を伝えようとしたけれど、何回かけてもつながらない場合、まずはLINEで一報を入れておくのも1つの方法です。
いずれにしても、葬儀の詳細が決まり次第、再度連絡することとなりますし、LINEに気が付いた親族から折り返し連絡があるかもしれません。
また、海外在住などで時差がある場合も、LINEやメールであれば時間を気にせずに連絡できます。
連絡すべき親族が多い場合
ご逝去から葬儀までは数日しかないため、喪主様やご遺族様は何かと忙しくなりますが、近しい間柄の親族が多い場合、訃報連絡に多くの時間を割くこととなります。
もしも親族間でLINEグループが形成されていれば、一度の投稿で情報を共有することも可能です。
すでに上記のような方法を利用している方もいるようで、訃報用のLINEスタンプも販売されています。
またLINEには、掲示板のような役割を持つ「ノート」機能が備えられているので、葬儀の場所や日時など、確実に伝えたい情報を共有することもできます。
LINEグループを作るようであれば、普段から親しい付き合いがある親族と考えられますので、LINEを活用しても失礼には当たらないと思われます。
親族にLINEで訃報を伝える場合の注意点6つ
前述したように、訃報連絡にLINEを利用すること自体は、問題ないと捉える方も増えていますが、すべての状況において許容されているわけではないため注意が必要です。
この章では、LINEで訃報を伝える場合の注意点をみていきましょう。
1.伝える相手を考える
親族にLINEで訃報を伝えたいとき、生前からLINEでやりとりをしていた方であれば問題ないでしょう。
しかし遠縁の方など、日常的にLINEで連絡を取り合っていなかった方については、電話もしくは文書で伝えたほうが無難です。
特に年配の方などは、LINEで訃報を伝えることを失礼だと感じる方もいらっしゃいますので、伝える相手をよく考えるようにしましょう。
2.伝える範囲を考える
親族のなかでも、どの範囲まで訃報を伝えるべきか判断に迷うこともあるかと思います。
一般葬であれば、下表のように故人様からみて3親等までの親族に伝えるのが一般的です。
ただし、その家ごとに親族との関係性が異なりますし、近年家族葬をおこなう方も多いため訃報を伝える範囲は、ご遺族様で話し合って決めるとよいでしょう。
故人様との関係 | 親等 |
父・母 | 1親等 |
配偶者 | 1親等 |
子どもとその配偶者 | 1親等 |
兄弟姉妹とその配偶者 | 2親等 |
祖父・祖母 | 2親等 |
孫とその配偶者 | 2親等 |
曽祖父・曽祖母 | 3親等 |
伯父・伯母(叔父・叔母)とその配偶者 | 3親等 |
ひ孫とその配偶者 | 3親等 |
*故人様の配偶者側の親族も同じように、配偶者の父母は1親等、配偶者の祖父母や兄弟姉妹は2親等となります。
3.できるだけ早く伝える
親族にLINEで訃報を伝える場合は、ご遺体を自宅や葬儀場に安置したらすぐに、まず第一報として亡くなった日時などを伝えるのが一般的です。
遠方の方が通夜・葬儀に参列する場合、交通や宿泊の手配もあるので、通夜や葬儀の日程が決まったら、第二報としてできるだけ早く伝えましょう。
4.LINEスタンプや絵文字は使わない
生前にLINEでやりとりをしていた親族であっても、訃報を伝える際にはLINEスタンプや絵文字は使わないようにしましょう。
LINEスタンプや絵文字は、相手にくだけた印象を与えてしまうので、訃報には適していません。
5.簡潔な文章にする
LINEで訃報を伝える場合は、正確な情報を簡潔な文章にまとめます。
時候の挨拶なども必要なく、第一報としてまず次の項目を伝えるとよいでしょう。
そして、通夜や葬儀の日程が決まったらすぐに連絡すると伝えておきましょう。
- 故人様の名前
- 亡くなった日時
- 葬儀形式(仏式・神式・キリスト教式、無宗教葬、1日葬など)
- 喪主の名前と連絡先
- 家族葬の場合はその旨
- 香典、供花、供物、弔電を辞退する場合はその旨
このあと通夜や葬儀の日程が決まったら、通夜、葬儀・告別式の日時と会場の連絡をします。
会場までのアクセス情報を、一緒に知らせるとよいでしょう。
6.既読や返信の確認をする
故人様の親族には確実に訃報を伝えなくてはならないため、訃報を伝えたのち既読になっているか、あるいは返信があったかを必ず確認しておきましょう。
もし既読や返信が確認できない場合、相手にうまく伝わっていない可能性もありますので、電話などほかの連絡手段で必ず伝えることが大切です。
親族にLINEで伝える訃報文テンプレート4例
親族にLINEで伝える訃報の例文をご紹介します。
まずは、第一報として亡くなったことを簡潔に伝え、通夜や葬儀・告別式の日時が決まったら追って第二報として伝えるケースもあるかと思います。
必要なところを変更すれば、そのまま使えるテンプレートになっていますので、お役立てください。
一般葬の場合
1.第一報として、亡くなったことを伝える場合
急なご連絡となり失礼いたします。
〇〇〇〇の長男(または長女など)、〇〇です。
父(または母など)、〇〇〇〇はかねてから入院加療中のところ、〇月〇日〇時〇分、享年〇〇歳にて永眠いたしました。
ここに生前のご厚誼に深謝いたしますとともに、謹んでご通知いたします。
なお、通夜ならびに葬儀・告別式の日時が決まり次第お知らせいたします。
・喪主:〇〇 〇〇(長男)携帯:〇〇〇〇
2.第二報として、通夜と葬儀・告別式の日時を伝える場合
〇〇〇〇の通夜ならびに葬儀・告別式は次の日程で執り行うことが決まりましたので、ご通知いたします。
・通夜:〇月〇日(〇)〇〇時~
・葬儀・告別式:〇月〇日(〇曜日)〇時~
・葬儀場:〇〇会館 住所:〇〇市〇〇 〇〇-〇 電話:〇〇〇〇
・葬儀形式:仏式 〇〇宗
・喪主:〇〇 〇〇(長男)携帯:〇〇〇〇
3.香典などを辞退する場合
お世話になっております。
〇〇の長男(または長女など)、〇〇です。
突然のご連絡失礼いたします
かねてより病気療養中でした父(または母など)〇〇〇〇ですが、本日夕方に息を引き取りました。
生前は多大なご厚情を賜り誠にありがとうございました。
通夜ならびに葬儀・告別式は次の日程で執り行います。
・通夜:〇月〇日(〇)〇〇時~
・葬儀・告別式:〇月〇日(〇曜日)〇時~
・斎場:〇〇会館 住所:〇〇市〇〇 〇〇-〇 電話:〇〇〇〇
・葬儀形式:仏式 〇〇宗
・喪主:〇〇 〇〇(長男)携帯:〇〇〇〇
なお、誠に勝手ながら香典、供花、供物、弔電は辞退させていただきます。
家族葬の場合
家族葬の場合は、どこまでの範囲で訃報を伝えるか迷われることもあるかと思います。
葬儀の規模により参列する人数も決まってくるため、喪主様とご遺族様が話し合って決めるとよいでしょう。
家族葬にお呼びする親族の範囲
家族葬にお呼びする親族の範囲はご遺族様ごとの判断となりますが、一般的に10名程度の家族葬の場合は1親等、20名規模であれば2親等までの親族をお呼びするケースが多いようです。
また、故人様と特に親交のあった友人や、お世話になった知人などは、家族葬であってもお呼びしてかまいません。
家族葬に親族を呼ばない場合の注意点
家族葬に親族を呼ばない場合、葬儀後に不満の声があがる可能性があります。
「故人の遺志」や「喪主と遺族で話し合った」といった事情を伝えたうえで、しっかりと理解を得ることが大切です。
いずれにしても、故人様が生前にお世話になったことへの感謝の気持ちを、必ず伝えるようにしましょう。
家族葬の場合の訃報文例
急なご連絡となり失礼いたします。
〇〇〇〇の長男(または長女など)、〇〇と申します。
父(または母など)、〇〇〇〇はかねてから入院加療中でしたが、〇月〇日〇時〇分、享年〇〇歳にて亡くなりました。
生前に賜りましたご厚情に深く感謝いたしますとともに、謹んでご通知申し上げます。
なお、故人の遺志により通夜ならびに葬儀・告別式は近親者のみで執り行います。
つきましては、誠に勝手ながら香典、供花、供物、弔電は辞退させていただきます。
家族葬の場合は、葬儀が済んでから伝えても問題ないでしょう。
その場合は「故人の遺志により、葬儀・告別式は近親者のみで執り行いました」と伝えます。
親族からの訃報連絡にLINEで返信してもよい?
ここからは、親族からLINEで訃報が届いた場合についてみていきましょう。
親族からの訃報LINEに返信するのは、LINEで訃報を伝える場合と同じで問題ないとされています。
これは、親族も普段からLINEで連絡をとりあっていたために、LINEで訃報を伝えてくれたと考えられるためです。
LINEで訃報を伝える場合と同じく、親族とはいえ、ことばづかいなどに注意して弔意を表すことが大切です。
また、自分にできることがあれば手伝いたい旨を申し出るとよいでしょう。
親族からの訃報LINEに返信する場合の注意点4つ
親族からの訃報LINEに返信する場合の注意点をみていきましょう。
1.忌み言葉は使わない
訃報LINEに返信する場合は、親族であっても次のような忌み言葉は使用しないようにしましょう。
- 死を思い起こさせることばや数字:死ぬ、死去、4、9 など
- 不吉なことば:苦しみ、終わり 、浮かばれないなど
- 不幸が続くという意味にとらえられることば:重ね重ね、くれぐれ、たびたび など
- キリスト教式、神式の場合:往生、冥福、成仏、供養などの仏教用語
2.LINEスタンプや絵文字は使わない
普段から親族とのLINEで連絡をとりあっているときに、LINEスタンプや絵文字を使っていたとしても、訃報LINEに返信するときは使用しないようにしましょう。
親しい親族であっても、訃報にLINEスタンプや絵文字は使用しないのがマナーです。
3.簡潔にお悔やみを伝える
親族から訃報LINEが届いたら、まず簡潔にお悔やみを伝えます。
何か手伝えることはないか、尋ねておくとよいでしょう。
親族のなかでも、日ごろからのお付き合いの程度も異なりますので、親しい親族であれば、あまり堅苦しいことばづかいではない方がよいかもしれません。
4.なるべく早く返信する
親族は忙しいなかでも、いち早く訃報を伝えようとしてくれたと思われます。
訃報が確実に伝わったのか気になっているでしょうから、なるべく早く返信するようにしましょう。
親族からの訃報LINEへのお悔み返信文テンプレート3例
この章では、親族からの訃報LINEへのお悔み返信例文をご紹介します。
普段からの関係性により、文面も違ってくるかと思います。
こちらも必要なところを変更すれば、そのまま使えるテンプレートになっていますので、お役立てください。
1.親しい親族の場合
おじいちゃんが亡くなられたとの訃報に接し、驚いております。
先日病院へお見舞いに伺ったときは、もうすぐご退院とのことでしたのに、信じられない思いです。
大変なときかと思いますが、どうか無理をなさらぬようお身体を大事にしてください。
私にできることがあれば、遠慮なくおっしゃってください。
まずは、謹んでお悔やみ申し上げます。
2.あまり親しい間柄ではない親族の場合
伯父様ご逝去との訃報に接し、悲しみに打たれております。
どうかご伯母様が、お気疲れなさいませんようお祈りいたします。
もし私にできることがあれば、遠慮なくお知らせいただければと思います。
まずは、略儀ながら謹んでお悔やみ申し上げます。
3.通夜や葬儀・告別式に参列できない場合
叔母様ご逝去との訃報に接し、信じられない思いです。
この春にお会いした時にはお元気そうでしたのに、残念でなりません。
本来ならすぐにでもお伺いするべきところ、諸事情によりご葬儀に参列することができず、申し訳ございません。
叔父様のご心痛のほどはお察しいたしますが、どうかお身体を大切になさってください。
まずは、略儀ながら謹んでお悔やみ申し上げます。
まとめ
この記事では、故人様の親族にLINEで訃報を伝える際、また自分の親族から訃報LINEを受け取り返信する際の注意点を、例文とともにご紹介しました。
葬儀社様でも、訃報連絡に関する解説記事の参考として、本記事をお役立ていただければ幸いです。
親族のなかでも日ごろからのお付き合いの度合いにより、ことばづかいなどにも配慮が必要です。
そして親族だからこそ、ご遺族様のお力になれることもあるかと思いますので、その気持ちを文章に込めるとよいでしょう。
LINEでの訃報や返信に悩まれた際には、記事中でご紹介した例文をぜひ参考にしていただければと思います。