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【完全版】葬儀社のための「中小企業省力化投資補助金」活用・申請ガイド

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葬儀社の経営者・管理職の方から、以下のようなお話を聞くことが年々増えています。

  • 「スタッフが足りず、受注を断らざるを得なかった」
  • 「通夜・告別式が重なる週末に、現場が崩壊寸前になる」

多死社会の進展で施行件数は増加傾向にあるにもかかわらず、採用難と定着率の低さが慢性化し、現場は常に人員不足の状態に置かれています。

この構造的な課題に対して、国が「製品カタログから選ぶだけ」という簡便な仕組みで支援するために創設したのが中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)です。

本記事では、中小企業庁・中小企業省力化投資補助事業事務局が公表している採択決定事業者データをもとに、葬儀業界での審査通過実績・活用事例を整理するとともに、現場で効果的な設備の選び方、申請手順、注意すべきリスクを順序立てて解説します。

「自社でも申請できるのか」「どこから手をつければよいか」とお悩みの経営者・担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

もくじ

申請実績が示す葬儀業界への優位性

右肩上がりのグラフ

申請実績(1)冠婚葬祭業は国の「重点支援業種」に指定されている

経済産業省および中小企業庁は、中小企業省力化投資補助金の運用において、特に人手不足が深刻な業種を「重点支援業種」として指定しています。冠婚葬祭業はこの対象に明確に含まれており、予算配分において優先度が高く設定されています。

人手不足が構造的な課題となっている葬儀業界にとって、本補助金は制度設計の段階から申請を後押しする枠組みになっています。

申請実績(2)カタログ注文型の交付決定率は約72%

独立行政法人中小企業基盤整備機構が公表している「カタログ注文型 交付決定概要(2025年12月末時点)」によると、カタログ注文型の累計交付申請件数は約3,200件に対し、交付決定件数は2,294件、交付決定率は約72%に達しています。

カタログ注文型の交付決定率
引用:中小企業省力化投資補助金「カタログ注文型」交付申請数及び交付決定数の推移

申請から決定までのタイムラグを考慮しても、10件申請すれば7件以上が交付決定に至るという水準は、他の中小企業向け補助金と比較して顕著に高い数字です。経営者が「申請を検討する」段階で、非常に高い期待値をもって臨める制度と言えます。

申請実績(3)規模を問わず審査を通過している

事務局が公表している審査通過事業者一覧には、株式会社埼玉冠婚葬祭センター(セレモニーグループ)のような大手グループ系列の法人から、有限会社半田葬儀社のような地域密着型の中小葬儀社まで、規模を問わず葬儀業の事業者が掲載されています。

事業計画の整合性が取れていれば、会社の規模は審査の障壁になりません。

参考|「一般型」という選択肢もある

カタログ注文型とは別に、事務局が認定した製品カタログに縛られず、自社の現場に合わせた設備やシステムを自由に選べる「一般型」も用意されています。

オーダーメイド性が高い反面、詳細な事業計画書の作成が必要で、審査から交付決定まで時間がかかります。葬儀社の多くが導入を検討するロボット・自動機器はカタログ注文型でも対応できるため、まずはカタログ注文型から検討するのが現実的な選択です。

葬儀現場で投資対効果が高い3種の省力化設備

葬儀現場で投資対効果が高い3種の省力化設備

本補助金は、事務局が認定した「製品カタログ」から設備を選ぶ形式です。葬儀社の現場において特に費用対効果が高い3種類の設備を解説します。

設備(1)配膳ロボット|会食の質を保ちながら人員配置を最適化する

葬儀において最も急な人手を要するのが、通夜振る舞いや精進落としの配膳場面です。厨房から各テーブルへの往復と、空いた器の回収は、多くの葬儀社でパートスタッフや他業務の兼務によって辛うじて回されているのが実情です。

配膳ロボットを導入することで、従来3名で対応していた作業をロボット1台+スタッフ1名の体制に削減できます。「ロボットに配膳させるのはご遺族に失礼ではないか」という懸念を持つ経営者も少なくありませんが、先行導入企業の多くは「ロボットが運搬を担い、スタッフはご遺族との会話やお飲み物への気配りに専念できる」という付加価値への転換として活用しており、顧客満足度の向上につながっている事例も報告されています。

設備(2)清掃ロボット|深夜・早朝の過酷な業務負担を解消する

葬儀ホールは広大な面積を持ち、常に高い清潔さが求められます。しかし、深夜まで続く通夜と早朝から始まる告別式の間に清掃を完了させるためのスタッフを確保することは、慢性的な採用難の中では非常に困難です。

清掃ロボットは閉式後の夜間に式場内の通路やロビーを自動清掃します。外注清掃費の削減だけでなく、自社スタッフが本来の葬祭業務に集中できる時間を創出する効果もあります。深夜・早朝の過酷な労働条件が解消されることで離職率の低下にも直結するため、「目に見える改善」として現場からの評価が高い設備です。

設備(3)自動受付・精算機|事務ミスをなくして遺族への信頼を守る

供花・供物の注文受付、香典返し(当日分)の精算、法要代金の支払いといった金銭を伴う業務は、葬儀当日の慌ただしい環境下では事務ミスが生じやすい場面です。現金の受け渡しや注文の聞き取りミスは、葬儀社としての信頼を致命的に損なうリスクがあります。

自動受付・精算機の導入によって、こうした事務負担を大幅に削減した事例が報告されています。機械化によってミスが減るだけでなく、スタッフがご遺族への対応により多くの時間を割けるようになる点も、導入効果として見逃せないポイントです。

自社の規模で確認する|補助金額・補助率の早見表

コインと貯金箱

補助金の上限額は、常時雇用する従業員数によって区分されています。自社の規模に照らし合わせ、キャッシュフローの計画にご活用ください。

従業員数補助上限額賃上げ目標達成時の上限補助率
5名以下200万円300万円1/2(2/3枠あり)
6~20名500万円750万円1/2
21名以上1,000万円1,500万円1/2

財務上の試算例

従業員21名以上の中堅葬儀社が、配膳ロボット3台と清掃ロボット2台の計800万円(税別)を投資する場合、自己負担は400万円、補助金額は400万円となります。パートスタッフ1名を新規採用し、社会保険料・研修費・制服代などの付帯コストをかけ続けた場合と比較すると、数年以内に投資回収(ROI)が可能な水準です。

なお、「賃上げ目標達成時の上限」は、補助金交付の条件として一定の賃上げを実施した場合に適用される優遇枠です。詳細な要件は公募要領または事務局窓口でご確認ください。

審査を通過するための6ステップ申請手順

審査を通過するための6ステップ申請手順

申請の流れは、経営者の方が想像されるよりもシンプルに設計されています。ただし、以下の各ステップには「外せないポイント」が存在します。これを見落とすと、審査で落とされるだけでなく、補助金の受け取りを拒否されるリスクもあります。

申請ステップ(1)gBizIDプライムの取得

中小企業省力化投資補助金をはじめ、国が運営するほぼすべての補助金・助成金のオンライン申請において、gBizID(ジービズアイディー)プライムは必須のアカウントです。補助金の申請画面自体がgBizIDによる認証を前提に設計されているため、アカウントがなければ申請フォームにすら辿り着けません。

gBizIDとは何か

gBizIDは、デジタル庁が運営する法人・個人事業主向けの共通認証システムです。一度取得すれば、補助金申請のほか、社会保険の電子申請、税務関連の手続きなど、複数の行政サービスをワンアカウントで利用できます。

取得できるアカウントには2種類あり、補助金申請に必要なのは「プライム」のみです。もう一方の「エントリー」はオンラインのみで即時発行できますが、補助金申請には利用できません。

GビズID

なお、プライムを取得した後は、社内の実務担当者向けに「gBizIDメンバー」というサブアカウントを発行できます。代表者に代わって担当スタッフが申請業務を行う場合に活用できる仕組みです。

取得方法は2通り|マイナンバーカードの有無で分岐する

gBizIDプライムの申請は、公式サイトからスタートする手順は共通です。途中の「事前チェック」でマイナンバーカードの有無を選択した時点で、オンライン申請書類郵送申請に分岐します。

申請方法必要なもの発行までの目安
オンライン申請マイナンバーカード+NFC対応スマートフォン最短即日
書類郵送申請印刷した申請書(実印押印)+印鑑証明書約1週間

gBizIDプライムの取得|【共通】申請開始〜事前チェックまで

①gBizID公式サイト(https://gbiz-id.go.jp/top/)にアクセスする

②「GビズIDアカウントの作成をはじめる」ボタンをクリックする

gBizIDプライムの取得①

gBizIDプライムの取得②

③「プライムアカウントを申請する」をクリックする

gBizIDプライムの取得③

④事前チェックで「申請者の区分(法人代表者 or 個人事業主)」を選択する

gBizIDプライムの取得④

⑤「マイナンバーカードの有無」を選択する

gBizIDプライムの取得⑤

申請ステップ(2)製品と登録販売店の選定

本補助金の最大の特徴は、事務局が認定した「製品カタログ」から設備を選ぶ点にあります。

選定にあたっては、単に価格や機能だけで判断するのではなく、葬儀現場のオペレーションを理解した上でアフターフォローまで伴走してくれる登録販売店を選ぶことが重要です。

配膳ロボットを例に挙げると、段差の多い古いホールで安定稼働させるには、事前の環境設定(マッピング)が不可欠です。現場の実情を把握していない販売店では、導入後にトラブルが生じても適切な対応を期待できない場合があります。

申請ステップ(3)経営計画・省力化計画の策定

なぜその設備が必要なのかを文書化します。

葬儀社の場合、「人手不足により受注できる施行件数が年間10%失われている。本設備の導入により1件あたりの労働時間を20%削減し、失われた機会損失を回復させる」という形で、経営の数字に直結したストーリーを組み立てることが審査評価につながります。

抽象的な「省力化したい」という表現よりも、具体的な数値目標を示すことが重要です。

申請ステップ(4)採択通知(=交付決定)を受けてから発注・支払いを行う

カタログ注文型では、審査を通過した時点で採択と交付決定が同時に行われます。

申請手順の中で最も厳守すべきルールは、この採択通知が届く前に契約・支払いを行わないことです。通知前に支払った設備費用は1円も補助の対象になりません。

販売店の担当者から「補助金が出ますから先に納品しましょう」と提案された場合も、決して応じてはいけません。

申請ステップ(5)事業実施と実績報告

設備が納品されたら、実際に稼働している様子を写真で記録し、支払証明書(振込控え等)と合わせて事務局へ報告します。

ロボットがホール内で稼働している状況写真や、自動受付機がフロントに設置されている写真など、設備の稼働実績が視覚的に確認できる記録が必要です。

申請ステップ(6)補助金の入金と年次報告

実績報告が認められると、指定口座に補助金が振り込まれます。ただし、受け取って終わりではありません。導入後数年間は「どの程度省力化できたか」を定期的に報告する義務があります。

この年次報告を怠ると補助金の返還を求められるケースもあるため、報告スケジュールを事前に把握しておくことが重要です。

申請前に把握しておきたい3つのリスクと対策

注意

補助金活用にはメリットだけでなく、注意すべき落とし穴も存在します。事前に把握し、リスクを最小化した上で申請に臨んでください。

申請リスク(1)目的と手段が逆転してしまう

「補助金が出るから何か買おう」という発想は、審査通過後に設備が現場で活用されない最大の原因です。

選ぶべき設備は、補助金の対象製品一覧から逆算するのではなく、「現場のどの業務が最も負担になっているか」「どの業務の残業代が経営を圧迫しているか」という経営課題を起点に決定してください。

課題と設備のミスマッチは、報告義務の達成も困難にします。

申請リスク(2)現場スタッフからの反発が生じる

「ロボットは使いにくい」「自分の仕事が奪われる」といった懸念から、ベテランスタッフが省力化設備の導入に反発するケースがあります。

これは葬儀業界に限らず、多くの現場で報告される共通課題です。導入前の段階で「この設備は、スタッフの皆さんの身体的負担(重い物の運搬・深夜の清掃)を減らし、ご遺族に寄り添う時間を増やすための道具である」と丁寧に説明し、現場の理解を得るプロセスを省略しないようにしてください。

申請リスク(3)書類不備による補助金の返還を求められる

虚偽の報告はもちろん、不適切な会計処理や証憑書類の管理不備があった場合、後日補助金の返還を求められることがあります。

領収書・振込明細・納品書・稼働記録などは専用のファイルで一元管理し、税理士や行政書士など専門家によるチェックを受ける体制を整えることが最も安全な対策です。

まとめ|省力化補助金を変革の起点として最大限に活かすために

コンサルタント

中小企業省力化投資補助金は、冠婚葬祭業を「重点支援業種」として位置づけており、累計交付決定率は約72%という高い水準を維持しています。事務局のデータでは従業員5名以下の小規模事業者が全採択件数の約18%を占めており、事業計画の整合性があれば規模を問わず申請できる制度です。

葬儀現場への導入効果が高い設備として、配膳ロボット・清掃ロボット・自動受付精算機の3つが挙げられます。いずれも「人がやらなければならない業務」を代替するのではなく、「スタッフがご遺族と向き合う時間を増やす」ための手段として機能します。

申請にあたっては、gBizIDプライムの早期取得、交付決定前の発注禁止、書類の厳密な管理という3つの原則を守ることが、審査通過後の円滑な補助金受け取りに直結します。

シニア層の価値観が変化し続ける中で、葬儀社に求められるのは「効率化できる部分は徹底的に効率化し、スタッフがグリーフケアや終活相談、独自の葬儀演出に時間を割ける体制をつくること」です。補助金はその変革を後押しする一つの手段に過ぎませんが、活用するかどうかによって3〜5年後の競争力に大きな差が生まれます。

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